クライマーズ・ハイ の商品レビュー
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仕事への熱量がすごい。 悠木もそうだが、佐山が狂気じみたほどの熱量。佐山は映像作品だと堺雅人が演じているらしく、観てみたい。 悠木がスクープ負けしたシーンは失望した。なに慎重になってんだよ、自分なら勝負してたな。個人的なMVPは燐太郎。衝立岩で悠木をリードする燐太郎が頼もしく見えた。 好きなシーン ・佐山の魂の原稿 ・配送車の鍵を隠すシーン(他部署との攻防) ・異動前に病室の安西に話しかけるシーン ・最後の娘さんをくださいのシーン
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日航機墜落事故の内容を扱ったフィクションで、 ノンフィクションを交ぜながらも、主人公を取り巻く人間関係や心境が変化していくのが良かった。 悲惨な事故をニュースとして扱っていても報道に私情が入り混じるところが、すごく人間だなあといった感じ
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日航機墜落事故を題材に、機体が落ちた群馬の地方新聞の怒涛の一週間を描いた半分ノンフィクションみたいな一冊。 爽快感が得られる作品ではないものの、スクープをめぐるところは、マジかーと少し先に読み進められませんでした。 傑作であることには間違いないんですけどねー。
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新聞社のデスクとして、父親としての両方の闘いが語られており最後に混じり合っていく そしてどちらも面白い 38年前タイガースが日本一になった年に日航ジャンボ機が墜落、タイガースのオーナーや坂本九さんなど有名人も亡くなった その当時はスマホなどもなくポケベルの時代で、連絡を取る...
新聞社のデスクとして、父親としての両方の闘いが語られており最後に混じり合っていく そしてどちらも面白い 38年前タイガースが日本一になった年に日航ジャンボ機が墜落、タイガースのオーナーや坂本九さんなど有名人も亡くなった その当時はスマホなどもなくポケベルの時代で、連絡を取るのも一苦労する時代でした そんな時代に他誌よりも情報を集めて、スクープを狙うというのはとても大変だったと思いました そして山友でもある安西さんの存在が祐希の人生を決めるのに大きく関係していく 意地を通して会社を去らずにどんな仕事でもかじり付いて家族を養うというのは本当に大変だと思う そして最後に二人の息子からの贈り物を貰い、人生の最高到達地点に辿り着いたのだと感じました
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ジャーナリズムの世界の複雑な人間模様が緻密に描かれていて、読み応えのある一冊だった。 「下りるために登る」という言葉が、 記者人生をかけた決断を迫られる悠木の背中を押したことは間違いないだろう。
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クライマーズ・ハイ…登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のこと オーディブルで読んだ。 かなりの没入感。これだけ小説の世界に引きずり込まれたのはとても久しぶりだ。 主人公は地方の新聞社記者。 登山サークルの仲間の同僚と谷川岳衝立岩の登攀を予定した日の前夜...
クライマーズ・ハイ…登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のこと オーディブルで読んだ。 かなりの没入感。これだけ小説の世界に引きずり込まれたのはとても久しぶりだ。 主人公は地方の新聞社記者。 登山サークルの仲間の同僚と谷川岳衝立岩の登攀を予定した日の前夜に日航123便墜落事故が起きる。急遽事故の全権担当デスクを命ぜられた主人公・悠木は誌面作りに忙殺される。一方で、一緒に登攀するはずだった同僚は、なぜか繁華街で倒れ昏睡状態になっていた… 同僚・安西が残した登山の理由「下りるために登る」にはどんな意味が込められているのか… 息子との関係、後輩の自殺、昏睡状態の同僚の容態、そして、圧倒的な量の仕事にもがき苦しむ主人公・悠木の姿に共感せずにいられない。 最後の登山のシーンでは号泣してしまった。 誰もいないところで聴いていたから良かったけど… ブクログ利用者は「必読の小説」と言って過言ではないかな。すごくおもしろい。 ♫上を向いて歩こう/RCサクセション(1979)
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『無駄も損も無い』 誰もが知っておくべき事件を扱い、 読んで後悔は皆無だと思われる 難しい内容も多いが、それを絶妙にうまく 描いているような印象 事件のみでなくそれらに関与する様々な人間模様もあり、飽きることなく読了出来る この事件について自身でもより深く知りたくなる
