眉山 の商品レビュー
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映画の記憶が曖昧だったので、原作を借りて読んだ。 辛い現実や痛みと向き合う強さと、阿波踊りの日に集う人々とそのつながり、娘を想い相手を想うからこその覚悟と貫き通す意思。蛍の光のような最期。そのすべてを思い出したときにはもう泣いていた。 親孝行ってなんだろう。いつできるんだろう。だれかを愛し、だれかのために行動するとはなんだろう。と自問してしまう。 自分が未熟であることを理由に、「生と死」が不可避であることから目をそらしていた。そんな気がしてならない。
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さだまさし『眉山』読了。気風のいい江戸っ子の母は、娘に相談することなく老後の人生をすっかり決めてしまっていた。あわててそれを辿るうちに、思いがけず娘は母という女性の生き方をなぞり、強さと優しさを知る。最後まで貫いた母の愛情と女としての恋。最後のページで思わず涙腺が緩んだ。
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さだまさし著のお話は、とても癒される。 「解夏」は、原作と映画両方見たが、 キャスティングといい、風景・イメージ・表現力。 全て私の思った通りの内容だった。 そして、この「眉山」も思ったとおりの内容だった。 (映画では、こんな風に描かれているんだろうな?) と...
さだまさし著のお話は、とても癒される。 「解夏」は、原作と映画両方見たが、 キャスティングといい、風景・イメージ・表現力。 全て私の思った通りの内容だった。 そして、この「眉山」も思ったとおりの内容だった。 (映画では、こんな風に描かれているんだろうな?) と、安易に想像することができる。 それだけ、サラっと心に溶け込んでいく内容だった。 私と母の関係は、龍子と咲子のような関係ではない。 でも、もし母の命の期限がわかったら、 私は、咲子と同じ気持ちになるだろう。 そして、勝手に自分のことを決めてしまう龍子の本意を咲子が理解するように、 私も、母と生きてきた中で、母の納得できない行動・言動を理解できるようになるかもしれない。 今の私には、母の本意を受け入れる準備ができていないけど、 今から少しずつでも、理解して納得していきたいと思う。 母は、きっと「その時」のために、準備をしているはずだから。
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全身を癌に侵されつつも気丈に生きようとする母とその娘の話です。 自分に真っ直ぐに、世間に真正面から向かって生きているこの母の姿は、とても気持ちがよくて、芯の強い女というのはこういう人をいうのだなと思いました。 他に家庭を持つ人だから、だけど、大好きな人との間にできた子供だから、たとえ一緒になれなくとも産みたい。女だからでしょうね。この考え方は。 母の命が尽きかけようとしているある夏の日、阿波踊りの会場で、偶然にも父と再会します。 未練があるから男は女をじっと見つめ、 未練があるから女は男を見ようとはしない。
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とてもよかったです。先に映画を見て、お龍さんを演じた宮本信子にしびれましたが、原作のお龍さんもいいですね!また、映画を見直したくなりました。咲子を松嶋菜々子が演じていて、印象が薄かったのですが、原作を読んで仕方ないなあと思いました。この小説の輝きは、なんといってもお龍さんと徳島の...
とてもよかったです。先に映画を見て、お龍さんを演じた宮本信子にしびれましたが、原作のお龍さんもいいですね!また、映画を見直したくなりました。咲子を松嶋菜々子が演じていて、印象が薄かったのですが、原作を読んで仕方ないなあと思いました。この小説の輝きは、なんといってもお龍さんと徳島の街ですね。
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"神田のお龍"こと江戸っ子の母親が啖呵を切る台詞は、一本筋が通っていてとにかくカッコいい。宮本信子氏が演じたいと言うのも頷けた。 主人公咲子が、父と母をカメラの同じフレームの中に収めようとする場面は、いちばん感情移入した。今にも阿波踊りのよしこの節と鳴り物が...
"神田のお龍"こと江戸っ子の母親が啖呵を切る台詞は、一本筋が通っていてとにかくカッコいい。宮本信子氏が演じたいと言うのも頷けた。 主人公咲子が、父と母をカメラの同じフレームの中に収めようとする場面は、いちばん感情移入した。今にも阿波踊りのよしこの節と鳴り物が聞こえてきそうだった。 残念だったのは、寺沢医師がラストで言い放つ「そうだったのか」という一言。たぶんこういうことなのだろう…と考察してみるものの、どこにそんなことが書いてあっただろうかと何度も最初からページをめくっては確かめてしまった。母親が献体を申し込むことになった要となる場面なのに、説明不足でいかようにも意味が取れる。「解夏」のように納得のいく結末を期待していたのに、うーむ、ガッカリ。
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神田のお龍といわれた、気風のいい女だった母親の人生の全うの仕方を通して、彼女の悲しみや想いを振り返る娘。 さだまさしの本が出ているのは知っていたけれど、これまで作家としてのさだまさしには触れずに来ていた。 この本を読んで、まさに 人間が大好きなさだまさしの触れたような気がする...
神田のお龍といわれた、気風のいい女だった母親の人生の全うの仕方を通して、彼女の悲しみや想いを振り返る娘。 さだまさしの本が出ているのは知っていたけれど、これまで作家としてのさだまさしには触れずに来ていた。 この本を読んで、まさに 人間が大好きなさだまさしの触れたような気がする。 最後に掲載されていた、宮崎大学・医学部の学生の解剖実習の感想文に触れたとき、きっと彼は、献体として医学発展のために自分の体を提供してくれた方々の人生を思い描いたのだろう。 彼の思った人生は、彼の歌そのもののように、人間を慈しみ、敬い、そしてやさしい言葉としてこの本になったのだろう。 昔からさだまさしの歌が大好きだった私としては、あのころのまっさんに出会えた気がした。
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映画版と小説版、印象の違いを楽しむのも良いかもしれません。眉山に関しては、個人的には映画の方が好み。
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偉大な母のお話。一番のテーマは「献体」これを是とするか非とするか、遺族の立場を思うと、考えさせられる。
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主人公の母さんがかっこよすぎて惚れてしまった! 阿波弁がいい。温かみのある言葉だ。一度だけ徳島に行ったことがあるが、眉山に行かなかったことが悔やまれる。
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