でかい月だな の商品レビュー
かごめのキャラが微妙だけど、後は読みやすい小説だった。でもなんで綾瀬を許せるのだろう。許してないのかな。
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「あいつを許せるのも憎めるのも自分だけだ!」という主人公の叫びが心に残ります。この物語をどのような視点で読むかによって、その評価も感想も大きく変わるように思います。自分はこの物語を読んで、犯罪や犯罪者に対する被害者や社会の在り方を考えました。被害者と加害者の関係は第三者の介入を許...
「あいつを許せるのも憎めるのも自分だけだ!」という主人公の叫びが心に残ります。この物語をどのような視点で読むかによって、その評価も感想も大きく変わるように思います。自分はこの物語を読んで、犯罪や犯罪者に対する被害者や社会の在り方を考えました。被害者と加害者の関係は第三者の介入を許さない。ならば裁判や裁判員といった社会制度はどのように犯罪や被害者と向き合えば良いのか…。期待していなかったのですが、被害者である主人公、加害者である親友、そしてその周りの人々、それぞれの気持ちがとても丁寧に描かれているとても良いお話しでした。また、いろんなことを考えるきっかけを与えてもくれましたので“はな丸”です。著者はこれがデビュー作であり小説すばる新人賞を受賞した作品だそうです。これなら受賞も納得できます。同時に読んだ他誌の新人賞を受賞した作品のレベルがあまりに低かったのですが、この作品を読んでチョッと安心しました。
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主人公のユキ(男の子)は友人だった綾瀬にいきなりガードレールから蹴落とされる。 空には大きな満月が輝いていた静かな夜の出来事。 ユキの足は元通りにはならずバスケの夢も諦め、学校も一年遅れに。 当の綾瀬はなぜ自分がそんなことをしたのかわからないという・・・。 そんなユキだが中川やか...
主人公のユキ(男の子)は友人だった綾瀬にいきなりガードレールから蹴落とされる。 空には大きな満月が輝いていた静かな夜の出来事。 ユキの足は元通りにはならずバスケの夢も諦め、学校も一年遅れに。 当の綾瀬はなぜ自分がそんなことをしたのかわからないという・・・。 そんなユキだが中川やかごめという新しい大切な出会いも。 そしてある日、世界中が「やさしさブーム」に包まれる、という現実なのかファンタジーなのか境界線が曖昧な不思議な展開に。争いのない平和な日常が訪れる。皆、憎しみも持たなくなってしまうのだ。家族が綾瀬を憎めば憎むほど、自分自身は綾瀬を憎めなかったユキ。しかし「やさしさブーム」により家族が綾瀬を許したとき、ユキの心は叫びだす・・・。 冒頭からいきなり衝撃的な展開です。 でも謎解きではなくて、友情、夢、恋、といった事柄を今までの青春ものとは違った形で見せてくれます。いきなりファンタジックな要素も絡んできていったいどーなるの?!と、スイスイと読めました。 「やさしさブーム」には最初冗談かと戸惑いましたが、心を抱え込んでしまうユキにとって心の叫びを外に出すためには必要な条件だったのでしょうね。 ユキ、綾瀬、中川にかごめ。登場人物の少年少女たちも魅力的。 不思議だけど、切なくも温かくも胸がちょっと痛くなる作品でした。 (2009年4月3日読了)
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空飛ぶサカナ キャラバン キャベツでバスケ やさしさブーム でかい満月 「オレはずっと、争いも憎しみもない、 綺麗な世の中になればいいと思っていたんだ。 だけど世界が綺麗になれば、 一番最後に残る汚れた人間は自分だった」 うーん、ところどころおもしろさはあったけど...
空飛ぶサカナ キャラバン キャベツでバスケ やさしさブーム でかい満月 「オレはずっと、争いも憎しみもない、 綺麗な世の中になればいいと思っていたんだ。 だけど世界が綺麗になれば、 一番最後に残る汚れた人間は自分だった」 うーん、ところどころおもしろさはあったけど全体的に展開がだらだらとしていて読むのに時間がかかりました。
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好きな絵師さんが装丁画を手がけてらしたので手に取りました。 紹介文の「インチキ錬金術師」や「邪眼を持つオカルト少女」に ?を飛ばしつつ恐る恐るページを繰ったのですが、内容も当たりでした! バスケに励む主人公の10代の少年が友人に崖から突き落とされ 生死を彷徨う大怪我を負い、一命と...