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横山秀夫3作目 評価高いけど映画先に見ちゃってるしなぁ~と思っていたが、読んでよかった… 今年読んだ中でベスト。ドはまりです。 睡眠時間を削ってでも読みたくなる小説に会うために読んでます。 ■熱 熱い、とにかく熱い。 昭和体質のサラリーマンしか出てこないのに。 登場人物も会社の体制も派閥争いも昭和臭プンプン。 でも皆奥底に人情があったり何か抱えてたりしていて憎めない。 貸し借りがあってもその場で礼を言わずに借りを返すところ大好きです。 映画の影響で脳内の悠木は堤真一だし佐山は堺雅人だし神崎は滝藤賢一だし(映画見た頃は名前も知らなかったけどこの人の演技は印象に残りすぎている) 全員カッコよすぎるやろ ■紙媒体 輪転機やトラックのタイムリミットを計算したギリギリでの戦い トラックの鍵盗む原始的な攻防戦 子供のケンカみたいだけど皆必死だ 紙はこれからどんどん廃れていく媒体だけど、早さを求めた結果、表面的な何の根拠もないペラペラの電子媒体の情報が溢れ返ってる 裏取りをするのにあれほど拘ってた悠木は間違っていない。 情報を発信する責任をしっかりわかってる証拠だ。 ネットが発達したのは素晴らしいけど結局は使う人の頭次第。無責任な情報が無数に飛び交ってるから取捨選択の仕方は子供に教えてあげないと。 ■命の重さ ボランティアでは無いから新聞も売れなきゃ続けられない。親族にとっては大きな死でも世間から注目されるものとそうでないものがある。 当事者にならないと気持ちはわからない ハラハラドキドキがいっぱいあってついページ数をメモってしまった ↓ 『五百二十四人 部屋が一瞬、静まり返った。』 フロアの全員が事の重大さを把握する緊迫感がすごい 『生きていた。少女が、~ これだけ局内が喜びに沸き返った瞬間を悠木は知らない。』 ドライな人達だと思ったが全員が心の底から喜んでいることに感動 『刺激に麻痺することは罪とはみなされない。』 戦地でも言えることかもだけど、普通は人の死なんて間近で見てないから重大なことと感じてるけど、日常の中で常に死に触れてたら誰しも麻痺するか壊れると思う 『お前を調子づかせるために五百二十人死んだんじゃないんだ』 映画でも言ってた記憶。悠木かっこよ。 『「局長と次長には話したのか」「いえ」レンズの奥の目が微かに揺れた。昼間の借りは返した。』 これ以降の等々力もいざとなるとカッコよい。憎めん 他にも山ほど心に刺さる、感動する、カッコいい言葉ばかりだった。 気持ちが溢れて語りきれん 今度は半落ち読もうかなぁ~
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人間とは、なんとさもしい生き物なのか。 命に 軽いとか重いとか、大切とかそうじゃないとか、そんなものはないと口では綺麗事を言っても、皆どこかで線引きをしたり、線引されたものをなんの疑問も持たず受け入れている。かくいう私も。 それも酷く打算的に。 悠木の心情はゆり動きっぱなし...
人間とは、なんとさもしい生き物なのか。 命に 軽いとか重いとか、大切とかそうじゃないとか、そんなものはないと口では綺麗事を言っても、皆どこかで線引きをしたり、線引されたものをなんの疑問も持たず受け入れている。かくいう私も。 それも酷く打算的に。 悠木の心情はゆり動きっぱなしで、喜怒哀楽も激しくて、冷静になれ、と思わなくはなかったけど、実際、事が大きければ大きいほど、振れ幅はあるだろうし、打算だけでは動けなくなるところが人間らしくてよかった。 男は理性、女は感情の生き物なんて、誰が決めたのかしら。 人間なんてみんな一緒じゃん。
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昭和60年8月12日、御巣鷹山で未曾有の航空機事故が発生した。その日、衝立岩への登攀を予定していた地元紙・北関東新聞の遊軍記者、悠木和雅は全権デスクに指名される。はたして墜落地点は群馬か、長野か。山に向かった記者からの第一報は朝刊に間に合うのか。ギリギリの状況の中で次々と判断を迫...
昭和60年8月12日、御巣鷹山で未曾有の航空機事故が発生した。その日、衝立岩への登攀を予定していた地元紙・北関東新聞の遊軍記者、悠木和雅は全権デスクに指名される。はたして墜落地点は群馬か、長野か。山に向かった記者からの第一報は朝刊に間に合うのか。ギリギリの状況の中で次々と判断を迫られる悠木。一方で、共に衝立岩に登る予定だった同僚の安西耿一郎はその頃、倒れて病院に搬送されていた。新聞社という組織の相克、同僚の謎めいた言葉、さらに親子の葛藤、そして報道とは何なのか、新聞は命の意味を問えるのかという自問自答――。あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、著者渾身の傑作長編。 胸ぐらつかんで罵りあい・・・結局やらんのか~い! JALの事故と新聞社を絡めたたぶん本当の話だろう・・・他人事でない今心揺さぶられながら読了。
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