ありふれた風景画 の商品レビュー
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高校2年生の瑠璃は同級生からウリをやってると噂され孤立しうんざりしている頃、 偶然出会った3年生の周子さんは美貌の持ち主ながらに自然を会話できる不思議な能力を持っていた。 自分の能力が周囲に気に悪がられていることに慣れっこだった周子を 瑠璃はあっさりと受け入れ、次第に彼女たちは惹かれ合うようになっていく。 10代の女子が持つ閉塞感と孤独感。 それらを共有することができる2人。 同性愛(?)という意外な(?)方向へと話がいったような。 青春というか青春。
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決めつけてしまったら、そこから一歩も動けなくなる。 何も知らないくせに、何も知ろうとしなくなる。 他人を決めつけるということは、傲慢で尊大な罪を犯すということだ。 高校二年の高遠瑠璃。 一歳違いにモデル体型で自分の美しさを熟知した姉がいる。 父と母は別居状態。 学校では、好ま...
決めつけてしまったら、そこから一歩も動けなくなる。 何も知らないくせに、何も知ろうとしなくなる。 他人を決めつけるということは、傲慢で尊大な罪を犯すということだ。 高校二年の高遠瑠璃。 一歳違いにモデル体型で自分の美しさを熟知した姉がいる。 父と母は別居状態。 学校では、好ましく無い自分をめぐる噂が流れてるのも知っている。 そんな瑠璃が初めて心から、知り合いたいと願う三年生の、綾目周子。 周子は魔女とも変人とも噂される。 烏の言うことがわかるらしい。 全編を通して高校生のリアルな悩みや心の波立ちが描かれ、 瑞々しい言葉のチョイスが素敵だ。
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ウリをやっていると噂をされている高校2年の高遠琉璃は、美貌の持ち主で特異な能力によって噂に上る上級生、綾目周子に惹かれていく…。 傷つき、もがきながら生きる少女たちの1年間を描くみずみずしい青春小説。 (アマゾンより引用) 読み始めのときは面白かったのに何かだんだん面白くなくなっていった(´・ω・`)
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さらりと心地よく流れる文章が印象的。 あさのあつこの良さは、こういった風景や情景の描写の素晴らしさにあると思う。 そして微妙な距離感を描くのがとっても上手。 十代の、難しく繊細に揺れ動く心のさまが、鮮やかに描き出されていた。 なんとも瑞々しい小説でした。 「十代っ...
さらりと心地よく流れる文章が印象的。 あさのあつこの良さは、こういった風景や情景の描写の素晴らしさにあると思う。 そして微妙な距離感を描くのがとっても上手。 十代の、難しく繊細に揺れ動く心のさまが、鮮やかに描き出されていた。 なんとも瑞々しい小説でした。 「十代って残酷な時間なんだ。 十八歳の今、つくづくと思ってしまう。 とても、残酷な年代なのだと。 否応なく全てが変わっていく。変わらされてしまう。留まることは許されず、立ち止まることも許されない。ただ前へ、前へ、先へ、先へと進むだけだ。急流に浮かぶ小舟みたいだ。 十代ほど、たくさんの人に出会い、たくさんの人と別れる時代はないような気がする。出会いと別れを繰り返す時代、「さようなら」そんな別離の挨拶とともに、二度と会えなくなる人たち。その人たちをいつの間にか忘れていくわたし、忘れられていくわたし。出会いも別れも生々しく、儚い。 残酷な年代だ。」
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『バッテリー』など青春小説で知られるあさのあつこの小説。百合だとは聞いていたが、ちょっとヒロイン二人の心の交流が中途半端。周子の特殊能力がなにかに発揮され、おもしろい展開があるのかも、と期待していたがそれもなし。そもそも、この二人、なぜすでに十代にして男性経験があるような設定にし...
『バッテリー』など青春小説で知られるあさのあつこの小説。百合だとは聞いていたが、ちょっとヒロイン二人の心の交流が中途半端。周子の特殊能力がなにかに発揮され、おもしろい展開があるのかも、と期待していたがそれもなし。そもそも、この二人、なぜすでに十代にして男性経験があるような設定にしたのだろうか。 タイトルにある「ありふれた」日常ではない。しかし、どこかの小説やドラマで繰り返されている家庭問題や女子高生の抱えた葛藤としては、「ありふれた」ものなのかもしれない。 一般文芸に百合小説はそれなりにあるが、いかんせん、中途半端。この分野はやはり特殊な世界設定を盛り込んだアニメや映画などで発揮される。登場人物のネーミングからしてすでに、著者があきらかにサブカルチャーに影響されたことがわかってしまい、そこが残念。まあ高校生向けのノベルとしてはおもしろいし、みずみずしい感性の文章は理解できるけども。 個人的に「運命って変えられるんですよ」と自信ありげにつぶやく主人公・瑠璃が、このストーリーでは、実際になにもその積極性を発揮などしていない、周囲に起こる男友達や母親などのつまづきをただ傍観していただけというのが気がかり。 姉の名前といい、あきらかに氷室冴子の人気平安ファンタジーからの借用なのだけど、このネーミングの云わんとすところが理解できなかった。とりあえず、こぎれいな女の子ふたりがちゅーしたから、いいでしょ、みたいな売り手の戦略を感じてしまうわけですが?
