夜に猫が身をひそめるところ Think の商品レビュー
さすがクラフトエヴィング商會の血を感じるセンスです。でも、ちゃんと作者のカラーがそこにはあるように感じました。 優しい気持ちになるなぁ…
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こういう隣の世界は、ある気がする。写真や、地名や、設定も全部おもしろい。字詰めが気になるけどそれも全部含めて仕掛けなのかな
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猫と水とお菓子とホルン。登場させるモノが可愛く、柔らかな物語に安らぎました。 特に、水がゆるゆると優しく煌めきながら流れる姿を眺めて、登場人物たちが心癒されるシーンでは、私まで物語の中にでもいるように和みました。素敵な写真はもちろん、豊かな表現も、読者の想像を心地よく引き出してく...
猫と水とお菓子とホルン。登場させるモノが可愛く、柔らかな物語に安らぎました。 特に、水がゆるゆると優しく煌めきながら流れる姿を眺めて、登場人物たちが心癒されるシーンでは、私まで物語の中にでもいるように和みました。素敵な写真はもちろん、豊かな表現も、読者の想像を心地よく引き出してくれます。 また、「見知らぬ世界」への豊かな想像が、つれない猫のThinkの物語としてふわっと着地する瞬間はなんとも魅力的です。動物への温かい目線と、魅惑的な想像力の賜物。 居心地の良い世界に、穏やかにたゆたう心を預けて過ごす時間は贅沢だと感じさせてくれる作品でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
・余計なことは考えない。ただ黙って座っていればいいのだ。この「世界」には自分の役割ってものがあるのだ。 座っていればいい。黙っていればいい。 そしてまた「吹く」時が近づく。 ・なぜなら私は「驚き」を愛するからだ。「驚き」は、人が何かを知ってゆくたびに、ひとつずつ消されてゆく。子供のとき、世界のすべては「驚き」に充ちていた。何も知らなかったからだ。私は背丈こそ伸びなかったが、いろいろなことを吸収して大きくなり、知らなくていいようなことまで知ってしまった。この世の中には、人に「驚き」を与えるふりをしながら、結局のところ知識ばかりを教示するものがあまりに多い。残念なことだ。私はもうこれ以上何も知りたくない。 ・知らなくていい。 知らない者、分からない者だけが、考える。 そして「考える者」だけが少しだけ前へ進める。そうではないか?そうであってほしい。私はそうだと思っている。 ・「うーん、まだよく分からないけど」・・・適当なこと言っちゃえばいいか・・・ 「わたしはわたしが大切だと思うものや、大事にしてゆきたいと思う人、そういうことを本にできたらいいなあと、ただそれだけ…ごく普通のこと。日常のことです」
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クラフト・エヴィングワールドといったところか。些細なものから物語を紡いでいく。そしてその物語はどこかの物語にリンクしていく。 本当に素敵。
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大好きな本が増えた。 羽根木の森の近くに住みたくなる。 そしてミルリトンが食べたくなる。 猫を飼いたくなる。
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「夜に猫が身をひそめるところ」吉田音◆主人公・音は「ミルリトン探偵局」を結成。通い猫・Thinkがもってくる「お土産」から、「猫だけが行ける場所」を想像する。探偵局とは言え、空想推理なのでミステリとは異なります。どこか遠くの世界とこの世界が混じり合うような不思議な空気を感じます。
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なんだこれ。素敵。私のうちの猫もいろいろ持ち帰ったけど、ちなまぐさいものばかりだったな。なつかし。 知らない者、分からない者だけが、考える。たしかに。そうありたいね。 円田さんが素敵。
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光沢ビスケットが出たあたりから、ほんわかが止まらないよね。 "人は何かを知るたびに「驚き」を失っていく、だから何も知らない方がよいのだ。" あると思います。
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日常のなんでもない出来事をここまで楽しめる視点、生活の豊かさがうらやましい。 ゆったりとした上質な空気感はクラフト・エヴィング商會の作品に通じるものがあるので、やっぱり遺伝でしょうね。きっと素敵な家族なんだと思います。 主人公が想像する猫のセリフが、妙にとぼけていていい感じです。
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