夢を与える の商品レビュー
人の気持ちの移り変わりの速さ、虚構と欺瞞。それがリアルで、痛い。
著者初の長編。子供の時からTVの世界で生きてきた少女・夕子……健やかで美しい少女を、メディアは容赦なく商品化していく。人の気持ちの移り変わりの速さ、虚構と欺瞞。それがリアルで、痛い。
zxc
ある女性の栄枯を通して個人と社会との折り合いの選択肢を投げかける。過去や他者の過ちから何を感じるのか。"無理やり手に入れたものは、いつか離れていく" 夕子の言葉に母親は言葉を失う。ここにテーマが内在する。夢を与える。下手すれば傲慢な態度に見られがちだが、世間は...
ある女性の栄枯を通して個人と社会との折り合いの選択肢を投げかける。過去や他者の過ちから何を感じるのか。"無理やり手に入れたものは、いつか離れていく" 夕子の言葉に母親は言葉を失う。ここにテーマが内在する。夢を与える。下手すれば傲慢な態度に見られがちだが、世間は夢を与える側に犠牲を押し付ける。いとも容易くプライベートを粉砕し、尊厳を軽視する。某芸能人の浮気報道を鑑みればわかる。夢は残酷な局面を蜜にしている。夢は嘘との密接な繋がりがある。ならば、正直に声を上げる。ここにしか個人と社会の関係は構築できないのではないか。ほんのりと夕子の将来に期待する。
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恋は盲目。 ビデオ撮られてるって知った時にやめるのかと思った。 夕子の自業自得じゃないか。 多摩に会えなかったのはつらいね。 さらりと読めました。
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綿矢りささん3冊目かな。前2冊とも面白かったし、それ以前、ある短いエッセイを読んでその洗練された文章にいたく感銘を受けて以来注目している作家さんです。 が、この本はどうなのかな?最初からずっと違和感ありでどっかで展開しないかなと思いながら読んでも読んでも違和感、不快感。終盤にな...
綿矢りささん3冊目かな。前2冊とも面白かったし、それ以前、ある短いエッセイを読んでその洗練された文章にいたく感銘を受けて以来注目している作家さんです。 が、この本はどうなのかな?最初からずっと違和感ありでどっかで展開しないかなと思いながら読んでも読んでも違和感、不快感。終盤になっても同じ。もう、やめようかなと思うぐらいに、少し腹が立つぐらいの読書。 結局なんだったのだろう、このストーリーは。現実離れしているようだし、事件(?)の後の周囲の対応、動向も違和感満載だし、ヒロインにもイライラ。とにかく楽しくない読書でした。 でも、次の綿矢さんに私としての名誉挽回を期待します。
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最初から不穏な空気が漂っていた。 父母が、娘夕子をどんなに溺愛しても、夫婦の関係がうまくいかないと、娘の人生に大きく影響する。 芸能活動をしながらも、夕子の不安な感情を思うと切なかった。 悲しい小説だった。
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幼少期、とても顔立ちがよく、スタジオ会社からスカウトされ、雑誌のモデルをしていた主人公。 雑誌のモデル写真をみてCMを主人公の成長と ともに、ほぼ毎年とらせてほしいと大手企業から声が掛かる。父親は反対だったが、家族の権限を握っている母親は大賛成。 主人公も、すくすく育ったが大学受験の年にフリーターの成人したチャラいダンサーに恋をし、会う度にみだらな行為をする関係に。そのせいで浪人してしまう。その後も勉強を一切せずダンサーとの関係も、もっと悪く過激になっていく。主人公の任意の下で、みだらな行為を隠し撮りされ、気づけばネットに拡散されていた。さすがに事務所もカバーしきれず、CMも降板。 事務所の対応に不満な主人公の母親は、事務所に内緒で週刊誌を呼んでインタビューをうけたが、18歳の主人公は、同世代よりも痩せ細り、笑うことを忘れた とても人間とは思えない姿に、週刊誌のインタビュアーは主人公のことを、将来の見込みなしと判断するという物語だった。 芸能界の闇をかいた物語で、驚きと恐怖の連続だった。アニメ「推しの子」で、芸能界の闇を知ったが、アニメ以上に過激だった。 この物語は、2007年にかかれたものだが、現在はもっと恐ろしい業界になっているのだろうなと思った。 何十年も芸能界にいる人、いつまでもテレビなどで活躍している芸能人は、本当にすごいなと感心した。
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綿矢さんは初読みでしたが、読みやすかったです。内容的にはさほど共感しなかったけど、こういうタレントさんいそうだなとちょっとリアルな感じもしました。後半にかけては内容が気になりサクサク読めました。
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表現力の素晴らしさから、最初からとても引き込まれた。特に、最初の方の、赤ん坊の可愛さを表す表現!話の展開も、最初の方は、どんな風に転がって行くのか、予想出来ずにワクワクしながら読んだ。18年間?の物語、色々なことがあって飽きなかった。最後にしっかり伏線回収しているのも凄い。作りが...
