きつねのはなし の商品レビュー
正体の分からない魔のものが出てくる短編集。少しだけ繋がってるように見えて、全然関係の無い世界線の話な気もする不思議な感覚だった。
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#43奈良県立図書情報館ビブリオバトル「妖怪」で紹介された本です。 2014.7.19 https://m.facebook.com/photo.php?fbid=903326536348455&id=248452188502563&set=a.268268019...
#43奈良県立図書情報館ビブリオバトル「妖怪」で紹介された本です。 2014.7.19 https://m.facebook.com/photo.php?fbid=903326536348455&id=248452188502563&set=a.268268019854313
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じっくり読みたい一冊。どの話にもちょっとずつリンクしているところがあって面白かったです。作品個々がそれぞれに異様な雰囲気を持っていて、その独特の世界観を楽しむのはとても良い物でした。
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表紙が気に入って、ハードカバー版を持っているのに文庫も買ってしまった『きつねのはなし』。 でも、ハードカバー版の表紙も結構気に入っている。 ということで、ここはあえて文庫版とハードカバー版を並べて本棚登録して。 1話目と2話目の感想は、文庫版に。 3話目と4話目の感想は、こちらに...
表紙が気に入って、ハードカバー版を持っているのに文庫も買ってしまった『きつねのはなし』。 でも、ハードカバー版の表紙も結構気に入っている。 ということで、ここはあえて文庫版とハードカバー版を並べて本棚登録して。 1話目と2話目の感想は、文庫版に。 3話目と4話目の感想は、こちらに書くのも一種の興かと(^^ゞ 2話目は青春譚だったが、3話目の「魔」は青春譚も青春譚。2話目よりもっとさわやかな青春譚だ。 とはいっても、そこは『きつねのはなし』。 さわやかな青春譚がずーっと続きつつも、ちゃんと、かすかな不気味さが並走している。 『きつねのはなし』は前に2回読んでいるんだけど、実は内容をまったく憶えていない。 なんだか狐に化かされているようで、まさにきつねのはなしなのだが(^^ゞ ただ、剣道場が出てくる話があったことだけは憶えていた。 『きつねのはなし』に入っている4話はいずれのお話にも、胴の長いケモノが出てくるのだけれど、この「魔」はそのけものが直接的に関係しているストーリーになっている。 主人公(前の2話とは違う人)は、西田商店の次男である高一の修二の家庭教師のバイトを始めるところから話が始まる。 修二は子どもの頃から、近所の剣道場に通っている。 そこには、修二の友人の秋月、修二の兄である直也、そして紅一点の夏尾も関係している。 そんな西田商店がある界隈に、通り魔みたいなものが現れるようになる。 夜、歩いている人に一撃を与えて消えてしまうから、その顔を見たものは誰もいない。 そんなある夜、家庭教師を終えた主人公に修二と直也が「先生、途中までおくる」と声をかけてきて……、 みたいなお話。 これは、修二と秋月、さらに直也や夏尾が真っ直ぐ青春している感じが読んでいてすごく気持ちがいい。 彼らと彼女が通う剣道場の西瓜大会というのに主人公も招かれるんだけど、その「夏ーっ!」って感じが堪らない。 そして、不意打ちのようにくるラスト。 その急さが、あの頃はずっと続くと思えた青春って、実はほんの一瞬に過ぎなかったことを思い出させてくれる。 4話目の「水神」は、3話目の「魔」の一瞬から一転、だらだらと続く人生というものを感じさせるお話(^^ゞ 季節は晩夏で、舞台は主人公の祖父の通夜。 鹿ヶ谷にあるという、代々続くその祖父の屋敷に集まった弔問客も、通夜の一連の儀式が終わると帰ってしまう。 残ったのは、長男と次男、主人公の父親である三男とその家族。 家族は寝てしまったというのに、祖父の子供3人と主人公の4人は祖父の思い出話や、一族にまつわることをうだうだ話している。 というのも、その日の朝早く、芳蓮堂という出入りの骨董屋から電話があって。 預かっている家にまつわる宝を持ってくるのだということなのだが……、 みたいなお話。 これは、主人公の親父さんとその兄である叔父さん2人が酒を飲みながら、うだうだ話している感じがなんかいい。 通夜とか葬式って、湿っぽいのとカラッとしているのがあるように思うけど、これは全然湿っぽくない通夜。 そのくせ、最後は湿度100%(?) というより、そんな生半可なものじゃない状態(・・;) ドリフのコントの最後みたいって言ったらいいか、いかりや長介や仲本工事、志村けん(あと、荒井注も)生きてたら、こんなドリフのコントも見てみたかったなぁー、みたいな感じの終わり方。←どんな終わり方だ!? 森見登美彦には、この手の話も含まれている『宵山万華鏡』というのがあったけど、あれはどこにあるのかなぁー。 読みたいんだけど探すのが面倒くさいから、『夜行』でも読もうかなぁー。