好きな絵師さんが装丁画を手がけてらしたので手に取りました。 紹介文の「インチキ錬金術師」や「邪眼を持つオカルト少女」に ?を飛ばしつつ恐る恐るページを繰ったのですが、内容も当たりでした! バスケに励む主人公の10代の少年が友人に崖から突き落とされ 生死を彷徨う大怪我を負い、一命とりとめたものの 片足の自由を失ってしまうところからお話は始まります。 もちろん大好きなバスケットボールはもう2度と出来ません。 かなり衝撃的です。 こういう導入であるのに物語の傾向はファンタジーです。 けれど主人公の現実逃避や意識的な再生云々とか 暗い水底のトンネルを這い出るようなものではなく。 主人公の一人称でお話は進むのですが 現実へ対する気持ちや、家族や友人や、 自分自身の環境が否応なしに変わって新しく出会ったもの (インチキ錬金術師やオカルト少女)やらに対する気持ちは 何となく事故前と事故後で変わっていないことが分かるからでしょうか。 (環境が変わったから新しく出会えたけれど、怪我を負わずに出会っていても態度は変わらなかったと思えます) とても瑞々しくてやわらかくて気持ち良いのです。 そしてお話の中で問題は何も解決せず、本当に不思議なのですが ラストの爽快感が本当に気持ち良いです。
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ありがちな青春小説?と思いきや、なかなか面白い味わいのある作品。 何が良いって、主人公の同級生の中川のつかみ所のない変人っぷり。この作品の大部分は彼の魅力が支えてると言っても、過言ではない。 科学オタクで奇怪な彼の、主人公・ユキに対する迷い犬を愛でるような言動に二人の一風変わっ...
ありがちな青春小説?と思いきや、なかなか面白い味わいのある作品。 何が良いって、主人公の同級生の中川のつかみ所のない変人っぷり。この作品の大部分は彼の魅力が支えてると言っても、過言ではない。 科学オタクで奇怪な彼の、主人公・ユキに対する迷い犬を愛でるような言動に二人の一風変わった友情を垣間見る。 「おいで」という台詞が様になる中学生も、珍しい。 キャベツ実験や鐘の合図のくだりは、笑った。シリアスなテーマではあるけど、ファンタジーな場面や登場人物の個性が相まって、まったく暗い印象を受けない。 やっぱり中川のキャラクターが強いと思う。私も「中川ラボ」にお邪魔したい。 「君は餌ばかり美味そうに食うくせに、ちっとも心を許さない。そしてある日ふいっといなくなるんだ。小屋は空っぽで、ぼくは途方に暮れる」
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いわゆる青春小説だと思いながら読み始めたら、錬金術オタク優等生、眼帯付きツンデレ少女、主人公の目にだけ映る空飛ぶ魚など、「え、これすばる新人賞だよね?」と、一瞬キョドり(笑)。 でも悲惨な目に合った割に、どこか呑気なところのある主人公のキャラも相まって、ラストまですんなりと読み進...
いわゆる青春小説だと思いながら読み始めたら、錬金術オタク優等生、眼帯付きツンデレ少女、主人公の目にだけ映る空飛ぶ魚など、「え、これすばる新人賞だよね?」と、一瞬キョドり(笑)。 でも悲惨な目に合った割に、どこか呑気なところのある主人公のキャラも相まって、ラストまですんなりと読み進めます。作中のファンタジックな要素が普通の青春小説との間に引かれた一線のように思いますが、どうにもならないことを夢物語的に処理しない結末も、好感度高し。 まだどこかに残っている、とても若い頃の自分が共感してしまうお話。好きです。
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親友に崖から突き落とされて死にかけたユキ。親友の涼平は自分の一番大切なものを壊してしまうという性格があった。そのことを知ったユキは涼平を仲直りを考える。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【第19回小説すばる新人賞】 尺玉でこの先ずっと行けるかはわからないけど。大人の事情を考えないっていいなぁ〜。素直でいられるのって大事だよなぁ。 このストーリーも良かったけど、かごめ。スゴイ!罵詈雑言の天才!!聞いてて(読んでて?)気持ちいい。 中川くんとかごめの話なんか読みたいなぁ。
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主題は、決して変わったものではないんです。 寧ろありふれた、よくあるものが、いくつか集まっていて、更に読者に痛切に感じさせるというよりは、すぐに、簡単にふわっと放って寄越す感じ。 だけど、描写が凄い。 何かを失って心に穴が開いた感じのような、主題に深く関わってくる感情から、ちょっ...
主題は、決して変わったものではないんです。 寧ろありふれた、よくあるものが、いくつか集まっていて、更に読者に痛切に感じさせるというよりは、すぐに、簡単にふわっと放って寄越す感じ。 だけど、描写が凄い。 何かを失って心に穴が開いた感じのような、主題に深く関わってくる感情から、ちょっとした言葉の端々まで、凄く丁寧に紡がれている感じがします。 だから主人公の痛みが、ありありと伝わってくる。 簡単に放って寄越される感じも、そんな描写達に溶け込んで、不快なものでなく、相乗効果を生み出して雰囲気を作り上げてるようです。 心が平穏でなくなってしまって、前を向かなきゃいけないのになかなか向けない――そんな時にお勧めしたい一冊です。 自分がそんな時に読んだから、というのも少なからずあるのでしょうが(笑)
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