1,800円以上の注文で送料無料

ロリータ の商品レビュー

4

195件のお客様レビュー

  1. 5つ

    69

  2. 4つ

    52

  3. 3つ

    36

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2025/08/14

ロシア出身のアメリカ人、ウラジミール•ナボコフ(1899-1977)による1955年の小説。 ナボコフは、帝政ロシアのサンクト•ペテルスブルクに貴族の家に生まれる。 小説家にして昆虫学者(まるで北杜夫ではないか)。 ロシア革命後、亡命。 イギリス、フランス、ドイツを経てアメリカに...

ロシア出身のアメリカ人、ウラジミール•ナボコフ(1899-1977)による1955年の小説。 ナボコフは、帝政ロシアのサンクト•ペテルスブルクに貴族の家に生まれる。 小説家にして昆虫学者(まるで北杜夫ではないか)。 ロシア革命後、亡命。 イギリス、フランス、ドイツを経てアメリカに移住。『ロリータ』がヒットするとスイスはレマン湖の辺りに移住。 本書は語り手の第一人称の手記だ。 手記を書くのは、ハンバート•ハンバート。 不思議な名前だ。 同義反復の名前はいわくありげだ。 ハンバートが初めて愛した女性は、同い年の「アナベル•リー」だった。 当時二人は13歳。 ところが、彼女はすぐに病のために死んでしまう。 彼が、少女しか愛せなくなったのは、そのためだ。 「アナベル•リー」はエドガー•アラン•ポーの最後の詩に描かれる少女だ。 王国に住まうアナベル•リーと私は恋に落ちるが、彼女はすぐに死んでしまう。 アナベル•リーは、ポーが13歳の少女を妻とし、美しい盛りで死んでいったヴァージニアをモデルとしている。 ハンバート•ハンバートのエピソードは、それを踏まえている。 この時点で、これはポーへのオマージュだ、と確信して、喜んだ。 そうか、「ハンバート•ハンバート」と言う不思議なリピート名は、ポーの『ウィリアム•ウィルソン』から来ているのだな、と思い至る。 『ウィリアム•ウィルソン』は、私=他者というドッペルゲンガー物語だ。 従って、「ハンバート•ハンバート」は、私=他人というストーリーであることを示している。 こうして、この作品は、単に少女性愛者と言う変態男のウィアードなストーリーではなく、少女妻を愛したポーに対するオマージュ作品であることが分かる。 命名にこだわれば、ロリータを連れ出す男は、クレア•クィルティ(Clare Quilty)と呼ばれている。 私(ハンバート•ハンバート)を拒んで、14歳で失踪したロリータを、私が見つけたのは、3年後。 彼女は17歳、既に結婚して、妊娠していた。 もう、「ロリータ」ではなかった。 ハンバート•ハンバートはクレア•クィルティを殺害するが、それは「ロリータ」(少女性)を喪失させた張本人はクレアだと考えたからだ。 ポーがその少女性を愛したヴァージニアが死んだのは24歳。ヴァージニアは、もうとっくに「ロリータ」(少女性)は喪失していた。 そのヴァージニアのフルネームは、ヴァージニア•クレム(Virginia Clemm )。 「ロリータ」を「ロリータ」ではなくした張本人はクレア•クィルティ(Clare Quilty)。 クレムとクレアという響きは偶然とは思われない。 更に、クィルティ(Quilty)は、間違いなくギルティ(Guilty)を意識した命名だ。 本作をポーへのオマージュだと述べたが、それは半分正しく半分誤っている。 正しくは、ポー作品のパロディと言った方が良い。 つまり、ポーを礼賛はしていない。 それが、本作を星二つにとどめた理由だ。

Posted byブクログ

2025/07/21

今年新潮文庫の100冊に選定された「ロリータ」 ロシアに生まれアメリカへ渡ったナボコフの 少女に恋する中年男の禁断の物語 限定プレミアムカバー付きで新訳登場と 力が入っている、けれど 図書館でお借りしたので旧訳のままで 何故今年「ロリータ」なのか? 考えてみたけどわからないま...

今年新潮文庫の100冊に選定された「ロリータ」 ロシアに生まれアメリカへ渡ったナボコフの 少女に恋する中年男の禁断の物語 限定プレミアムカバー付きで新訳登場と 力が入っている、けれど 図書館でお借りしたので旧訳のままで 何故今年「ロリータ」なのか? 考えてみたけどわからないまま 多様性社会移行の一環なのかどうか タイムズ誌が選んだ小説100選等々評価は 華々しい 物語は、殺人犯として勾留中の主人公であり 語部のハンバートの告白の体裁をとっていて 彼の愛したロリータの出会いから結末までを 彼の保身的な文章で読むことになるのです 勾留されている理由はラスト近くまでわからず 文脈も飛ぶ感じがあり倒叙ミステリの側面もあるかと思います 文庫裏の紹介分には“ときに爆笑”とありますが 苦手な翻訳物でそこまで理解はできてません どこで?という気持ちです 時折ある 谷崎潤一郎的ロリータに対する倒錯した美的表現に苦笑はしました 小説の冒頭が有名な作品は多いですが 「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。」 文庫では2行ですが、衝撃的気持悪さですね p392で一箇所だけ ロリータを “我が紫の上” と表現します 原文はどうなんだろうか?とネット等で調べましたが『my purple darling』でおそらく源氏物語の紫の上だと思います ウェイリーの源氏物語が1933年に完成されていて 本作が1950年、おそらく当然読んでいるのでしょうが、ですよ? 光源氏は紫の上を貴人として養育もしたんですね モーテルを転々と連れて歩いた男に言われたくないわー日本の平安軽んじて欲しくないわー と思った次第でございました ラストは案外あっけなく、あっけないのだけど 読みにくいけど、読了とします