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森見登美彦の小説にしては、文章が難しくなくて読みやすかった。期待して読んだが、気持ち的に何か揺さぶられることも鳥肌が立つこともなくて、好みではなかった…
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淡々としすぎて、久々に最後まで読めなかった。スッキリと落としてくるタイプの本が好きなので、このような読者に解釈を任せてくるタイプの本はとことん合わない。森見登美彦さんの本なら四畳半神話体系シリーズ?の方が好み。
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幻想的な京都ホラー。収録作品は別々の物語だが、共通して登場する「きつねに似た人間のような顔の細長い生き物」の不気味さにぞくりとする。
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京都には魔物が棲んでいます。それはこの本の話ではなく、この前京都に旅した私の実感です。 「ついこの間の戦(いくさ)」と住民が言えば、それは74年前のことではなく、ましてや外国との戦さのことではなく、600年前の応仁の乱のことだと言うのだから、時間の概念が違うのです。だから、秀吉...
京都には魔物が棲んでいます。それはこの本の話ではなく、この前京都に旅した私の実感です。 「ついこの間の戦(いくさ)」と住民が言えば、それは74年前のことではなく、ましてや外国との戦さのことではなく、600年前の応仁の乱のことだと言うのだから、時間の概念が違うのです。だから、秀吉が築いた都をぐるりと周らす堤を築くために掘られた溝に捨てられた無縁地蔵を、未だに住民が懇ろに供養しているのが、平気でそこら彼処にあるのです。 さて、はなからいつもの森見登美彦と雰囲気が違うこの短編集、21世紀の現代に延々と続いている吉田神社の節分祭に、主人公の男が魔物と取り引きをして得たものは、それはもうホントは何だったのでしょうか?ナツメさんは本当は何者だったのでしょうか?(「きつねのはなし」) 千年の都に張り巡らされた神秘的な糸が、それはもう、不思議な音を立てています。私はウソと信じながら迷い込み、迷宮の壮大な門の前で引き返した気がします。(「果実の中の龍」) (「魔」)という名の短編であるのにも関わらず、これはジュブナイル・青春ストーリーとも言っていいような短編。でも、ある一点を除いて。それが、この本の一頁から最後に至るまで棲みついている魔物のひとつであるから。 吉備国の弥生時代には、龍の信仰が確かにあり、何かうねうねとした奇怪な模様が壺に書かれています。やがてその模様が、古墳時代の大王の代替わりの際に使われる壺の特殊器台の模様に変わって行くのに、更に数百年の年月を要したとのことです。すみません、物語とは全く違う話を最後に書いてしまいました。(「水神」) 決して怖くはないのです。ただただおそろしい。
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きつね面から始まる4つの怪奇譚。繊くつながる(でも決して絡まない)登場人物の姿を流しつつ、湿度高めのひんやりした話へ浸かっていました。想像力に委ねられるようなところも多く、それがまた面白い。再読したい一冊です。
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骨董屋『芳連堂』を軸とした連作短編集。 波津彬子氏の漫画「雨柳堂夢咄」を思い出した。 ただし、こちらは不思議な骨董に 惑わされてしまう人たちの業とか悲哀に満ちたお話。 森見登美彦氏の作品を読むのは『夜行』『宵山万華鏡』に続いて 3作目となるが、この作品が1番、禍々しさやあちらとこ...
骨董屋『芳連堂』を軸とした連作短編集。 波津彬子氏の漫画「雨柳堂夢咄」を思い出した。 ただし、こちらは不思議な骨董に 惑わされてしまう人たちの業とか悲哀に満ちたお話。 森見登美彦氏の作品を読むのは『夜行』『宵山万華鏡』に続いて 3作目となるが、この作品が1番、禍々しさやあちらとこちらの 境目の危うさが描かれている。 「果実の中の龍」の狂気に取り憑かれてしまった先輩の 痛々しいまでの悲しみに惹かれてしまう。 薄暗い中、小さな路地の向うを見つめることはやめよう。 何かに何かを持っていかれてしまわないように。
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