出口のない海 の商品レビュー
2024.8.17 読了 時期的に戦争を描いたお話を読みたいと思い選書しました。 これまで神風特攻隊のことはよく見聞きしてきたけれど人間魚雷「回天」のことはほとんど知らずにきました。 死が約束された突撃に向かう若者たちの葛藤はいかばかりか。 小説を読んだくらいでは計り知れないけ...
2024.8.17 読了 時期的に戦争を描いたお話を読みたいと思い選書しました。 これまで神風特攻隊のことはよく見聞きしてきたけれど人間魚雷「回天」のことはほとんど知らずにきました。 死が約束された突撃に向かう若者たちの葛藤はいかばかりか。 小説を読んだくらいでは計り知れないけれど知ろうとしなければいけないなと思いました。 生きて帰ることは恥であると理不尽に罵られ自ら死を望む。 小学6年生の弟が出征する兄に「お国のために立派に死んできてください」と言う。 『教育』の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。 横山秀夫さんの文章とは相性がいいのかいつも読みやすくて重いテーマだけど今作もあっという間に読めました。
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横山秀夫さんの本は、すべて読んだつもりでしたが、文庫本の背表紙のあらすじを読んで、これはまだだったなと読み始めたら、やっぱり止まらなかった。 戦争はほんとに恐ろしい。人が人でなくなってしまう。そんな中で人であり続けられた主人公。こうやって死んでいった人が多勢いたんだと思うと…そし...
横山秀夫さんの本は、すべて読んだつもりでしたが、文庫本の背表紙のあらすじを読んで、これはまだだったなと読み始めたら、やっぱり止まらなかった。 戦争はほんとに恐ろしい。人が人でなくなってしまう。そんな中で人であり続けられた主人公。こうやって死んでいった人が多勢いたんだと思うと…そして今もそんな恐ろしい戦争は世界で続いているんだと思うとやるせない。理不尽としか言いようがない。
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本当に人間の所業なのか。 回天にまつわる史実と言っていいほどのストーリー。 戦争を題材にした小説は読み進めるのが辛い。
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想像以上にダメだった。 読んだことないジャンル。 難しいとかそう言う次元じゃなくて苦手。 心臓バクバクして、手汗出たり、単語見ただけで手が痺れるというか。 なんかトラウマでもあるのか? もしかして前世で乗ってた? とにかくしんどかった。 史実があっての作品だから尚更辛い。 全部が...
想像以上にダメだった。 読んだことないジャンル。 難しいとかそう言う次元じゃなくて苦手。 心臓バクバクして、手汗出たり、単語見ただけで手が痺れるというか。 なんかトラウマでもあるのか? もしかして前世で乗ってた? とにかくしんどかった。 史実があっての作品だから尚更辛い。 全部がフィクションならいいのに。 今からできることなんてたかが知れてるけど、歴史を知ると言う意味では読んでよかったな。 本当に辛かった。 それに向かう覚悟も恐怖も葛藤も私は知ることはないだろうし、知らなくていい。 相反する感情がぐちゃぐちゃになって、でも全部本心でっていう。 ここまで重い状況ではもちろんないけど、分かる部分もあった。 一行一行祈るように読んだ。 考察とかじゃなくてそれしか感想出てこない。 まだざわさわする。 でもこういう歴史があったことを知るのは必要な作業かも知れない。
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人の生活に戦争があったことを感じた。前途ある青年が死ぬ意味を考え続けていた。きっとこの時代の多くの人が同じようなことをしていたと思う。令和の戦争がない時代の日本に生きる1人の人間として、立派に生きなきゃいけないと思った。
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好きな作家で、この方の本はほとんど読んでいる。再読。 第二次世界大戦時、回天という特攻兵器に乗る兵隊の物語。野球部学生だった主人公が「生きたい」と思う気持ちを持ちながらも回天という特攻兵器に乗ることになる、心情が読んでいて苦しい。戦時の厳しいその様な時代でも希望を胸にし、葛藤し...
好きな作家で、この方の本はほとんど読んでいる。再読。 第二次世界大戦時、回天という特攻兵器に乗る兵隊の物語。野球部学生だった主人公が「生きたい」と思う気持ちを持ちながらも回天という特攻兵器に乗ることになる、心情が読んでいて苦しい。戦時の厳しいその様な時代でも希望を胸にし、葛藤し、己の生に意味を見つけようとする姿に心打たれる。 あまり知られていない回天という兵器と共に、その時代の流れ、雰囲気を知ることができた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
8月になると、戦争を題材にした本を読みたくなる。「戦争を風化させない」「戦争の悲惨さを忘れてはいけない」等と言う、心持ちがある訳ではなく、自分の中では8月は「戦争の本を読む」と言う季節感というだけである。 「出口のない海」は、特攻機「桜花」に次ぐ、人間が弾頭になって海中を進む人間魚雷「回天」の話、というだけではなかった。野球を楽しむ学生たちが、敗戦色が濃くなりつつある時代に徴兵され、そこにいた「並木」青年に焦点を充てた物語りである。 温かな家族も、淡い恋も、野球への夢のことも、最期の時まで忘れなかった「並木」青年。彼の脳裏に蘇ったのは友達の笑顔か、仲間の言葉か、それとも戦争と回天のことだったか、それは誰にも分からない。 この本が教えてくれたことは、回天のことを忘れられたら、誰からも思い出されなくなったら、この戦争のために死んでいった兵隊たちは、死ぬために生きることはなかった、と言うこと。兵隊たちの青春が、戦火の中に青々と燃えていたこと。 若くして英霊になることを誇りにした者もいたかもしれない。けれど本当はどうだっただろう。生きることに縋り、日の本を背負う覚悟なんて。 「彼ら(米英たち)にも家族がいる。」 戦争は誰も幸せになんかしてくれない。私はそう思う。当時なら非国民と言われて迫害を受けただろう、母は何も悪くないのに世間に謝ってばかりいただろう。それでも、私は戦争の二文字に、幸福が入り込む余地はないと断言する。 しかし、「並木」青年は見つけたのだ。唯一の幸せを。自分の夢を叶えた幸福を抱いたのだ。それだけは誰の意見もつけいる隙はない。もちろん、この感想を書く私にも。 戦争の作品で、主人公が幸せの中で散った作品は数少ない。この本を多くの人が読み、一筋の幸福に目を向け、夢を叶えますように。そう思わせてくれた作品だった。
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戦争ものは暗い気持ちになるものだが、この本は人間魚雷として「回天」に乗ることになった男たちの心の動きであったり、人間としての尊厳や誇りなどの描写であったりが読んでいて切なくなった。理不尽な命令や異常な教育の中で、希望を見出そうとする人たちの史実に基づくフィクションではあるが、実際...
戦争ものは暗い気持ちになるものだが、この本は人間魚雷として「回天」に乗ることになった男たちの心の動きであったり、人間としての尊厳や誇りなどの描写であったりが読んでいて切なくなった。理不尽な命令や異常な教育の中で、希望を見出そうとする人たちの史実に基づくフィクションではあるが、実際に特攻という形で命を落としていった人がいたことは現代においても忘れてはいけないと思った。
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戦争に関する小説はいくつか読んでいるが、その中でもこの作品が一番心にジーンと来た!なかなか良かった!
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読むのが苦しくかった。 こんなものが存在していたことが信じられない。 教科書なんかより、よっぽど戦争の恐ろしさが分かると思う。
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