片眼の猿 の商品レビュー
思った以上に面白くすぐに読んでしまった。 でも帯が期待感を与えすぎるので、かなりハードルをあげてると思う 帯も何でも書けばいいというもんじゃないなと・・
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これまで読んだ中で最も血が通っている作品に感じた。だからといって他の部分が今ひとつ、という訳ではない。
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先日テレビで、著者の道尾秀介さんを見た。 その中で道尾さんは、何であれ読者の印象に残るものがある小説しか書かない、というようなことを言っていた。確かに、私の読んだ数冊の道尾作品にはどれも、強烈に記憶に焼き付くものがあった。真相を鮮やかにひっくり返して見せて驚かせたり、神経を逆撫で...
先日テレビで、著者の道尾秀介さんを見た。 その中で道尾さんは、何であれ読者の印象に残るものがある小説しか書かない、というようなことを言っていた。確かに、私の読んだ数冊の道尾作品にはどれも、強烈に記憶に焼き付くものがあった。真相を鮮やかにひっくり返して見せて驚かせたり、神経を逆撫でして気持ちをイラつかせたり、とにかく読者の感情に遠慮なく踏み込んでくるところが必ずあった。読者の感情に障るというのは、悪評価にも繫がりかねないだろうにお構いなく、容赦がない。実際、ホラー色を帯びた作品や、人間の負の深層心理を浮き彫りにした作品には、嫌悪感を隠せない読者が多いようだ。ところが、逆のファンも多い。いずれにせよ、そういった点をみれば、インタビューに答えた、道尾さんの目的のひとつは、間違いなく成功している。 では、作品の出来という点はどうだろう? 丁寧に何本もの伏線を張り巡らせたトリックの数々。細かなプロットを丹念に根気よく何層にも重ね、ストーリーの謎をより深めた、道尾さん渾身のミステリは、評価できないなんてことがあるだろうか。 それでは、評価を星の数で示すとしたらどうしたらよいのだろう? 考えると、いつも複雑な気持ちになる。 小説の作りは、丁寧で巧妙。単純に「うまい!」と舌を巻く。しかし、感情的・生理的には受けつけられないところが、多分にある。気持ち悪かったり、怖いと思ったりする。さらには、小説のテーマもある。人物造形の良し悪しもある。どちらも感情移入できたかどうかを考えたりする。でも、この点だって、自分はダメでも他の人はできたかもしれない。主観と客観の両面から見ると、考えがフラつく。 結局、個人的な結論は、「道尾作品は評価が難しい」ということだ。道尾作品については、しばらく、いろいろと考えながら読んでいこう。 最後に、本書について。明るく、楽しく、暗く、辛い、希望と愛あるミステリ。大きな謎は2つある。殺人事件の謎と登場人物たちの謎。テーマもしっかりとあるが、ここでは書けない。謎解きと同時にわかる仕掛けになっているから。 減点したのは、犯人の殺人理由に疑問があったから。弱みを握られたから殺したという動機。それはおかしいだろ。殺された人間が生前、誰にも話さなかった保証なんてないだろうに。犯人の立場になって考えれば、そう考えるのが当然のはず。あいつは誰にも話していないだろうな、と不安で不安でたまらないはず。
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とても痛快なストーリーで面白かったです! タイトルの感じから「背の眼」「骸の爪」のシリーズなのかと勝手に勘違いし、読むのを後回しにしてきた作品なのですが、もっと早くに読んどけば良かったです。 「音」に関してエキスパートな探偵・三梨。依頼された産業スパイの仕事中になんと殺人事件に...
とても痛快なストーリーで面白かったです! タイトルの感じから「背の眼」「骸の爪」のシリーズなのかと勝手に勘違いし、読むのを後回しにしてきた作品なのですが、もっと早くに読んどけば良かったです。 「音」に関してエキスパートな探偵・三梨。依頼された産業スパイの仕事中になんと殺人事件に遭遇…!といった話。 三梨の過去のあだ名から、多分こういうオチなんじゃないかな…と思って読み進めたのですが、まさかアパートの住人全員に秘密があったとは!それ以外にもいろいろと仕掛けがされており、何度も驚かされました。 それにしても「ローズ・フラット」の住人は本当にみんないい人ばかり! この作品も他の作品と同様、ある事実が最後まで読者に隠されていて、それが最後に一気に明かされるといった手法を使ってます。まあそれが好きじゃないって人もいるだろうけど、私は道尾さんの作品に騙されるのは嫌いじゃないです。むしろスカッとして気分がいいです。 そして読者に事実が明かされるとともに、タイトルに込められた意味が分かり、それと同時に強いメッセージ性が浮かび上がってくるところが好きです。 とても読みやすく2日で読了(…翌日が試験なのにもかかわらず!)。 道尾作品の中で一番速く読み終えたかもしれません。ただ残念なことに、この本を読んでしまったことで道尾作品を最新作以外すべて読み終えてしまいました(^_^;)
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道尾さんの作品を読むときはどうしてもかまえて読んでしまう(笑) 最後になにかどんでん返しがあるのかなっと期待してたんですけどあっさりと終わってしまいました。 でもなんかラノベっぽくてキャラもよくてほのぼのした明るさもあって楽しく読めました^^
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2009/06/03〜2009/06/04 思い込みにしてやられました。 騙されないぞー騙されないぞーといちいち疑って読んでたのに。 活字ならではのトリックですね。 ***** 人間の心は、ほんとうは永遠に傷ついたりなんてできやしないんだ。 はじめの傷が塞がろうとしたところ...
