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ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか の商品レビュー

3.8

17件のお客様レビュー

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2018/12/22

 最近、気になっている「メンタルヘルスの相対的な悪化」はよく成果主義のせいにされるんだけど(それも一理あると思う)、個人的には「労働の質的変化」のほうが気になる。それを思ったときにふと思い出したのが「感情労働」。  肉体労働でもなく、知的労働でもなく、自身の感情の統制が求められる...

 最近、気になっている「メンタルヘルスの相対的な悪化」はよく成果主義のせいにされるんだけど(それも一理あると思う)、個人的には「労働の質的変化」のほうが気になる。それを思ったときにふと思い出したのが「感情労働」。  肉体労働でもなく、知的労働でもなく、自身の感情の統制が求められるこの労働について知りたくて借りた本。  入門書としては適切に思う。 _________________ 職場では個人としての感情より、職業人としてのあるべき感情がしばしば優先される。  感情労働者は顧客をある特定の感情状態にするために、声のトーンや表情、態度を調整することによって自分の感情を管理するのです。  感情労働という場合には、「自分の感情を加工することによって相手(顧客)の感情に働きかけることが重要な職務」となっていて、それにより、陰に陽に報酬を得ていること、すなわち「感情に商品価値があること」がポイントになります。  他人を欺いていくうちに、本来の自分らしさが失われていく、これが感情労働の代償あるいは副作用なのです。  (デブリーフィングセッションでは客観的なデータよりも、自分が感じた主観的なことがらをメインにする)こうしたかたちで誰かに話を聞いてもらい、受け入れてもらう体験はケアされる体験でもある。  人々にとって家庭で行う家事や育児といった複雑な感情ワークのほうが「仕事」になってしまい、居心地の良い職場が「家」になっていると指摘します。

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2018/08/31

☆医学部図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA79888763

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2018/02/06

看護師を中心に、「感情労働」と言われる人たちの苦悩や特徴を示していった本。 ただ単に感情労働そのものを解説するだけではなく、感情労働が現代の社会でどのような位置づけにあって、なぜ感情労働が現代で盛んになっているのか、その流れまで示している。その意味では、一貫性があって良い。 特に...

看護師を中心に、「感情労働」と言われる人たちの苦悩や特徴を示していった本。 ただ単に感情労働そのものを解説するだけではなく、感情労働が現代の社会でどのような位置づけにあって、なぜ感情労働が現代で盛んになっているのか、その流れまで示している。その意味では、一貫性があって良い。 特に、看護師や駅員などに暴力的な言動を受けた人の心理状態は、行う側の心理状態が投影されたもの・・・という部分は、思わず膝を打った。 この本に続き、専門書も読んでみたくなる。感情労働の入門書としてはぴったりだと思う。

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2015/08/22

人を相手に接客、接遇しながらのお仕事は、キャビンアテンダントから看護師まで、普通以上にどーんとつかれるといわれているが、その一番の理由を感情労働を求められているから、という。その感情労働はどのように機能しているのかを③年がかりでいろいろな例を上げて、分かりやすく開設してくれている...

人を相手に接客、接遇しながらのお仕事は、キャビンアテンダントから看護師まで、普通以上にどーんとつかれるといわれているが、その一番の理由を感情労働を求められているから、という。その感情労働はどのように機能しているのかを③年がかりでいろいろな例を上げて、分かりやすく開設してくれている。 たぶんいまどきの世の中で、専門的な仕事している人にはだれでも、読んで、そうだったのかと、納得がいくことだろう。

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2013/12/30

思っていた本とは違っていた 著者が看護の世界の人間であるのでそちらの話題に終始していた とはいえ、サービス業や営業職の人間がなぜ疲弊するのかという点にはヒントがあったかなと 利益を追求しようと思えば正規雇用じゃない方がいい、でもサービスは落とせない、だから能力給とか接遇マニュア...

