スイートリトルライズ の商品レビュー
映画化するほどの作品かなあ、と思ってしまう。テディベアとか、すごく江國香織らしいけれど。「腕に入れて」という表現は好き
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簡単に言えば、ダブル不倫の夫婦の話。 「この日常に不満はない、と、瑠璃子は思う。淋しさはたぶん人間の抱える根元的なもので、聡のせいではないだろう。自分が一人で対処すべきもので、誰かに―たとえ夫にでも―救ってもらえる類のものではないのだろう。」 一緒にずっといるのになんだか淋しい...
簡単に言えば、ダブル不倫の夫婦の話。 「この日常に不満はない、と、瑠璃子は思う。淋しさはたぶん人間の抱える根元的なもので、聡のせいではないだろう。自分が一人で対処すべきもので、誰かに―たとえ夫にでも―救ってもらえる類のものではないのだろう。」 一緒にずっといるのになんだか淋しい気持ち。意味もなく電話をかけたり、今日あったことを全部話したり。それでも満たされることがない飢餓状態。 なんだかわかる気がして切なくなった。どういう相手といることが一番淋しさを感じず満たされるんだろう。 「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」 これみなさんどう思うのでしょうか。 私は大切な人の前では嘘はつけない。だから絶対私も嘘をつかれたくない。そんなに守りたいものなら最初から嘘をつかなければならないような行いをしなきゃいい。まぁそれが出来ないから難しいんだろうけど。 結婚していないから読める本です。 2010年12月04日
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初読のときは救いがない2組だな、と思ったけど、 もういちど読んでみれば、幸せな2人の話だった。 2人は守りたいものに嘘をつくのだ。 話が噛み合わなくても、長らく体の交わりがなくとも、 そういったものはすべて春夫としほに外注し、 2人は2人の良いところだけを、大事にしていくのだ。...
初読のときは救いがない2組だな、と思ったけど、 もういちど読んでみれば、幸せな2人の話だった。 2人は守りたいものに嘘をつくのだ。 話が噛み合わなくても、長らく体の交わりがなくとも、 そういったものはすべて春夫としほに外注し、 2人は2人の良いところだけを、大事にしていくのだ。 スイートな別の記憶、これは何の後ろめたいことのない、 ただの分業なのだ。 ただし、その手段が目的にすり替わってしまったときには、 それはもうトリカブトしかないだろう。
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「私は絶対にあなたに嘘はつけない。あなたも私に嘘をついてくれないもの」 「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」 「でもあなたを愛しているわ」 春夫とずっと結ばれていていて欲しかったな
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贅沢な悩みを持った夫婦の物語(あくまで独り身の私からすれば、だけど) 守りたいものがある。手放したくないものがある。 だから愛する人に嘘をつく。 帰る場所があるのに、外に居場所を求める。 そういう人がいるから、一人で淋しい想いをする人間が生まれるんだ、私みたいに・・・なんて嫉妬し...
贅沢な悩みを持った夫婦の物語(あくまで独り身の私からすれば、だけど) 守りたいものがある。手放したくないものがある。 だから愛する人に嘘をつく。 帰る場所があるのに、外に居場所を求める。 そういう人がいるから、一人で淋しい想いをする人間が生まれるんだ、私みたいに・・・なんて嫉妬したりなんかして意外と感情移入?((笑)) 私が共感できたのは「しほ」だけ。←それもどうかな(苦笑)
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江國香織「スイートリトルライズ」を読了。今月29冊目。 すごく短い場面のカットが折り重なるように描写され、積み重なっていく構成。大きな起伏もなく、淡々と、低い体温で綴られていく。 夫婦の話で、お互いに不倫をしているという関係なんだけども、なんだろうな、特に嫌悪感もないけど、生...
江國香織「スイートリトルライズ」を読了。今月29冊目。 すごく短い場面のカットが折り重なるように描写され、積み重なっていく構成。大きな起伏もなく、淡々と、低い体温で綴られていく。 夫婦の話で、お互いに不倫をしているという関係なんだけども、なんだろうな、特に嫌悪感もないけど、生々しいような、熱っぽいような、甘ったるいような、嘘。実に不思議な感覚。 聡の妹の文が実に絶妙なアクセントとして機能していて、巧いなぁと思う。文の視点によって、物語の異質性が際立つというか。物語にとってのスパイスというか、隠し味というか。少し感心。 さて、気に入ったフレーズ。 ”「昼間は外にでて、仕事をしたり、いろんなことを考えて、浮気したりしていても、夜になるとそれぞれのうちに帰るでしょ。それって妙だなあと思うの。」”
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夫婦の生活を淡々と描いている。ただお互いその生活に物足りなさを感じていて、別の異性に惹かれてしまう。 盛り上がりに欠けておもしろくないなぁと思うけど、意外にもすらすら読めてしまった。不思議な本。 結局この物語はどうなっていくんだろう。
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他の人とセックスするのは、セックスしないでいるのと同じように簡単。他の人と恋におちてしまうのは、恋におちないでいるのと同じように偶然。 江國さんは、不倫の心理描写が上手い。
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W不倫の話。 と書くと、どろどろじめじめしていそうだが、主人公夫婦はなんだかあっけらかんとしている。 実際の不倫は意外とこんなふうに軽く始まるのかも。 不倫しているわけじゃないけど、瑠璃子の気持ちはわかるような気がして一気読み。 決着をつけなかったラストが憎い。 この後二人は別...
W不倫の話。 と書くと、どろどろじめじめしていそうだが、主人公夫婦はなんだかあっけらかんとしている。 実際の不倫は意外とこんなふうに軽く始まるのかも。 不倫しているわけじゃないけど、瑠璃子の気持ちはわかるような気がして一気読み。 決着をつけなかったラストが憎い。 この後二人は別れるのか、元サヤに戻るのか? トリカブト殺人事件だけは起きませんように(祈)。 春夫ほどチャラくない男性と恋がしたい。
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浮気とか不倫とかそういう言葉が、全く似合わない浮気とか不倫とかの話。江國さんの書くどろどろとした話はその一般的によろしくない関係性に憧れてしまうほどゆったりとしててとにかく瑞々しい。とりあえずスイート、という言葉を日常的に使いたいと思う今日この頃。
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