クレオパトラの夢 の商品レビュー

恩田陸【著】

2010/02/28

　「ＭＡＺＥ」の神原恵弥シリーズ２作目。

　舞台は函館で（Ｈ市になってますが、ばればれですｗｗ）恵弥の双子の妹を、不倫相手から離すためにやってきて、そこで殺人事件がおこる。

　相変わらずかっこいい恵弥なのだ。女言葉だけどｗｗ
　「ＭＡＺＥ」に比べると事件がはっきりしている、というか、明確なんだが、恵弥の存在そのものは希薄な感じがする。
　きっと、彼は「ＭＡＺＥ」のような異国の異様な状況にある時が、一番彼らしくて、日本で家族のそばにいる時は、それようのカバーをかぶっているのだろう。
　ってことで、これの裏テーマは、一般的な社会にうっすらと浮いてる恵弥の姿、なんではなかろうかｗｗ

　と、恩田陸作品を読むとよくＮＨＫでやってた「少年ドラマシリーズ」を思い出すのだが、今回もずーーっとオーバーラップしていた。
　「タイムトラベラー」のなんともやるせない、切ない話の断片が、頭の中をぐるぐるしていた。

2010/02/14

北海道が舞台の伝染病？？クレオパトラを
扱うサスペンス。
めぐみちゃんのセーヘキがわかんない……。
恩田陸のキャラクターたちが
ばくばく食事する描写はすごく好き。

2010/01/25

MAZEより、ややスケールは小さい物語だけれども、恵弥のキャラクターがよりくっきりしてきて面白かった。
ＴＶドラマ化するのなら、恵弥役は是非ミッチーでお願いしたいです。

2010/01/25

「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥が主人公なお話。
いつもの恩田陸みたく、謎を追い掛けてる過程は非常に楽しい。
今回特に楽しかったのは非常に賢く洞察力のある登場人物たちの腹の探り合いと心理作戦。だまされたつもりが実は裏をかいていたり、あるいはその逆だったり。私もかなり騙された！
ストーリーも面白かったんだけど、「MAZE」同様にそれ以上に魅力的だったのは人物描写でした。この本を読み終えたら、恵弥ファンにならずにいられません（笑）

余談ですが、解説が大好きな三浦しをんさんだったのも嬉しかった。解説まで読みごえありで大満足。

2009/12/20

『MAZE』の神原恵弥というキャラクターが登場する二作目。
この神原恵弥というキャラが好きなので作品もお気に入りです。

「クレオパトラ」の正体について様々な推論と思惑が交錯しながら展開していくのが楽しかったです。

＊＊あらすじ＊＊

不倫相手を追っていった妹を連れ戻しにH市を訪れた恵弥。
しかし、もう一つの目的は「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むことだった。
妹の不倫をめぐる人間関係、そして「クレオパトラ」とそれを追う他の影。
それらが交錯し合って謎は深まる。

「クレオパトラ」に見た夢は最後に何を語るのか………

2009/12/13

神原恵弥シリーズの２作目。
前回の『MAZE』は恵弥の友達が主人公で視点の持ち主だったけども、今回は恵弥の視点で話が進むので、より面白い。
何となく、恵弥のイメージは昔から固まっていて、少女漫画に出てきそうな酷薄な背の高い切れ長の眼の男なのである。。そんな男がオネエ言葉だったら確かにインパクトでかい。しかしこの人とは是非ともお知り合いになりたい（笑）
恵弥の魅力がたっぷりのこの作品。恩田さんの微妙に場所が特定できる書き方も好きだ。
本筋とはあまり関係がないのだけれど、最後のほうで和見が恵弥に語る冷凍みかんの話。アレは絶対に恩田さんがどこかで短編として書いていた気がする。『いのちのパレード』か？『朝日のようにさわやかに』か？何はともあれ、その短編を見つけるという楽しみがこれでまた増えたわけでもある。

2009/11/13

「しょせん、クレオパトラの夢、ね」

MAZEにも登場した榊原恵弥を主役に
謎と疑惑と裏切りの連続です
次々と怪しい人は出てくるし
味方は敵になるしめまぐるしいです
謎ときとしては次々状況が変わるのでちょっと難しめでしょうか…
やっぱり、ラストはMAZEを踏襲してうまく混ぜ返されています

個々のキャラクターがみんな強いのですが
それに主役が埋もれないのがすごいです。
このシリーズがまた出たら嬉しいなぁと思います

2009/10/04

恵弥がまた出てきていい

でもこの人の本は途中はおもしろいんだけど、
結末が拍子抜け・・・

予想外の結末も大事だけど
その結末で作品の全体のイメージを壊していいのかといつも思う

この作品はまあまあだった
恵弥が推理をはずしにはずして切れ者じゃなかったの!?と突っ込みを入れたくはなったけど

2009/10/04

「MAZE」の続編とされているが神原恵弥が登場することだけが共通点となっており、内容自体は別物。

「MAZE」では核、今作ではウィルスについて描かれている。
とても難しい題材だとは思うが、そこは恩田さんの力量で読みやすくなっている。

事件が終わったとみせかけて、最後の最後に真相が明かされたのには驚きを隠せなかった。

2009/10/04

前作「MAZE」のおねえキャラ神原恵弥が再び登場。
「クレオパトラ」と呼ばれる謎の何かを探る。

前作よりも人間らしい恵弥だと思います。
悩んだり、怒ったり、はしゃいだり。
読み終えると恵弥という登場人物に愛着が湧きます。