現代建築に関する16章 の商品レビュー
現代建築に関する16章 〈空間、時間、そして世界〉 (和書)2013年07月12日 16:18 講談社 五十嵐 太郎 現代建築ってどう見たら良いのか途方に暮れるものだと思っていた。 この人はそういうものがある考え方にそってあるのだということを示してくれる。そういった考え方や...
現代建築に関する16章 〈空間、時間、そして世界〉 (和書)2013年07月12日 16:18 講談社 五十嵐 太郎 現代建築ってどう見たら良いのか途方に暮れるものだと思っていた。 この人はそういうものがある考え方にそってあるのだということを示してくれる。そういった考え方や理念が良いかどうかの判断は先ず必要がなく、どういった考えとはいかなるものかを示していてそういった部分は明解で読みやすい。 そこから現代建築を考え判断すればいい。嫌いなら嫌いでもいいということらしい。
Posted by
16章のそれぞれが特徴的で幅広く、色々な建築に関するテーマを取り上げていて、微細な点、全般的な点、公共施設、住宅、ゴシックなものやデコライティブなもの、ビルディング、神社、寺院、廃墟、コンビニなど様々なものを取り上げて網羅していて入門として読みやすい。 特に、通常建築の本であった...
16章のそれぞれが特徴的で幅広く、色々な建築に関するテーマを取り上げていて、微細な点、全般的な点、公共施設、住宅、ゴシックなものやデコライティブなもの、ビルディング、神社、寺院、廃墟、コンビニなど様々なものを取り上げて網羅していて入門として読みやすい。 特に、通常建築の本であったらそんなに取り上げるだろうか?というテーマもあって面白かった。桂離宮からパワードスーツ、モビルスーツにも触れられる。人が住み活動する箱である家という概念をとっぱらって、スーツ型の住宅、という新しい概念は発想として面白い。その話題でハインラインの「宇宙の戦士」を挙げてくれるところが、またいい。 一方で、実物を観たことがないことで、理解しきれない部分があるだろうことが残念。それでも今後現代建築を観る機会があったときに、その観方が大きく変わるかもしれない。今後どこかに行ったとき、建物自体にもこれまでより興味を持てそう。
Posted by
180512 中央図書館 若手の建築家(東北大)の人。この分野で語られる「用語」の手軽な入門書という趣。日本の建築家を主に紹介している。
Posted by
第1章の「形態と機能」から最終章の「透明性と映像性」まで、現代建築を読み解くための16のテーマが選ばれ、著者自身の建築の見方が語られています。 第7章の「身体」では「建築少女研究会」のイラストが取り上げられたり、第8章の「日本的なるもの」では藤森照信の「ヤバンギャルド」を現代の...
第1章の「形態と機能」から最終章の「透明性と映像性」まで、現代建築を読み解くための16のテーマが選ばれ、著者自身の建築の見方が語られています。 第7章の「身体」では「建築少女研究会」のイラストが取り上げられたり、第8章の「日本的なるもの」では藤森照信の「ヤバンギャルド」を現代の建築シーンの中に位置づけていたりしており、おもしろく読みました。もちろん体系的な建築史とはまったく違う構成で、著者自身の見解が自由に語られているのですが、それでも16の視点を通して現代建築の主要なテーマが描き出されており、きれいにまとめられているように思います。
Posted by
建築に興味があり平素はただ漫然と写真を眺めていたのだけれど、そろそろ体系的に学んでみたいと思いとっかかりにしたく購入。古代から現代まで、数多くの建築や建築家、果ては文化、哲学まで幅広く書かれた良書。引用された例については少ない行数で触れるにとどまるものも多いので、興味のあるものは...
建築に興味があり平素はただ漫然と写真を眺めていたのだけれど、そろそろ体系的に学んでみたいと思いとっかかりにしたく購入。古代から現代まで、数多くの建築や建築家、果ては文化、哲学まで幅広く書かれた良書。引用された例については少ない行数で触れるにとどまるものも多いので、興味のあるものはひとつずつ調べて行くことにしよう。普段はしないのだけれども、この本にはアンダーラインや書き込みをバシバシして自分のノートとする事にした。新書は手軽だからそんな使い方をしてもいいかな、と。知識の扉としてとてもいい本だと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ひとつひとつ短く、わかりやすくまとめられているが、理解しようとしたら、たくさんの本を読まなければならず、これだけで理解したとはいえないのかも。導入的に読むといい?
