些末なおもいで の商品レビュー
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何かを喪失してしまっても、私もこうやって何も変わらず暮らしている。 読んでいたら胸が痛んだが、またそれも忘れて、普通に生きて行くのだろう。 「あれ」の設定がとても非日常なのに、高校生の日常に馴染んでいたのが不思議だった。
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世間では「あれ」と呼ばれる妙な病気が発生していた。 そんなものにはかからなかろう、と安易に考えている横で 知り合った同級生は、それにかかってしまった。 痒いと思っていたら、そのうちその部分だけが 飛んでいってなくなってしまう。 物理的になくなってしまうその病気ですが 一体飛んで...
世間では「あれ」と呼ばれる妙な病気が発生していた。 そんなものにはかからなかろう、と安易に考えている横で 知り合った同級生は、それにかかってしまった。 痒いと思っていたら、そのうちその部分だけが 飛んでいってなくなってしまう。 物理的になくなってしまうその病気ですが 一体飛んで行ったものはどこへ行くのでしょう? むしろその羽やら意思やらはどこから生まれるのか。 本人からなら、語られた背景に納得しそうです。 安易に人に対して向けてはいけない言葉、です。 病にかかった同級生。 その同級生が好きな、人を信じられない少女。 彼らの日常にやってきた、終わりがある時間。 淡々と進んで行くのですが、その中で自分はどうすればいいのか 分からないまま、やはり淡々と進んで行く日常。 だからこそなのか、少し動くと、ものすごく動いた感じがします。 死んでいく側としたら、生きている側が 自分をどれだけ憶えていてくれるか。 自分がいなくなる、というのは、確かに恐怖です。 自分がいなくても世界は回る。 けれど、誰かに憶えていてほしい、と願うのは 当然の事なのですから。
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眠れない夜を何度なく過ごした高校時代。 窓から夜の海の景色を見ていると、偶然通りかかったのが、矢鳴だった。 彼が患い始めた奇病の、あれは、日を追うごとに進行していき ついには退学した矢鳴を彼の幼馴染のキューピーさんと思った日々。 信じることと信じないこと。 他人と自分、孤独感と喪失感。 まず主人公は男だったのね。 語り口調は私なのに、会話するときは僕だったから混乱しそうになった。 更に奇病のあれって、何だろうねあれって。 青春というかファンタジー系かと思っちゃう。 正体不明の病気あれを持ってくるよりも 別の現実めいた理由で矢鳴が学校から遠ざかっていって喪失感~ でもありかな、ってなった)^o^(
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文頭の不眠症とゆうワードを見て読み始めました。 私も眠れない夜は自分の部屋の小窓から外を眺める事があるので共感から入りました。 内容ですがとても独特な話でした。 現実感のある描写と非現実的な病気の話が混じり不思議で、そして実際の恐怖を感じられました。 話の内容がとても斬新で読...
文頭の不眠症とゆうワードを見て読み始めました。 私も眠れない夜は自分の部屋の小窓から外を眺める事があるので共感から入りました。 内容ですがとても独特な話でした。 現実感のある描写と非現実的な病気の話が混じり不思議で、そして実際の恐怖を感じられました。 話の内容がとても斬新で読みふけってしまいました。
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何故か自分でもわからないけれど心をぐっと掴んではなしてくれない本ってあると思う。これはそれ。 すごく不思議だと思うの、指がほどけて翼をはばたかせて飛び去るって。 超非日常なんだけど、この作品の不思議は確実に日常の延長線上にある感じがする。 なんでだろうね、なんでかな、読んでから大分経つけど全然離してくれません笑 キューピーさんがとても魅力的。
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表紙が綺麗だったから図書館で借りた。 あらすじを見みて空想要素があるとは思わなかったから、想像と違う奇病に驚いたけど、展開は予想しやすい。 10代の友人関係の悩みは誰もが体験する事で、共感できる所が多い。今では気にしなかった小さなことで悩んで、傷ついて……そんな当時を思い出した。...
表紙が綺麗だったから図書館で借りた。 あらすじを見みて空想要素があるとは思わなかったから、想像と違う奇病に驚いたけど、展開は予想しやすい。 10代の友人関係の悩みは誰もが体験する事で、共感できる所が多い。今では気にしなかった小さなことで悩んで、傷ついて……そんな当時を思い出した。 どうしても腑に落ちないのは奇病について。どうも現実味に欠けるので、話よりも奇病事態が気になって仕方ない。 例えば、体の内部(内臓等)だけが飛んでいくとしたら、口から吐き出すのだろうか。例えば、中間部分(二の腕)だけが飛び立つたら下の部分(肘から指先)は残るだろうか。最初に頭部が飛んでいったら?人以外の動物は懸からないのか? ツッコミをしてはいけないだろうけど、気になります。
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すごく、青春でした。 10代の痛さとか切なさとかがいっぱい。 「あれ」と呼ばれる奇病もすごいな、と思った。こんな病気を考えつくのが。 心臓が止まるわけでも体が朽ちるわけでもなく、だんだんと体の一部が失われて無になっていく死ってなんだろう。 脳が消えたら死なのか体全てがなくなったら死なのかわからないけど、自分の体の一部がどこかに飛んでいって最後には全部なくなるなんて残酷だよね。 でもそんな奇病にかかる少年よりも、 中盤からでてくる女の子の、中学校のクラス替えで仲いい友達が新しいクラスの友達と仲良くしちゃって自分は裏切られたエピソードの方が身近で共感できて10代の痛みってかんじ。 そしてこの小説はページ数も少なめだったからさっくり読んでゆっくり余韻に浸るにはもってこいだった。
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不眠症で眠れない夜を過ごす高校生の檜山。ある日そんな深海のような深夜を歩く同じ高校の矢鳴に声をかけられる。 矢鳴は「あれ」と呼ばれる病気に罹っていた。体の一部が痒くなり、次第に飛んでゆく。 友だちとは?生きることとは? 不思議なストーリーのなかで静かに考えさせられる作品。
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不思議なお話でシタ。 淡々とした文章だからか タイトルに違和感ないんデスけど よ~っく考えたら かなり奇異な現象デスよ?その病気。 日常に寄り添ってる分 より不思議さが際立つけど ちょっと「変身」を思い出しまシタ。 昨今のTVドラマやなんかみたく 「ほれほれ!」って押しつけ...
不思議なお話でシタ。 淡々とした文章だからか タイトルに違和感ないんデスけど よ~っく考えたら かなり奇異な現象デスよ?その病気。 日常に寄り添ってる分 より不思議さが際立つけど ちょっと「変身」を思い出しまシタ。 昨今のTVドラマやなんかみたく 「ほれほれ!」って押しつけられる『死』より 喪失感について考えちゃうかも。 ウチのチョビ達にも、いつか読んでほしいデス。
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静かに哀しい印象を受けた1冊。 印象に残ったのは、「本当に哀しいのは、消えてしまった瞬間ではないのだと。 本当に哀しく、耐え難くなるのはその後流れ続ける日常なのだ。」という所。 消えてしまう瞬間、どんな気持ちになるんだろう。
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