2009/06/03〜2009/06/04 思い込みにしてやられました。 騙されないぞー騙されないぞーといちいち疑って読んでたのに。 活字ならではのトリックですね。 ***** 人間の心は、ほんとうは永遠に傷ついたりなんてできやしないんだ。 はじめの傷が塞がろうとしたところに、また言葉を詰め込んで、 尖った爪で引っかいて、新しい傷を重ねているだけなんだよ。
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私立探偵の三梨は「音」にかけてはちょっとしたエキスパート。今回のクライアントの依頼は、ライバル会社の盗作疑惑の証拠を掴むこと。簡単な盗聴で破格の報酬という楽勝な仕事のはずだったのだが…。あーーー!何を書いてもネタバレになりそうでペンが進まないーーー!登場人物のほぼ全員がなんらかの...
私立探偵の三梨は「音」にかけてはちょっとしたエキスパート。今回のクライアントの依頼は、ライバル会社の盗作疑惑の証拠を掴むこと。簡単な盗聴で破格の報酬という楽勝な仕事のはずだったのだが…。あーーー!何を書いてもネタバレになりそうでペンが進まないーーー!登場人物のほぼ全員がなんらかの秘密(事情)を持っていて、そのことをわかったつもりで読んでたのに、それこそが作者の誤導だったなんて…。完全に裏をかかれた!唯一自分の推理が当たってたのは事務所の帆坂くんの○○のことだけ。最大のミスディレクションはもちろん主人公三梨の耳のこと。ヘッドフォンで隠したりミッキーマウスのことがちらっとでてきたりと、やたら想像を掻き立てる表現で読者の思い込みを膨らませ続け…(悔しい)。アパートの住人達のキャラクターも老若男女バラエティーに富んでてとっても魅力的な上に、(作者が意図的に)隠した仕掛けがある。その一人、トランプマジックが得意なトウヘイが配るカード(絵札)にもちゃんとヒントが隠されてるし、なんだか手玉に取られたような感じ。一方で、巻き込まれた音楽楽器社員の殺人事件、スカウトした女性探偵・冬絵の素性、三梨がかつて同棲していた秋絵の死の真相などが絡み合って、ストーリー自体も何層にも重なりあう面白さで盛り上がる。悪徳探偵事務所四菱のところからの脱走劇にも意外な人物(ええっ?!)の助けが介入したりとひとつの山場を迎える。自殺した秋絵については、さらに意外な事実が判明し、自尊心の持ち方を「片眼の猿」の話に例えながら一応真相の解明はなされているものの、やはりやりきれない切なさが残った。それでもキャラクターたちの底抜けに前向きな姿勢が明るくて、作品全体を通して読後感は爽やかだ。
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「向日葵の咲かない夏」では、非科学的なことの起こってる世界の話だった。 今回はどうなんだろうか、と思って読み始めたが、今回は現実的な解釈の余地がある。 このあたりに、何かひっかけがあるんだろうな、とか思いながら読む。 道尾秀介は、本格ミステリの最新鋭として大注目されているようだ...
「向日葵の咲かない夏」では、非科学的なことの起こってる世界の話だった。 今回はどうなんだろうか、と思って読み始めたが、今回は現実的な解釈の余地がある。 このあたりに、何かひっかけがあるんだろうな、とか思いながら読む。 道尾秀介は、本格ミステリの最新鋭として大注目されているようだ。 そんな前評判のわりに、そんなに心に残るものでもない。 おもしろくないわけではないし、どんどん読めて楽しいこともある。 けど、「だから何?」みたいな、読後感がものすごくあっさりしていて、特になんてこともないって印象。 ちょっと暇つぶしに読もうかな、くらいの感じしか残らなくて、残念。 本格ミステリと言えるのかな、っていうのもちょっと疑問。 謎自体はとってもあっさりしていて、「向日葵・・・」のときと同じみたいに、“犯人が自供してトリックが分かる”という流れがちょっと物足りない。 道尾秀介、私にとってちょっと期待はずれ。
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おぉぉぉー! この手法が使えるのが活字の面白い ところですよね!! 映像化が不可能! オリジナルは携帯小説だったらしく、テンポ、スピード感も かなり良くてサクサク読めちゃう。 多少強引で、ご都合主義な展開はありますが、気に ならない面白さ。 キャラクター設定とストーリーの骨格が...
おぉぉぉー! この手法が使えるのが活字の面白い ところですよね!! 映像化が不可能! オリジナルは携帯小説だったらしく、テンポ、スピード感も かなり良くてサクサク読めちゃう。 多少強引で、ご都合主義な展開はありますが、気に ならない面白さ。 キャラクター設定とストーリーの骨格が抜群に 活きてるからかね。 活字スゲー!! 続編を書いてくれないかなーと期待しちゃいます。
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“「だまされた!と叫ぶ快感」 完全正解率0パーセント!” いやいやいや、腰巻き、煽り過ぎですよ。 伏線職人ともいうべき、道尾秀介。 十分おもしろかったのですし、 またしても見破れなかったですけども 「0パーセント!」とか言われると、 もっともっとと過剰な期待をしてしまうの...
“「だまされた!と叫ぶ快感」 完全正解率0パーセント!” いやいやいや、腰巻き、煽り過ぎですよ。 伏線職人ともいうべき、道尾秀介。 十分おもしろかったのですし、 またしても見破れなかったですけども 「0パーセント!」とか言われると、 もっともっとと過剰な期待をしてしまうので いかがなものかと…。 ランクに0.5の目盛り表示があれば、「3.5」ぐらいにしたい1冊でした。 (ウエシマ)
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