夜想 の商品レビュー
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交通事故で妻と子供を一度に亡くした雪藤は物から人の心が読める女性と出会う。自分の本当に悲しい気持ちを理解してもらえたと感じた。他の人々にも彼女の力を使うことで人々に幸せを授けようと会を作りそれに没頭した。
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個人的には、あまり好きなテーマではなかったけど 貫井徳朗が、主人公の気持ちや思考回路を丁寧に 丁寧に描いていたので、納得がいかないながらも 少しは主人公の気持ちが分かったような気がする。 結局、人は人以上のものにはなれないんだろう。 そして、人間にとって最もつらいものは「孤独」であり、 最もうれしいものは「理解」なのかな?と思った。 そして、貫井徳朗のこの本の主題は とても同感できるものであり、 そのように結ばれていて、よかったと思った。
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すごく面白かった!!宗教について考えさせられたりしました。結局自分の未来は自分が決めるしかないし、人に救われたいとか、他力本願な心構えじゃいかんよなぁと思ったり。
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なぜ人は信じるのか。前に読んだ弥勒の掌も同じテーマで書かれていた。もちろん作者によって料理の仕方は変わってくる。弥勒の掌ではあくまでも悪として描かれていたのに対し、この作品では正反対な描かれ方をしている。ただ2つのストーリーが平行して進んでいくという作品の流れが同じなのは面白かった。こちらは本当に超能力を有する者を配しているが、それが信仰の純粋さを強調する。各信者が抱えるジレンマが自然に読者に押し寄せてくる。信じてしまうかもと思わせる説得力があった。もちろん超能力はあるかどうかわからない。その綱渡りのようなあいまいさ、不確実性がラストの種明かしで結集する。ちなみにこの彷徨う残された者というテーマはこの作者の多くの作品で扱われている。そこに宗教というファクターを掛けるとどうなるか、慟哭とは正反対の希望を残したエンディングが心地よい。
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「宗教の作り方」と「絶望と再生の物語」って所でしょうか。どうも最近、宗教がテーマの本を読むことが多い気がする。自分にとって不可思議だから興味が沸くんだと想う。 本当の救いというものには、何かに依存しては決して到達できなくて、結局のところ自分自身で答を見つけるしかないよね、っ...
「宗教の作り方」と「絶望と再生の物語」って所でしょうか。どうも最近、宗教がテーマの本を読むことが多い気がする。自分にとって不可思議だから興味が沸くんだと想う。 本当の救いというものには、何かに依存しては決して到達できなくて、結局のところ自分自身で答を見つけるしかないよね、っていうのがテーマ。 ただ、自分が深い絶望の淵にいて、立ち上がる気力さえもない時、信仰によって与えられる安らぎや、信仰に裏付けられた共感はとても大きな力になるのかもしれない。 妻子を事故によって失った主人公のように、自分が再起不能な程に傷ついてしまった時、自分の前に差し出される「共感」はどれほど輝いて見えるだろう。
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救うことにより救われたいおねぃちゃんと 救われたい気持ちでいっぱいのおさ~ん によって 宗教にハマるひとの気持ちの流れが疑似体験できるお話。 もしかこの本のテーマって 深いのかも。 私自身はけっこう強い人間で救いを必要としてないから こういう心理ってちょっとウザいデスけど。(笑...
救うことにより救われたいおねぃちゃんと 救われたい気持ちでいっぱいのおさ~ん によって 宗教にハマるひとの気持ちの流れが疑似体験できるお話。 もしかこの本のテーマって 深いのかも。 私自身はけっこう強い人間で救いを必要としてないから こういう心理ってちょっとウザいデスけど。(笑。 それにしても ラストの方で明らかになる北條さんの正体と あゆみちゃんが変わってしまった事情に 「ヤラレた!!」って思いまシタよ。 これがあるから暗いお話が多くっても貫井ファンが、やめられない…。
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読み方、失敗した。 帯の解説をへんに解釈して、「慟哭」の逆バージョン? 普通の人たちが一歩誤って、正しいと信じて間違って、 いびつな新興宗教を形成してゆく物語? と、あまりに思い込んで読んだがために、 まっすぐに世界に入れなかったのが残念。 ざわざわと、心が揺らぐようなちら...
読み方、失敗した。 帯の解説をへんに解釈して、「慟哭」の逆バージョン? 普通の人たちが一歩誤って、正しいと信じて間違って、 いびつな新興宗教を形成してゆく物語? と、あまりに思い込んで読んだがために、 まっすぐに世界に入れなかったのが残念。 ざわざわと、心が揺らぐようなちらつき。 健気すぎる主人公が追い詰められる不安と一途過ぎる思い、亡き妻との会話。 サイドで語られる中年女性の、娘への偏愛と妄執のような束縛。 作者がそこここにちりばめる揺らぎに途中、何度も胸が苦しくなった。 遥が襲われ失踪したとき、遥を連れ帰った雪藤のくだりではもう、叫びそうになった。 このまま終わっていたらもう、これはサイコ以来のサイコ小説として、 私のトラウマ小説になっていたに違いない。 小説としてはその方がもしかしたらGは上だっただろうけど、 このエンディングでよかったと思う。 小説でGもいいけど、救われていい夢を見るのも、とてもいいもの。
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読み応えあるねー 一気に読んだ 人の悲しみを題材にしてる。 んーなかなか。 「・・・救われたいと願っているうちは、決して苦しみから逃げることはできないからです。 自分を救うのは自分自身しかいません。自分のために、少し楽しみを見つけてください」
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中盤に差し掛かったら気になってしまって一気に読みました。面白かったけど疲れました。最後は目が覚めたと言う感じだったからホッとしましたけどね。 特殊能力と言うのは、自分自身持っていないし、周囲で持っていても信じられるかどうか分からない。そんな感覚ですから、本の中だけのこととして...
中盤に差し掛かったら気になってしまって一気に読みました。面白かったけど疲れました。最後は目が覚めたと言う感じだったからホッとしましたけどね。 特殊能力と言うのは、自分自身持っていないし、周囲で持っていても信じられるかどうか分からない。そんな感覚ですから、本の中だけのこととして読んでいた感じ。 人は何かに依存して生きているのが普通なのか。それに答えを見付けられないまま読み続けていました。私が家族を失ったら、と考えずにはいられなくて、ずーっと考えてみたけれど、それは信じるものだけに限らず、弱っている時にはいろいろなものが入りやすい状況なんだろうなと思います。回りから見たら騙されていると感じても、本人が幸せであれば構わないんじゃないか。それが私の考えです。信じている人に冷静な批判をしたって通じるはずがないしね。 そう言ったものを見つけて、同士と共に幸せな時間を過ごせるのであれば、何もないまま現実を歩いていくよりも幸せな場合だってあるのかもしれない。そう思いました。
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