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新世界 の商品レビュー

3.8

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    17

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2024/02/02

原爆開発に携わった実在の科学者を登場人物に、原爆で戦争が終わった中で発生した殺人事件を描いたミステリ 基本的には勿論フィクションなのだろうが原爆開発や投下に伴う登場人物の苦悩や葛藤や功罪など社会派な一面も

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2022/05/24

原爆の話をされるとミステリー要素が吹っ飛ぶな。一応、ミステリーなんやけど… アメリカさん、ドイツに負けじと原爆開発(ドイツに先んじられると大変な世の中になる!) しか〜し!もう向こうは、降伏して終わってんのに、完成まで続ける。 そのお陰で、今も核の恐怖に怯えて生きなあかんやん。 ...

原爆の話をされるとミステリー要素が吹っ飛ぶな。一応、ミステリーなんやけど… アメリカさん、ドイツに負けじと原爆開発(ドイツに先んじられると大変な世の中になる!) しか〜し!もう向こうは、降伏して終わってんのに、完成まで続ける。 そのお陰で、今も核の恐怖に怯えて生きなあかんやん。 更に、今はウクライナの問題もあって、核がクローズアップされてる。 そんな大きな事件があった後の1人が殺されもなぁ〜 まぁ、「ヒロシマの英雄」(アメリカから見た場合)とか言われても、一瞬の業火で大量の人らを… 罪の意識があるだけマシで、研究してた科学者さん達は? 白い閃光が地上を焼き尽くす… 目を開くと、白い髑髏の仮面をつけた死神たちが私を取り囲み、黒い口を開けて笑っていた。 それがあなた達の新世界なのですね〜 後悔ぐらいはして!

Posted byブクログ

2022/02/24

マンハッタン計画の中心施設であるロスアラモス研究所での出来事を、オッペンハイマー博士の手記という形で綴っていく。きっちり虚構と宣言しているにもかかわらず、原爆投下後の広島の描写にそれを忘れる。原民喜の「夏の花」の引用も効果的だ。研究所の科学者達が、被爆者のことをどれだけ想像できた...

マンハッタン計画の中心施設であるロスアラモス研究所での出来事を、オッペンハイマー博士の手記という形で綴っていく。きっちり虚構と宣言しているにもかかわらず、原爆投下後の広島の描写にそれを忘れる。原民喜の「夏の花」の引用も効果的だ。研究所の科学者達が、被爆者のことをどれだけ想像できたのかは分からない。「新世界」ってタイトルも効いてるよね。

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2021/08/14

舞台がロスアラモス。原爆開発の天才科学者が集まっている町での殺人事件。 ミステリーではあるが、それよりも別のテーマのウェイトが高い。

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2021/04/27

これは小説というものの完成形のひとつだと思う。政治的、思想的な側面に囚われる人もいると思うけど、ペンは剣より、を地で行き、示すものとして評価されるとよいのでは。

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2021/03/11

2021.03.10.読了 柳広司おそるべし。   狂気の科学者。科学者の狂気。 しかし狂っているのは何も科学者だけではないということ。人類=われわれ人間が狂っているのだ 過剰な便利さ、豊かさ、そして溢れる娯楽。 果たしてそれは本当に必要なのか?我々は驕ってはいないか? この新...

2021.03.10.読了 柳広司おそるべし。   狂気の科学者。科学者の狂気。 しかし狂っているのは何も科学者だけではないということ。人類=われわれ人間が狂っているのだ 過剰な便利さ、豊かさ、そして溢れる娯楽。 果たしてそれは本当に必要なのか?我々は驕ってはいないか? この新世界を読んで感じるように人間は自分たちで自分たちのクビを絞めている状態にある。 原爆しかり。アフリカの飢餓に対して存在する食品ロス、プラスチックごみ、二酸化炭素排出。尻拭いさえ出来ない原発を何基も作り、国々はより破壊力のある原爆を競って開発し、領土を欲して終わることのない戦争を繰り返す。 しかしながら、偉大な自然の力を前にいつも人間は無力だ!地震、熱波、隕石、ウィルスなどなど。 人間は原点に帰るべき。資源は有限であり、無限の欲望は無意味だ!宇宙旅行なんかもってのほか! かく言う私も、パソコンを使い、スマホに頼り、スーパーマーケットやデパ地下で豊富な食品を買い込み、電気製品を水を当たり前のように使っている。でもそれではいけない!絶対にいけないと思う!何かを変えたい。 例えばビール瓶や牛乳瓶を再利用していた昔。そんなに不便を感じていただろうか?夕方行ったスーパーで人参が売り切れていたらそれは耐えられないことなのか?コンビニが少なかったら誰かが死んじゃう? 一人ひとりが自分の生活を見直すことで地域に広がり、国を変え、世界を動かすことができるのではないか? そんな事をつくづくと考えさせられた素晴らしい作品でした。原爆被害場面ではとても生々しく正視にたえない表現もあります。でも、こういう作品はたくさんの人に読んでもらいたい。このままではいけないとみんなが考えるキッカケになってほしいと切に願います

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2020/02/27

『ジョーカーゲーム』シリーズを読んで面白かったので、他の作品も読んでみたいと思って本屋で見かけた本作を購入。 原爆開発が行われたロスアラモス研究所を舞台にしたフィクション。所長であるオッペンハイマーの旧友の視点で書かれた、終戦祝賀パーティの夜に行われた殺人をめぐるミステリーになっ...