表現力の素晴らしさから、最初からとても引き込まれた。特に、最初の方の、赤ん坊の可愛さを表す表現!話の展開も、最初の方は、どんな風に転がって行くのか、予想出来ずにワクワクしながら読んだ。18年間?の物語、色々なことがあって飽きなかった。最後にしっかり伏線回収しているのも凄い。作りがしっかりした作品だと思った。
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動画が流出し、夕子の芸能人生が絶たれるシーンを、読後10年経っても鮮明に覚えています。 特別に心が動かされたとか、印象的な言い回しがあったとかではないのですが、ふと読み返したくなる大事な作品です。
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実は初期の綿矢りさ作品を読むのは、これがはじめて。 ひとりの少女(夕子)が、生まれる前~高校を卒業するころまでを書いた本で、必然的に結構長い。 客観的視点で書かれているので、夕子がどういう子なのか言い切り型で書いてあるのだけど、恋をするまで夕子の意思というのは殆ど伝わってこなく...
実は初期の綿矢りさ作品を読むのは、これがはじめて。 ひとりの少女(夕子)が、生まれる前~高校を卒業するころまでを書いた本で、必然的に結構長い。 客観的視点で書かれているので、夕子がどういう子なのか言い切り型で書いてあるのだけど、恋をするまで夕子の意思というのは殆ど伝わってこなくて、夕子が何を考えているのか謎だった。おそらく、夕子自身も自分が何をしたいのかわからないまま、周囲から求められる仕事にひたすら応じていた、ということなのだろう。 夕子が恋をしてから(彼のことをなぜ好きになったのかも、よくわからなかったが)、彼と恋への執着で他の人の話を聞かなくなったあたりが妙にリアルなのと、それ以前のふわふわした世界観とのコントラストがはっきりしていたなぁ。 夕子が恋をしてからの話は読んでてすごくつらくて、本を読み終わったときは「やっと終わってくれた」と思った。求めても求めても得られない物への執着は、他人事であってもつらいのだ。 ただ、その後も夕子の人生は続いていくから、やはりそれはつらいなと思った。 芸能人として忙しくなっていく夕子、事務所の人達とのやりとりを読むのは結構楽しく読めた。人気がでて、上向きのところだったからだろうか。 読みながら、私が子供のときに10代で活躍していたいろいろな芸能人のことが頭をよぎった。 最近、昔の金田一少年の事件簿(ドラマ)を見たけど、出演していたともさかりえさんは「第2シーズンは自分のつらい顔を見るのがこわい」ということを書いていて、きっとこの頃、彼女にとってしんどい時期だったんだろう、そしてそれは彼女自身が40代になっても忘れられないほどのしんどさだったんだろう・・・と、思った。 華やかな世界、人から羨ましがられるような世界にいても、当然ながらつらいことはある。そんなこと、誰でもわかっている。でも、そこを目指す人が多いのはなぜだろう?考えてみたけど、私にはわからなかった。
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