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周りから浮いてる者同士でひっついてると、なんとなく馴れ合いとか利用ってじめじめした言葉が浮かぶけど この二人は湿度温度ともに快適な関係で、しゃんとしてて、綺麗
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「バッテリー」では読み進めるうち高揚していった気分が、拍子抜けするエンディングで台無しになった印象やったけど、これはラストも流れに乗ってる感じ。やまだないとさんのイラストが印象的。 鴉のタロウがなかなか良いキャラ。周子は栗山千明、流璃は上野樹里のイメージかな~。
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2012年31冊目。 247頁。 京橋図書館で借りる。 噂に惑わされぬこと、第三者の評価を気にしないこと、同時に十把一絡げに他者を評価しないこと、そうやって生きていくことは、とても難しいことだし、そうやって生きている人を、傍からは強い人だと見られても、実際には壁を作って自分の身を守っているだけに過ぎなかったりする。 本書にある通り、十代は出会いと別れの繰り返しだと思う。特に、地方においては、首都圏の高校、大学へと進学し故郷を離れる人が多いだろうから、その離別に対する思いはより生々しく、切々としたものだと思う。僕自身は東京産まれ東京育ちであり、そうした経験が出来なかったことを、少し残念に感じている。卒業しても、多くはそのまま東京にとどまったので、ある意味会おうと思えばいつでも会える距離にいたから、少なくとも、物理的には。 思春期のそうした体験は、思春期にしか訪れない唯一無二のものであり、良かれ悪しかれ、少年少女たちが青年に変わっていく時に、何かしらの影響を与えると思う。 ≪本文引用≫ p.56 人は何故かいつも曖昧だ。ゆらゆらと揺れて、はっきりと像を結ばない。その他大勢とか群集とか世間とか生徒たちとか、実体のない、でも巨大なものの内に埋もれてしまう。埋もれてしまえば、名前なんてただの記号だ。だから、覚えられない。鮮やかなイメージとともに跳ねてくれるのなら、生身と名前は結びつき、ちゃんと意味を持つ。 p.188 他人を決めつけるということは、傲慢で尊大な罪を犯すということだ。 p.206 過去形の持つ切なさは、誰かを失って初めて理解できる。甘くも美しくもない、ただ残酷なだけの切なさだ。
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他人と一緒に過ごしていく中で、本当の自分を曝け出すのは難しいと思う。嫌われることを恐れたり、面倒くさいと思ってしまうことも多い。それでも触れ合いたい、一緒にいたいと思える人ができたとき、他人との壁を作らず、本当の自分がみえてくる。共に過ごす喜びを大切にしたくても、すぐに別れがある...
他人と一緒に過ごしていく中で、本当の自分を曝け出すのは難しいと思う。嫌われることを恐れたり、面倒くさいと思ってしまうことも多い。それでも触れ合いたい、一緒にいたいと思える人ができたとき、他人との壁を作らず、本当の自分がみえてくる。共に過ごす喜びを大切にしたくても、すぐに別れがある十代を書き綴った物語かと。 周子先輩のような謎に満ちている方の姿を追うことが大好きなので、瑠璃が周子先輩を追う気持ちがわかり、心情を察しながら読めました。
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■十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。ウリをやっていると噂される琉璃。美貌の持ち主で特異な能力をもつ周子。傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描くみずみずしい青春小説。 ■■わたしはこの人の情景や内面の描写の仕方が好き。透明な熱を感じる気がする。だけど...
■十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。ウリをやっていると噂される琉璃。美貌の持ち主で特異な能力をもつ周子。傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描くみずみずしい青春小説。 ■■わたしはこの人の情景や内面の描写の仕方が好き。透明な熱を感じる気がする。だけど内容は、少し生々しいというか生臭く感じて、苦手。それが少女達の性へ繋がるから、かもしれない
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