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メルカトル の商品レビュー

3.7

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

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  3. 3つ

    21

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2021/07/19

図書館で本棚を眺めていたら聞き覚えのあるタイトルが目に入って、手に取って表紙を見た瞬間に「これ読んだことある!」ってなった本笑 外国文学ばかり読んでいた中学時代、表紙に惹かれて珍しく借りてみた日本人作家の本がこれでした 地図収集館や、主人公が住む家や、公園や街並み、どれも絵に描...

図書館で本棚を眺めていたら聞き覚えのあるタイトルが目に入って、手に取って表紙を見た瞬間に「これ読んだことある!」ってなった本笑 外国文学ばかり読んでいた中学時代、表紙に惹かれて珍しく借りてみた日本人作家の本がこれでした 地図収集館や、主人公が住む家や、公園や街並み、どれも絵に描いたように浮かんでくる筆致で素敵だった 全体にお洒落な感じ、且つほっこりする それから、装画が作者によるものだったと知って驚き

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2021/06/12

文章が美しい。どこかで観たことのあるような欧州の街並みを想像しながら読みました。 長野まゆみ作品は、不思議と謎が入り混じって、結局は伏線は回収されず、謎が残りまくるほうが、らしくて私は好きなんだけども。 この話は、めずらしく、伏線が回収され、なんだか可哀想なリュスが、最後は幸せに...

文章が美しい。どこかで観たことのあるような欧州の街並みを想像しながら読みました。 長野まゆみ作品は、不思議と謎が入り混じって、結局は伏線は回収されず、謎が残りまくるほうが、らしくて私は好きなんだけども。 この話は、めずらしく、伏線が回収され、なんだか可哀想なリュスが、最後は幸せになれそうなのが良かった。

Posted byブクログ

2019/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙は著者が描いたもの。船員が風の方向を記すために書いた図。 表紙を開いた所が艶のあるツルツルした群青色。マットな質感が多い印象だから、珍しい。 読むのに疲れた。精神的にも。 好きな人は好きなんだろう。 地図収集館の新米受付リュスのメルカトル家族との関わりなんだけど何かすっきりしない。 登場人物は家族か関係者。 リュスの実母エルヴィラ・モンドの変装か、娘のダナエでルゥルゥの変装か、マネージャーか、 警察位は赤の他人。 本当にリュスが可哀想で不憫で泣いてしまいそう。 どんな状況で捨てられたのかは不明なままだけど、船首の女神像に入れられてたのを拾われたって聞いて、棺桶イメージとか、 夢や希望どころか何かあったら疑われる立場に居て今もその頃のまま。 学費を稼ぐ為に働いてるのに、アパートの女主人と仲のいいクリーニング屋に服を出さなきゃならないし、そのお金もないからと断ろうとしたら立て替えとくって、どんだけ搾り取るわけ? 本当は血縁者なのが分かって、良いように運ぶんだろうけど、無かったら搾り取られるまま? リュスにも、その母親にも、苛立つばかり。 少年が年上の女に振り回される話多いけど、駄目だった。今までは大丈夫だったけど、読み返したら駄目になってたりするのかも。 冒頭のメルカトルはロシア人の実父か、祖父のメルカトルか。

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2017/03/02

答え合わせをするように進んでいく構成、そして血縁モノと、長野さんらしい作品。 ハッとさせられるような言葉がさらっと書かれてるところとかも。

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2015/09/08

地図収集館で働くリュスの周囲で、次々と起こる不可思議なできごと。何ともお洒落なおとぎ話。 傍若無人な人がやって来ては無理難題を押し付ける。リュスは断ることもせず、流されるがごとく巻き込まれていく。しかしその無理難題には裏があり… そんなバカなという展開を、さもありなんと見せるのが...

地図収集館で働くリュスの周囲で、次々と起こる不可思議なできごと。何ともお洒落なおとぎ話。 傍若無人な人がやって来ては無理難題を押し付ける。リュスは断ることもせず、流されるがごとく巻き込まれていく。しかしその無理難題には裏があり… そんなバカなという展開を、さもありなんと見せるのが長野まゆみの世界なのでしょう。道具立てから登場人物なにもかもが作られた世界ならではの艶やかさに包まれています。きらびやかなんだけれどシックなビジュアルが浮かび上がってきました。この世界にどっぷりとひたれるかどうかが、この作品を楽しめる鍵となるのでしょう。舞台劇のような感覚をたっぷりと楽しみました。

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2015/05/25

変な路線に行ってしまっていた作者でしたが、これは久々に読み応えありました。昔のものとも違うよさがあり、わたしは好きですね。小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」を思い出しました。

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2014/06/06

「私が行きたいのは、羽を生やしたお客が行列する店よ。」 もしパートナーができて、 公園でごはん、ということになったら、 この言葉を是非使ってみたい。 「口許のきれいな男の子は信用できるから。」 これもまた、ほんのりと共感。 長野さんワールド全開な物語ですね。 言葉が紡ぐ主...

「私が行きたいのは、羽を生やしたお客が行列する店よ。」 もしパートナーができて、 公園でごはん、ということになったら、 この言葉を是非使ってみたい。 「口許のきれいな男の子は信用できるから。」 これもまた、ほんのりと共感。 長野さんワールド全開な物語ですね。 言葉が紡ぐ主人公リュスの 控え目で、冷静な視点から 様々な登場人物の色とりどりな 騒がしさが放たれています。

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2014/01/20

何処かの世界の何処かの国を舞台とした不思議ストーリー。 孤児であるリュスは17歳になり、大学に進むための学費を稼ぐため遠くの町へ引っ越し、地図収集館で働いている。 慎ましく暮らしていた彼に次々振りかかる奇妙な出来事。 物語は最後綺麗に収束するのだが、ポンポンわけのわからない人が...

何処かの世界の何処かの国を舞台とした不思議ストーリー。 孤児であるリュスは17歳になり、大学に進むための学費を稼ぐため遠くの町へ引っ越し、地図収集館で働いている。 慎ましく暮らしていた彼に次々振りかかる奇妙な出来事。 物語は最後綺麗に収束するのだが、ポンポンわけのわからない人が出てきて混乱した。何が正しいのか主人公と同じように迷ってしまう。 相変わらず主人公は理不尽な目に遭い、自分勝手な人々に振り回されるのだが、他の作品に比べ不幸度というか災難レベルは低め。 女の子と可愛らしい交流をしているし。 大人向けのファンタジーである。

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2012/09/27

素直に面白かった。わかりやすい不思議。亡くなった祖父の書斎から埃のかぶった古ぼけた本を見つけた時のような、懐かしさとわくわく感があった。

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2012/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古地図、風の薔薇、バターサブレ、卵のプティング、真珠色の髪の少年。 長野作品は、物語にちりばめられていてる言葉そのものが丁寧で美しく、読み心地よいので好き。 ファンタジーとリアルの中間のような、ヨーロッパの街を連想するミロナ市の描写も印象的。 話はミステリー調だけれど、さらさらと進んで後味もかろやかでした。

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