ひとり日和 の商品レビュー
七十歳の吟子さんのところへ二十の知寿ちゃんが居候でやってくる。知寿ちゃんは七十の老人のことをはじめは、もう死にそうと思う。そういうところだったり、吟子さんの恋について聞いたり、それぞれの会話が妙にリアルだ。失恋もするが、ゆるいテンポで感情が溶け出していくのを感じる。駅と電車が感情...
七十歳の吟子さんのところへ二十の知寿ちゃんが居候でやってくる。知寿ちゃんは七十の老人のことをはじめは、もう死にそうと思う。そういうところだったり、吟子さんの恋について聞いたり、それぞれの会話が妙にリアルだ。失恋もするが、ゆるいテンポで感情が溶け出していくのを感じる。駅と電車が感情に対して効果的に使われていて、いいなあと思う。
Posted by
芥川賞受賞作品。 ある春の日から、70過ぎのおばあちゃん(吟子)と一緒に暮らす事になった20歳の女性(知寿)の一年間を描く。 両方とも普段は口数が少ないので、どことなく会話がぎこちなく、さらにお互い気持ちをさらけ出さずに暮らすのが、何ともむず痒い。ドライなようで、でも寂しがり...
芥川賞受賞作品。 ある春の日から、70過ぎのおばあちゃん(吟子)と一緒に暮らす事になった20歳の女性(知寿)の一年間を描く。 両方とも普段は口数が少ないので、どことなく会話がぎこちなく、さらにお互い気持ちをさらけ出さずに暮らすのが、何ともむず痒い。ドライなようで、でも寂しがり屋な知寿。多少将来に不安を感じつつ、おばあさんと暮らした一年間は、きっと知寿にとって貴重な体験だったに違いない。 心洗われる詩のような小説です。
Posted by