Posted byブクログ

2025/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書会のため。 今までにも一度ならず読んでいるのだが、いつも入ることが出来なかった。倫理観や道徳観で小説を読んではいけないなとは思うが、でもそれは犯罪だよね?と思ったり、妄想がすごいなと思ったり。その妄想の世界についていけないから、入れなかったのだろうな。読みづらかった。 一部と二部とでは、トーンがまるで違う。一部では、振り切れ具合がコメディかというほど。二部では旅のドライブ感もあるが、それと共に思い込みが深くなって破滅へ向かっていくような。まあハンバートにとっては「破滅」ではないのかもしれないが。

Posted byブクログ

2025/03/25

面白かった。 文章は「ザ、文学」って感じで詩的で美しいと感じた。内容に関しては、年の差を考慮しなければ、悲しい恋愛小説として読めるかもしれないが、正直気持ち悪さがあった。ハンバートの、ドロレスのことを考えているようで自分のことしか考えてない所がとても嫌だった。 私は読んでいて、...

面白かった。 文章は「ザ、文学」って感じで詩的で美しいと感じた。内容に関しては、年の差を考慮しなければ、悲しい恋愛小説として読めるかもしれないが、正直気持ち悪さがあった。ハンバートの、ドロレスのことを考えているようで自分のことしか考えてない所がとても嫌だった。 私は読んでいて、ドロレスが何を考えてハンバートと一緒にいたのか、と考えていた。 最初はいまいち掴みどころのなかった少女だったけど、小説の後半で、彼女が1人で泣いていた。ことがわかる描写があり、色々考えてしまった。 肉親がおらず、1人でロリコンと過ごすのはどんなに辛かったんだろう…って、ドロレス側に結構感情移入をした。 この本は再読するとより味わいがあると思うからいつか再読したい。

Posted byブクログ

2025/02/24

面白かった。主人公にマジで倫理観とかなくて、やっぱり元祖ロリコンは格が違うなぁと変な感心をした。義理の父親になってまで娘をモノにするとかバケモンすぎるだろ。 ただ、彼は彼なりにロリータを愛してたんだよなと思うと妙な感慨が湧いてくる。愛することと犯すことは彼の中で矛盾しないのかなと...

面白かった。主人公にマジで倫理観とかなくて、やっぱり元祖ロリコンは格が違うなぁと変な感心をした。義理の父親になってまで娘をモノにするとかバケモンすぎるだろ。 ただ、彼は彼なりにロリータを愛してたんだよなと思うと妙な感慨が湧いてくる。愛することと犯すことは彼の中で矛盾しないのかなと思った。 あと作者の博覧強記ぶりがすごい。怒涛の注釈を追うのが大変だった。

Posted byブクログ

2025/01/13

とにかく読みにくかった。けど読み終わったらなんか名作と言われる意味は分かった。私にはまだ難しかったけど、もう少し大人になったら面白いと感じれるようになるのかなぁ、、 洋書は、カタカナやっぱり難しいなぁ。 出てくる文学作品とかも調べながらゆっくり読めたらいいかもなぁ。 読み切るのに...

とにかく読みにくかった。けど読み終わったらなんか名作と言われる意味は分かった。私にはまだ難しかったけど、もう少し大人になったら面白いと感じれるようになるのかなぁ、、 洋書は、カタカナやっぱり難しいなぁ。 出てくる文学作品とかも調べながらゆっくり読めたらいいかもなぁ。 読み切るのに1週間くらいかかった。

Posted byブクログ

2024/12/13

隠喩と言葉遊びの連続で浅学の自分にはそのうん分の一も理解できてないが、中年男と少女のロードムービーを見てるようでもあるし途中のミステリーぽい雰囲気も楽しめる。とにかく一読じゃわからない、要再読。

Posted byブクログ

2024/11/27

自分の責任なのだけど、難しくて良さがほんの少ししか理解できていないと思う。残念。 発禁になるほどのものかなあとは思いました。

Posted byブクログ

2024/11/02

ロリータ・ファッションの語源。少女愛、小児性愛の物語とは違う、ハンバート・ハンバートの苦悩が描かれている点がポイントなんだとか言われますが。はたして? チャールズ・ドジソンによるアリスと読み比べるもよし。 ロマコメ映画『マイ・ブックショップ』では保守的な街で本屋を営む中年女性...

ロリータ・ファッションの語源。少女愛、小児性愛の物語とは違う、ハンバート・ハンバートの苦悩が描かれている点がポイントなんだとか言われますが。はたして? チャールズ・ドジソンによるアリスと読み比べるもよし。 ロマコメ映画『マイ・ブックショップ』では保守的な街で本屋を営む中年女性が老年男性に贈る本として登場。

Posted byブクログ

2024/10/28

引用や登場人物の名称が多く文章の理解に手間取った。長い… 本人とロリータの関係がいまいち掴めなかった。(ロリータも誘惑してるしな…) 不愉快や憎悪といった感情は特に抱くことはなく、二人の旅行の場面や学校生活等は拍子抜けした。 再読時にこの本の価値が分かるようになるといいな…

Posted byブクログ