玻璃の天 の商品レビュー
ベッキー第2弾
ベッキーさんシリーズの第2弾。 どのお話も、人の思いが引き起こす謎をベッキーさんとお嬢様が解決します。 特に好きなのは第3話。 「人間のごく当たり前の思いを、率直に語れる世であってほしい。」 そんな世でなかった時代の悲しいお話です。 「わたし達が進めるのは前だけ...
ベッキーさんシリーズの第2弾。 どのお話も、人の思いが引き起こす謎をベッキーさんとお嬢様が解決します。 特に好きなのは第3話。 「人間のごく当たり前の思いを、率直に語れる世であってほしい。」 そんな世でなかった時代の悲しいお話です。 「わたし達が進めるのは前だけよ。~(中略)~生きていくしかないのだわ。」というセリフ。 いろいろな悲しいことがあった今、改めて重みを感じます。 そしてベッキーさんの過去も明らかに。
スウィーティー
北村薫の玻璃の天を読みました。 ベッキーさんシリーズの2作目です。 玻璃って何かと思い調べたら 【玻璃】 七宝(しっぽう)の一つ。水晶のこと。 2. ガラス。 ということでした。 三部作の最後が玻璃の天でステンドグラスの天井から来ているのですね。 どれも面白かったです。 玻璃の天...
北村薫の玻璃の天を読みました。 ベッキーさんシリーズの2作目です。 玻璃って何かと思い調べたら 【玻璃】 七宝(しっぽう)の一つ。水晶のこと。 2. ガラス。 ということでした。 三部作の最後が玻璃の天でステンドグラスの天井から来ているのですね。 どれも面白かったです。 玻璃の天でベッキーさんの素性が明らかになりました。
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昭和初期の上流階級の様子を知ることができ興味深い。少しずつ忍び寄る戦争の気配。凛として対峙するベッキーさんが清々しい。単に謎解き物としてだけではなく、人としてのあり方も考えさせられる。根底にある誠実な眼差しが心地よい。
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ミステリ。華族。思想。お嬢様を取り巻く物事にピンとこずに驚いてばかりいた。それでいて現在を取り巻く空気と似ている。素敵だけど、どのお話も悲しかった。どうやらこれは2巻目のようだぞということは読みながらなんとなく感じていたけど、最初のも読もう。
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〈ベッキーさん〉シリーズ第2弾。日中戦争前の東京での生活や社会情勢が丹念に描かれているところが、ミステリーとはあまり関係ないけど良かった。
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教養を積んだ人たちの会話とはこういうものか!と感じ入りながら読んだ。古今東西の書物を深く読み込むこと、それを下敷きに会話が成り立つ醍醐味を残念ながら私は知らない。でもそういう世界があることを、この本は垣間見させてくれた。
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ベッキーさんシリーズの第2弾。 「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」 「想夫恋」が一番好き。 3編とも、大筋やミステリよりも、間に挿入されるいくつかのエピソードの方が強く印象に残った。 軍人さんとのはなしとか、与謝野晶子の「君死にたまうことなかれ」の解釈とか・・・ 戦争に向かって進んでいく、きな臭い雰囲気たちこめる日本で、英子やベッキーさんのように違和感を覚える人たちがいたんだと、当たり前ながら再認識させられた。こういう人は少なくはなかったろう。それでも戦争は避けられなかったのか。。 与謝野晶子が、たとえ弟を犠牲にしても日本中の「弟たち」に訴えかけたこと、そうやって声をあげることがいかに難しい時代であったか、ひしひしと感じた。 「戦う相手を、同じ人間と思えなくするのが戦争です。わたくしは、軍人です。軍人になるしかなかったのです。しかし、戦争のそういうところを最も憎みます。わたくしの部下の一人一人も、戦のための道具ではありません。生きた人間です。そして戦場で向き合う相手も、命を持つ人間なのです。そう思うことが銃を向け合う時の、わたくしにとっての、礼なのです。」 この軍人さん、また登場しないかな。英子といい雰囲気に発展していくのかと思ったんだけど・・・ 英子はおひいさまなのにこんなに賢くて、すごい。 作中自分のことを「気が弱い」と言っていたが、うそおっしゃい!と突っ込みを入れてしまった。。気が弱い人の言動じゃないよ~ 「玻璃の天」では直木賞候補になり、第3弾「鷺と雪」で受賞されたそうで、「うれー」笑
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再読。 シリーズ2作目。 1作目から少しだけ時間が進んだこの作品。 前作よりも色濃く描かれる、戦争へと時代の歯車が動き始めたきな臭さ。 抗えない予感。 北村氏の丁寧な時代考証の上に書かれたこの作品からは、当時の息遣いまでも感じる。 想いを素直に語ることの出来なかった時代において、...
再読。 シリーズ2作目。 1作目から少しだけ時間が進んだこの作品。 前作よりも色濃く描かれる、戦争へと時代の歯車が動き始めたきな臭さ。 抗えない予感。 北村氏の丁寧な時代考証の上に書かれたこの作品からは、当時の息遣いまでも感じる。 想いを素直に語ることの出来なかった時代において、英子の胸に宿る自由への想い。 国家と自由思想。 作中で語られる与謝野晶子の有名なあの詩の解釈は、初読の時には言葉では簡単には言い表せない程に心を揺さぶられた。 そしてもう1つ。 『漢書』からのあの引用。 鳥肌が立ちます。 再読の今、心から離れません。
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女学生の日常の中に起こるさまざまな謎、そして忍び寄る戦争の気配。主人公の英子の出会う男性は、みなそれぞれに魅力的で、女性はみなそれぞれに芯を持ちまっすぐに歩いている。
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「街の灯」の続編。 戦争が近づいている中で、上流階級の女性の目で見た昭和像、そして日常の謎。 謎解き自体よりも、その文体・雰囲気がステキで。 ベッキーさんの謎が一番の謎だったのですが、これから!という気もするし。 もう1作あるとしたら、大団円が待っていそうな感じで、出た...
「街の灯」の続編。 戦争が近づいている中で、上流階級の女性の目で見た昭和像、そして日常の謎。 謎解き自体よりも、その文体・雰囲気がステキで。 ベッキーさんの謎が一番の謎だったのですが、これから!という気もするし。 もう1作あるとしたら、大団円が待っていそうな感じで、出たら即買いですね。
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