Posted by
筆者なりの視点と言葉で現代建築に関して近代やそれ以前の話を絡めながらとても分かりやすくまとめられた本。本の中で様々な論考や書籍が引用されるんだけど、とても明快な要約でさらっと触れてくれている。そのおかげで議論の中での引用の立ち位置がよくわかるようになっている。一方で、本の詳細な内...
筆者なりの視点と言葉で現代建築に関して近代やそれ以前の話を絡めながらとても分かりやすくまとめられた本。本の中で様々な論考や書籍が引用されるんだけど、とても明快な要約でさらっと触れてくれている。そのおかげで議論の中での引用の立ち位置がよくわかるようになっている。一方で、本の詳細な内容や受け止め方は自分で読まないとわかりようがないので、本書で立ち位置を理解した上で個々の本を読んでいくととても過去から現代への建築の流れが分かるのだろうと感じた。 筆者が批評家だからなのかは分からないけども、とても客観的に書かれている(とは言っても所々に、はたまた全体の編集に批評家の主観は現れている)ので、あまり知識のない人にとってとても勉強になる本でした。
Posted by
浅く広く現代建築について書かれている。自分の気になったところは、今後本文で紹介されている本を読みたい。
Posted by
かなり話が行ったり来たりする散文のような感じだけど、短くわかりやすく現代建築までの流れを理解できる面白い本。通学のときとかにさらっと読めて楽しい。ただ、話に出てくる建築の写真とかが載ってないときもあるので基礎知識がないとちょっとわかりづらいかな。
Posted by
16の点に着目した建築論。 はじめに、”現代”とあるが現代の背後には過去が脈絡と繋がっているわけで、近世あたりのバロックや古典主義にも各箇所で触れられている。 とはいえ、主題は”現代建築”である。 「形態は機能に従う」や「住居は住むための機械である」などのアフォリズムから始ま...
16の点に着目した建築論。 はじめに、”現代”とあるが現代の背後には過去が脈絡と繋がっているわけで、近世あたりのバロックや古典主義にも各箇所で触れられている。 とはいえ、主題は”現代建築”である。 「形態は機能に従う」や「住居は住むための機械である」などのアフォリズムから始まり、技術の発展に伴い多様化している現代建築をスロープ、二元論、メディアなど様々な視点から切り取っている。 メルマガの連載用に語りおろしたものをまとめているため各章は短く手軽に読む事が出来る。 図版の少なさのためイメージが掴みづらいのが難点。それでも言葉を大事にした、と言う筆者の言を信じるなら読み易さに力点を置いているのだろう。 現代建築を知りたい、という方にはオススメ。 メモ ・あひるの形をした「あひる」という名の店。名は体を表す、「形態は機能に従う」例。その他、コーヒーカップの形をしたコーヒーショップなど。 ・寝室だからベッドを置いたのではなく、ベッドを置いた場所が寝室になる。 ・平面的かつ明瞭なルネッサンスに対して、奥行き・深み・不明瞭・動きのあるものをバロックと呼ぶ。あるいは閉ざされたルネッサンスに対して、開放的なバロック。 ・ルネッサンス:かたちの存在そのものに完結性というシンボリックな意味を持たせる。 バロック:そこへ実際人が行った時にどう見えるかという空間の効果。 ・20世紀前半、ヨーロッパでは主義(~イズム)の方が先行した。逆にアメリカは建築物ありきでがんがん建てた。 ・近代以前の都市ではモニュメントが配される事で歴史を空間に刻み込む。現代都市は記憶を喪失している。 ・永遠に残るモニュメントを信じていない。そこに仏教の輪廻を見出す。 ・わざと異物を挿入する事で場所性を見出す。同化ではなく、異化によって地域性を見出す。
Posted by
