最後だとわかっていたなら の商品レビュー
頭ではみんなわかってる。でも、ありがとうを伝えたり抱きしめたりすることより、日々の不平不満を言ってしまうことが増えてるかも。今日から実行する。会いたい人には距離や時間を言い訳にせず会いに行く。
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先日、幼い頃からよく知っていた方がお亡くなりになった。突然のことだったという。 親睦が深かった両親にとってショックの程は大きく、自分も涙が止まらなかった。それよりも、ご家族の悲しみはいかばかりかを考えると胸が締め付けられる思いである。一緒に迎えてきた朝を永遠に失うことになるなんて...
先日、幼い頃からよく知っていた方がお亡くなりになった。突然のことだったという。 親睦が深かった両親にとってショックの程は大きく、自分も涙が止まらなかった。それよりも、ご家族の悲しみはいかばかりかを考えると胸が締め付けられる思いである。一緒に迎えてきた朝を永遠に失うことになるなんて。 悲しみに暮れる中、本書のタイトルが不意によぎった。 中学時代の教師が読み聞かせてくれた詩で、確か9.11のご遺族が書かれたんだっけな…残された人たちへの慰安というより戒めのような内容だった気がするけど、何故だか今はそっち寄りの言葉を聞いていたい。そんな思いで今一度読み直すことにした。 「あなたが眠りにつくのを見るのが最後だとわかっていたら わたしは もっとちゃんとカバーをかけて神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう」 各ページの見開きには1節ずつ、受け止めるだけで精一杯な言葉が和英で記されている。受け止めていくのがしんどかったけど、両言語ともに全文書き写した。 原語(英語)だと若干ニュアンスが違うのも今回初めて知った。例えばタイトルは”Tomorrow Never Comes”。直訳すれば「明日は二度と来ない」だが、読み進めるうちにそれが「大切な人と、また明日を迎えられるとは限らない」ということが分かってくる。 まさに冒頭の話そのままだ。理屈で分かっていても現実として受け入れられない今の自分たちに、やはり必要な言葉だった。 この詩に触れる時、多くの人が自分にとっての大切な存在を思い浮かべるだろう。その存在がまだ存命なら、「最後だとわかっていたなら」必死にするであろうことを今目一杯やり切って欲しい。 そんな作者のメッセージが、最後の「そうすれば もし明日が来ないとしても あなたは今日を後悔しないだろうから」にギュッと込められていた。 作者はノーマ・コーネット・マレック氏というアメリカ人女性。詩は亡くなった我が子を偲んで1989年に書かれたものだと、訳者あとがきで知る。それが9.11の後、チェーンメールで世界中に広まっていったという。 あとがきにはマレック氏他、翻訳者の佐川氏が体験された大切な存在との別れが綴られている。佐川氏はお姉様を病気で亡くされたが、何もしていない自分からしてみれば必死に手を尽くされていた。「それでも後悔が残った」と言うのなら、これから誰かを失うたびに申し訳なさを抱えていかなきゃいけないのか。 「愛する人を失った時、どんなに心を尽くしても自分の足りなさを嘆かずにはいられない。それはもしかしたら、その人を忘れないでいたいという心の表れなのかもしれない。自分のためよりも、むしろその人の魂のために」 それに対して佐川氏は「どちらにせよ後悔する」と結論を出されている。 大切な存在を失い「最後だとわかっていたなら…」と後悔することがあっても、その人を心に留めたまま生きていくこと。そういえば「思い出すことが一番の供養」と母も言っていたな。 今いる大切な存在のためにも、まだまだやることは残されている。
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この詩は作者が 事故で亡くなってしまった息子を 偲んで書いたもの。 別れた夫に連れ去られ 生き別れた後の悲しい報せ。 どんなに辛かっただろう。 どんなに後悔しただろう。 作者の深い悲しみは想像するに余りある。 この詩には作者の後悔と共に 願いが込められていると思う。 もしも今...
この詩は作者が 事故で亡くなってしまった息子を 偲んで書いたもの。 別れた夫に連れ去られ 生き別れた後の悲しい報せ。 どんなに辛かっただろう。 どんなに後悔しただろう。 作者の深い悲しみは想像するに余りある。 この詩には作者の後悔と共に 願いが込められていると思う。 もしも今日で最後だったら もしも明日が来ないとしたら 最後だとわかっていたら… 少しでも後悔のないように 生きていけたらいい。
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最後がくるとわかっていた。最後が近いとわかっていたから、できる限りのことをした。彼女の望みであろうと考えつくこと全てしてあげたいと思い、すべてを投げ打ってそのようにした。しかし、姉を天に送ったあと、私を常に苦しめたのは後悔だった。 「あれもしてあげればよかった」「これもできたはず...
最後がくるとわかっていた。最後が近いとわかっていたから、できる限りのことをした。彼女の望みであろうと考えつくこと全てしてあげたいと思い、すべてを投げ打ってそのようにした。しかし、姉を天に送ったあと、私を常に苦しめたのは後悔だった。 「あれもしてあげればよかった」「これもできたはずだ」という思いは尽きることなく溢れて、わたしを責めた。もっともっとできたはずだ。足りなかったんだ。 精一杯捧げたはずなのに、なぜこんなにも後悔があとからあとから襲うのか。 大切な人をなくして、後悔しない人なんているのだろうか。 あとがきより 家族を見送ったことがある人は、必ず湧いてくる感情だと思う。そして、不安や後悔に押し潰されそうになる。 いつくるかわからない永遠の別れを、ちゃんと受けとめられるように生きている今の想いを言葉にして大切な人に伝えていきたい。
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・「あなたを救った本、教えてください」2022より。 ・常に終わりを意識して生きるメメントモリの精神だと思った。 ・最愛の人を失った経験がないので、共感に欠けるところがあるかもしれないが、失う前に出来ることをしようという本書の趣旨を汲むならば、自分のような人に是非読んでもらいたい...