『ジョーカーゲーム』シリーズを読んで面白かったので、他の作品も読んでみたいと思って本屋で見かけた本作を購入。 原爆開発が行われたロスアラモス研究所を舞台にしたフィクション。所長であるオッペンハイマーの旧友の視点で書かれた、終戦祝賀パーティの夜に行われた殺人をめぐるミステリーになっている。だが、その裏にある原爆開発の大義名分と、それがもたらす結果についての苦悩、戦争の非情さ。全体主義的な責任の観念と善悪の区別の欠如。そちらの方が重厚なテーマであったように思う。責任を感じないようにすれば罪悪感はないが、結果を目の当たりにしてしまったら正気ではいられまい。殺すか、狂うか。一体誰が正気なんだ。

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2019/08/24

ミステリー仕立てで、原爆投下の是非、人間の原罪を浮き彫りにした作品。 メッセージ性がある物語ですが、ミステリー部分がかなりいまいち。なぞ解きは主題ではないものの、ミステリー部分の中途半端感は否めません。 ストーリとしては、 原爆開発の指揮を執ったオッペンハイマーが、ロスアラモス...

ミステリー仕立てで、原爆投下の是非、人間の原罪を浮き彫りにした作品。 メッセージ性がある物語ですが、ミステリー部分がかなりいまいち。なぞ解きは主題ではないものの、ミステリー部分の中途半端感は否めません。 ストーリとしては、 原爆開発の指揮を執ったオッペンハイマーが、ロスアラモスで発生した殺人事件について記載したという設定。 原発開発の為に集められた天才科学者たちが暮らすロスアラモスにおいて、戦勝を祝うパーティで発生した奇妙な殺人事件。その犯人は?というのがミステリー。 事件の解明が進むとともに、開発した科学者、投下したパイロットの闇と狂気の部分が明らかになってきます。 原爆を生みだした科学者の意識、そして、彼らなりの正義。しかしそれはほんとに正義だったのか? 自分としては、当然ながら、ヒロシマ、ナガサキへの原爆投下は不要だったという認識ですし、国際法にも違反する行為だったと思っています。 といっても戦争当時に国際法っていってもねぇ。 そして、放射能事故での被害者の凄惨さ。原爆そのものの威力、恐ろしさが描画されています。 さらには、原爆の仕組みについても描かれています。 さらにパイロットの苦悩と狂気。 そうしたところから、語られていくその瞬間... 考えさせられる物語でした。

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2019/02/27

『ジョーカー・ゲーム』を読んでお気に入りの著者。史実に基づき想像の羽を広げた作風は本作も健在だ。ナチスの原爆製造に先んじるという大義名分のもとに集められたはずの科学者と、太平洋戦争を終結させるためと軌道修正して理由付けされて創造された原爆を題材に、ドキュメンタリータッチで描き起こ...

『ジョーカー・ゲーム』を読んでお気に入りの著者。史実に基づき想像の羽を広げた作風は本作も健在だ。ナチスの原爆製造に先んじるという大義名分のもとに集められたはずの科学者と、太平洋戦争を終結させるためと軌道修正して理由付けされて創造された原爆を題材に、ドキュメンタリータッチで描き起こされた。隻眼の少女の先達でヒロシマへの原爆投下とその後の地獄絵図を疑似体験させる筆致だが……人類の存亡を揺るがしかねない兵器に対する怖さが伝わった。

Posted byブクログ

2019/06/13

小説家である「私」のもとに、エージェントと称する謎の人物から持ち込まれた原稿。それは「原爆の父」と呼ばれた科学者、ロバート・オッペンハイマーの未発表の遺稿だった。 内容は、第二次世界大戦終結に沸く夜、ロスアラモス国立研究所内で起きた奇妙な殺人事件について。 オッペンハイマーに依頼...

小説家である「私」のもとに、エージェントと称する謎の人物から持ち込まれた原稿。それは「原爆の父」と呼ばれた科学者、ロバート・オッペンハイマーの未発表の遺稿だった。 内容は、第二次世界大戦終結に沸く夜、ロスアラモス国立研究所内で起きた奇妙な殺人事件について。 オッペンハイマーに依頼されたイザドア・ラビが、事件の真相を追っていくというものだが――。 ヒロシマ・ナガサキの悲劇、数十万の死と数百万の苦しみを生み出した場所で〈たったひとりの死〉を追う物語は皮肉に満ちみちている。 夜を打ち払い、忽然と地上に現れる小さな太陽。 その瞬間はひとつの世界の終わり、別の世界の始まり。 そう、これがわれわれの新しい世界。そこでわれわれは常に、狂気の淵に立つ。すべての民族は今、地獄のかまどのまえに整列している――。 この『新世界』はノン・フィクションという体裁をとったフィクションである。 どこまでが事実で、現実で、どこまでが虚構で、想像なのか。その境目を曖昧にすることで、かつてこの国に起こった悲劇と、また同じ悲劇がいずれ起こりかねない、ここはそういう世界だという容赦ない現実が浮かびあがってくる。 異色のミステリ。 KADOKAWAさんの文芸情報サイト『カドブン(https://kadobun.jp/)』にて、書評を書かせていただきました。 https://kadobun.jp/reviews/375/33cca1f4

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