思っていた本とは違っていた 著者が看護の世界の人間であるのでそちらの話題に終始していた とはいえ、サービス業や営業職の人間がなぜ疲弊するのかという点にはヒントがあったかなと 利益を追求しようと思えば正規雇用じゃない方がいい、でもサービスは落とせない、だから能力給とか接遇マニュアル 糠に釘、暖簾に腕押し、馬耳東風

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2013/10/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

フォトリ36。なぜ、福祉関係はバーンアウトするのか?私たちの「感情労働」とCAやモデルさんの「笑顔」は何が違うのか? CAさんやモデルさんはその笑顔のおもてなし、魅力が評価の対象。且つ、それが「仕事」として行われていることを、世間も自分も自覚。 いっぽう、私たちの仕事は、生活上の困難をかかえる人を、制度の力を借りて助けること。その調整と結果が評価の対象で、笑顔や傾聴姿勢が報酬に反映されることはない。でも、表面的演技や「仕事だからやっています」ではなく、人格まで献身的、博愛的であることを、世間も期待しているし、自分も「そうあらねば」と思い込んでいる。実際には、そんな人格者はそうそういないわけで、「嘘つき」な自分を自覚して、ちょっとシニカルに仕事を続けたり、「条件のせい」にして職場を点々としたり、いつの間にか嫌気の方が大きくなって離職したり、「良き人」であろうとし続けて病んでしまったり、なのでしょうか。 スーパーバイスで仕事上傷ついたり、怒りを感じた、悔しかったことなど共有、昇華できると離職が減るんじゃないか、と、再認識しました。

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2013/10/03

期待してただけに、ガッカリ感の強い本。自分の印象ばっかり書いてある感じ。統計とか実験とか、客観的で科学的なものを読みたかった。

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2013/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人との付き合いに僕自身が疲れたんでしょうか。 そんな訳でなぜ疲れるのかを調べてみようと思って読んでみました。 そもそも感情労働ってなんだろうか。 ホックシールドさんという方が定義したものをまずはご紹介します。 (1) 人々と面と向かっての接触あるいは声を通しての感触がある (2) 働き手は感謝や恐怖といった特定の感情状態を顧客に引き起こすことが求められる (3) 雇用者は、訓練や指導監督を通じて働きての感情面の活動を、ある程度コントロールすることができる 以上のことが肉体労働でも頭脳労働とも異なる第三の労働形態である、 感情労働なのです。 ここでは看護師や介護ワーカーの方が患者さんに対して虐待をしてしまった例なども書いてあります。 僕はこの本を読む前は単純に良くないなぁ~くらいしか思っていませんでしたが、 改めて考え方が浅かったですね。 虐待について発生するケースにはお互いの気持が通じ合わない事が多いと書かれていました。 書評ブログ:http://ameblo.jp/toshinobook/entry-11532050926.html

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2012/03/13

さっと読むにはちょっと難しい けどヒントになることを書いてた 看護の話が多いけど他の職種や、職業を抜きにしても参考に出来る部分があるはず

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2011/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感情をそのまま表すことのできない仕事は人に負担を強いる。感情と表層感情が食い違うと、アイデンティティが揺らいで苦しいし、それが進むと深層の感情を凍らせてしまう。 また、共感疲労という物もあり、相手の苦しさや状況に共感出来たら出来たで、解決できない無力さが大きなストレスを与える。 注意喚起の書であるが、様々な事例が乗っていて興味深い。ただ、職場などでの解決策はこの本からは得られない。システムとして感情労働のストレスを緩和させる方法は無いのかな。個別に戦うしかないのだろうか。 オランダは法的に安楽死が罰せられない事となった国。でも、その終末期の患者の療養院での体験記からの告白が胸を打つ。 「たいていの場合、われわれ人間は後ろ向きに死の中へ入ってゆくのだ。新聞を読んだり、痛みや息苦しさと闘ったり、廊下の伝統がつけっぱなしになっていることに腹を立てたりしながら。」 「セロハンで死を包装しているうちに自分の死さえ、否応なく紙切れと同じに思えてくる。」

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