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クロイドン発12時30分 の商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

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2023/04/19

世界恐慌の煽りを受け、工場の経営が困難になった犯人が、遺産目当てに叔父を殺害する。犯人の心理描写が素晴らしく、焦りや恐怖感が伝わり、手に汗にぎる展開だ。最後、フレンチ警部の語りで、犯人に繋がる捜査内容が明かされるが、本物の事件を取材したような緻密さがある。

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2022/06/09

再読。 だけど何にも覚えてないんだ。倒叙ものの古典としか認識していない。最近、クロフツを読み直してるけど、緻密な描写が重厚感に貢献してるよね。テンポが悪いという向きもあるけど、そうは思えないけどね。今作はホントに最後の最後で種明かし(倒叙だから犯人は最初から分かっているけど。なぜ...

再読。 だけど何にも覚えてないんだ。倒叙ものの古典としか認識していない。最近、クロフツを読み直してるけど、緻密な描写が重厚感に貢献してるよね。テンポが悪いという向きもあるけど、そうは思えないけどね。今作はホントに最後の最後で種明かし(倒叙だから犯人は最初から分かっているけど。なぜ犯人と気づくのかが語られる)となるのも、趣向の一つなんだね。

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2017/10/10

倒叙ミステリ。世界恐慌の後で会社経営がうまくいかないチャールズと自分が努めている会社の経営状況が重なって読んでいて気分が落ち込んだ。 特に盛り上がる箇所もなく淡々と進む。 丁寧な小説である。 チャールズと彼らを取り巻く人々とのやり取りにユーモアがある。

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2017/01/13

犯人にも中々愛嬌があって面白い。犯人側から見ると、警部などの探偵側に、密かになんの前触れもなく真相を暴き出される恐怖感がよく伝わってきた。結局、凡人である主人公にとても魅力があると感じた。

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2016/07/26

倒叙ミステリの傑作と言われる作品です。犯人は物語のはじめからわかっているのでネタバレもないと思いますが。犯人(チャールズ)は、どうしても被害者を殺害しなければならない状況においつめられてしまい、完全犯罪を計画します。 自分が犯人と疑われないように慎重に計画を立て、殺人を実行します...

倒叙ミステリの傑作と言われる作品です。犯人は物語のはじめからわかっているのでネタバレもないと思いますが。犯人(チャールズ)は、どうしても被害者を殺害しなければならない状況においつめられてしまい、完全犯罪を計画します。 自分が犯人と疑われないように慎重に計画を立て、殺人を実行します。チャールズの視点で語られる部分を読んでいると、完璧な計画のように思われます。しかし、返ってそのことが警察の目を引くことになり、ついには捕まってしまいます。 クロフツの小説は、話のテンポがゆっくりとしていて読むのに時間がかかるのですが、当時イギリスのの雰囲気も味わえてなかなか面白いと思います。 今回は新訳なので読みやすかったこともあったと思います。 樽も新訳で読みなおしてもいいかなと思いました。

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2012/10/07

読書会より チャールズ『ちょっとカワイソー派』と 『ダメダメじゃん!派』とふたつに分かれ、 ユーナが『わかるわかる派』は『ヤーな女』派から隔絶されました。 クロフツ初挑戦だったけど、はまる人ははまるとのこと。 短いけれど有意義な読書会でした。

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2012/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フレンチ警部シリーズ パリ行きの飛行機の中で死んだアンドリュウ老人。老人の甥チャールズの経営する工場の不振。アンドリュウの殺害を計画するチャールズ。アンドリュウの薬に混ぜられた毒薬。チャールズを恐喝する執事ウェザラップの死。フレンチ警部の捜査。

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2012/03/13

名作と言われる所以がある作品ですね。 倒叙モノで、犯人の状況から丁寧に描きながら事件が起こるまでを描き、それから追い詰められていく過程も丁寧で面白い。 そして最後に語られるフレンチ警部の捜査により、現れた皮肉。 バランスがいい作品です。

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2010/12/22

最初に書きますが、犯人は主人公です。 失礼しました。でもネタバレではないのでご安心ください。 たいていの推理小説は探偵・被害者側に視点が置かれるものですが、中には「犯人視点」のものもあって、そこでは犯人(主人公)がいかに犯行を思い立ち、いかに発覚を免れようとするか、といった...

最初に書きますが、犯人は主人公です。 失礼しました。でもネタバレではないのでご安心ください。 たいていの推理小説は探偵・被害者側に視点が置かれるものですが、中には「犯人視点」のものもあって、そこでは犯人(主人公)がいかに犯行を思い立ち、いかに発覚を免れようとするか、といった点があくまで彼(あるいは彼女)の視点から描写されることになります。ミステリを読んでると「主人公が犯人」という作品がたまにありますが、この場合はむしろ「犯人が主人公」ですね。 それらの作品はいわゆる「倒叙推理小説」というジャンルにくくられますが、何を隠そう本作はその古典的代表作の1つとされており、たしかに倒叙作品の魅力をあますところなく堪能できると思います。 あらすじは省略(ネット等で見てください)させていただいて感想です。 主人公には動機の面でいまひとつ共感できない部分があったんですが(片想いのくだり)、彼の視点で読んでいると、だんだん捜査の手が及んでくるのにハラハラさせられました。ストーリー展開としては倒叙作品の王道というか、まあオチはだいたい予想がつくんですが、そこをじっくり読ませるクロフツの筆は個人的に好きです。あと、主人公の犯行計画の穴を探していくのも楽しいですね。「おい、このアリバイ工作はもしかして無意味なんじゃないか」みたいな。ただ、主人公側から読むと最後の種明かしはちょっと鼻につく感じもしますね。 クロフツ作品全体について「展開がゆっくりすぎる」という声もあるようですが、僕は特に気になりませんでした。細かい点もきまじめに描写している感じで、(上にも書きましたが)個人的には好きですね。この人の作品にはフレンチ警部シリーズとか有名な『樽』とか、おもしろいものが多いので(いや、僕もそんなに読んでないので偉そうなこと言えませんけど)、ぜひお読みになられてみてはいかがでしょうか。 (大英堂ファン)

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2012/01/16

The 12.00 from Croydon(1934年、英)。 フレンチ警部のシリーズだが、それよりも倒叙ミステリの名作として名高い(倒叙三大名作のひとつ)。 未曾有の世界大恐慌の中、工場の経営難に陥ったチャールズは、資産家の叔父に資金援助を申し込むが、すげなく断られてしまう...

The 12.00 from Croydon(1934年、英)。 フレンチ警部のシリーズだが、それよりも倒叙ミステリの名作として名高い(倒叙三大名作のひとつ)。 未曾有の世界大恐慌の中、工場の経営難に陥ったチャールズは、資産家の叔父に資金援助を申し込むが、すげなく断られてしまう。もしも破産すれば、自分と従業員が路頭に迷うだけでなく、意中の女性との結婚話も駄目になってしまう。思いつめたチャールズは、叔父を殺して遺産を手にするために、完全犯罪を計画する…。 犯罪者の行動と心理を丹念に描いた、サスペンスフルな物語。ごく普通の社会人が、たまたま実現可能な犯行計画を思いついてしまい、誘惑に負けて実行した結果、人生を棒にふってしまうさまを描いている。動機が理解可能なだけに、心理描写が真に迫る感じ。

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