・「あなたを救った本、教えてください」2022より。 ・常に終わりを意識して生きるメメントモリの精神だと思った。 ・最愛の人を失った経験がないので、共感に欠けるところがあるかもしれないが、失う前に出来ることをしようという本書の趣旨を汲むならば、自分のような人に是非読んでもらいたいのではないかと思うので読んでよかった。 ・言わなくても伝わることはないから、良い言葉はどんどん口に出していこう。 ・明日でいいやと思っていたことは今日でも良いのではないかという視点を忘れずに生きていきたい。
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友人を亡くしてから、自分が日々の人間関係の中で大事にしたいと思っていたことがまんま綴られていた。だけど実際としては、そうしたいのに毎日、自分の大事な人それぞれにできているわけではないから、いつも少しもやもやしてしまう。 詩が素敵なのは勿論だけれど、個人的に訳者解説のところの言葉...
友人を亡くしてから、自分が日々の人間関係の中で大事にしたいと思っていたことがまんま綴られていた。だけど実際としては、そうしたいのに毎日、自分の大事な人それぞれにできているわけではないから、いつも少しもやもやしてしまう。 詩が素敵なのは勿論だけれど、個人的に訳者解説のところの言葉が印象的だった。 「愛する人を失った時、どんなに心を尽くしても自分の足りなさを歎かずにはいられない。それはもしかしたら、その人を忘れないでいたいという心の表れなのかもしれない。自分のためよりも、むしろその人の魂のために。 『誰が忘れても、わたしはあなたを忘れない。あなたの命の輝きを、あなたの笑い声を、涙を、ぬくもりを、みんなが忘れても、わたしだけは忘れない。あなたの魂は、決して孤独ではない』ーそんな思いで、その人の魂に必死につながろうとしているのではないか。できなかったことを後悔したくないという利己的な思いではなく、愛する人の幸せを心から祈る、清い思いゆえではないのか。」 このような考え方が出来るのは素敵だなと思ったし、これを読んで自分も解放された部分があった。 誰かを亡くしてしまったときや、日々が忙しく視野が狭まったときに、また読みたい。自分の中で大事にしたい一冊になった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
写真と詩で5分で読める。 しかし、その内容は重い。 帯に書いてあるように、 もし、明日が来ないとしたら、わたしは今日どんなにあなたを愛しているか伝えたい。 ⒐11を経験した方の心からの叫び。 気付き 確かにいつも明日はやってくる。 でも、もしそれがワタシの勘違いで、今日で全てが終わるのだとしたら‥‥。 考えるだけで恐ろしい。 でも、明日は誰にも約束はされていない。 todo 後悔はしたくない。 伝えるべきことは伝える。 特に感謝と謝罪は、言える時に伝えよう。
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すごく大切だけどすぐに忘れてしまうこと。仕事柄命の終わる瞬間に立ち会うことが多いけど毎回後悔する。仕事では一日の中で1回は笑顔や楽しさを引き出したい。そして生活の中ではそばに居てくれる人が当たり前ではなく不変ではなく、一緒にいてくれてありがとうと伝えたい。けれど忙しいと忘れてしま...
すごく大切だけどすぐに忘れてしまうこと。仕事柄命の終わる瞬間に立ち会うことが多いけど毎回後悔する。仕事では一日の中で1回は笑顔や楽しさを引き出したい。そして生活の中ではそばに居てくれる人が当たり前ではなく不変ではなく、一緒にいてくれてありがとうと伝えたい。けれど忙しいと忘れてしまいやすい事だと思うから、定期的に読み返したいと思った。
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2001年9月11日に起きた同時多発テロを機に、 ある詩が世界中に広まった。 その詩はノーマ・コーネット・マレック氏によってテロが起こる前に自身の子供を想い書いたものだった。 それが誰かの手によりチェーンメールとして広がり、テロの遺族たちの気持ちに深く寄り添っていった。 &...
2001年9月11日に起きた同時多発テロを機に、 ある詩が世界中に広まった。 その詩はノーマ・コーネット・マレック氏によってテロが起こる前に自身の子供を想い書いたものだった。 それが誰かの手によりチェーンメールとして広がり、テロの遺族たちの気持ちに深く寄り添っていった。 "Tomorrow is not promise to anyone, young and old alike. ー若い人にも年老いた人にも明日は誰にも約束されていないのだということを" 朝を迎えられることを、当たり前ではないということを忘れず日々を生きていく必要がある。
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大切な人をなくしたとき後悔しない人なんているのでしょうか。「最後だとわかっていたら」あなたがドアを出て行くのを見るのが、あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが・・・。私たちはいつだって次があると思っています。たしかにいつも明日はやってきます。なんでもない日常。こんな時間があと...
大切な人をなくしたとき後悔しない人なんているのでしょうか。「最後だとわかっていたら」あなたがドアを出て行くのを見るのが、あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが・・・。私たちはいつだって次があると思っています。たしかにいつも明日はやってきます。なんでもない日常。こんな時間があと何十年も当たり前に続くと思っています。その何気ない時間の尊さを知らずにいます。でも、忘れないようにしたい。明日は誰にも約束されていないということを。私の父は心不全で突然亡くなりました。暫くは慣れない葬儀の準備で気が張っていましたが、葬儀が進み少し落ち着いた頃に、ふと最後に父と言葉をかわした電話を思い出しました。もし最後だとわかっていたら、感謝の言葉を口にしていたでしょう。いつかではなく今、大切な人に「ありがとう」の一言を伝えようと思いました。
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