エバーグリーン の商品レビュー
中学卒業の日に10年後の再会を約束したシンとアヤコが、大人になって実際に会うまでのお話。 きらきらした想い出はひたすらに眩しく、その後辿った道は切なく。 それでも約束に対して誠実であろうとした二人だからこそ、最後には現実を受け入れて良い区切りをつけられたのだと思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中学生の少年少女の淡い恋とその10年後の物語。最初の中学生の頃の話は、あまり目立たない少年少女の淡い恋が、それぞれの視点からうまく描かれていて良かったです。”神田川デイズ"もそうでしたが、この方、こういう地味なキャラの恋愛を描くの、うまいですね。ただ段々後半にいくにつれ冗長となり飽きてきました...
Posted by
豊島さんの小説は前にも読んだことがあったけど、あんまり好きじゃなくて、 この本も表紙に惹かれて読んでみたけど、やっぱりあんまり好きじゃない。 ただ青春をキラキラさせて書いてるだけみたいに見える…。 少女漫画みたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初めての豊島ミホさんの作品「エバーグリーン」は、あらすじだけで、胸がきゅんとするような期待感と想像が膨らみまくり、読んでみましたが、うーん…という感じでした。 登場人物が一人称で、それぞれの視点から代わる代わる一つの出来事を語っていく書き方が、片方の視点からだけ描かれている場合とちがい、読んでいるこちらの想像の余地を絶たれてしまう感じがして、やっぱりこういうのは私は苦手なんだなと感じました。特に、盛り上がるはずのクライマックスで激しく視点が入れ替わり、気持ちが盛り下がってしまう。そして、シンとアヤコ、二人が「10年後のこの現実もまた良し」とした現在と、これから先生きていこうとしている未来に、どうにも共感が出来なかった。うんうんそうだね、それでいいよ、と思えなかった。きっとこれがありふれた、あり得る現実なんだろうと思うのだけれど、私には逆にリアリティが感じられなかったです。
Posted by
普通の男の子と女の子のお話。 物語の中の風景とか主人公の表情とかが文を読んでいるだけで 鮮明に浮かび上がる。 胸がきゅーってなります。
Posted by
少女マンガのようなほんとに純粋な学生時代の恋愛って感じ。 若い頃の約束の日が近づくにつれて2人に訪れる変化が静かに描写されてた。 劇的な変化があるよりすごく現実的な展開だった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恋なのか、愛なのか、尊敬なのか、憧れなのか… どれともつかない気持ち。 ただ、自分にないものを持ってる人に魅かれる。 全く一緒ってわけじゃないけど、綾子のもってる感覚がすごくよくわかった。 そこはかとない感じ。 豊島ミホのかく女の子は、細かいところがいちいち自分と似てる。 10年越しの約束、 そのあいだの2人のそれぞれの生き方。 約束が叶う直前の数ヶ月。 決して交わらないんだけどゆるやかに交差していく感じ。 読み終わってきゅん、とする本。
Posted by
切ない〜!青春一直線、でも成長の葛藤も描きつつ。漫画「僕らがいた」に少し共通する部分もある気がする。思い出を反芻する主人公が「今まではスノードームの景色を見ていて、その雪を何回もひっくり返してみていたようなもの。その上にもっと広い空があることに気づかなかった」というシーンが響いた...
切ない〜!青春一直線、でも成長の葛藤も描きつつ。漫画「僕らがいた」に少し共通する部分もある気がする。思い出を反芻する主人公が「今まではスノードームの景色を見ていて、その雪を何回もひっくり返してみていたようなもの。その上にもっと広い空があることに気づかなかった」というシーンが響いた。主人公の心の様子がすっごい伝わった。こんな表現に出会えて嬉しいと思った一冊。10年後の約束のとき。彼氏彼女というより、憧れの存在としてずっと追いかけていきたかった、中学時代のシン君。またこれ漢字じゃないところがアイドルというかちょっと違う存在としての意識が出ていて、いいなぁ。風景の描写もきれいで、筆者プロフィールを見たら東北のご出身だったので納得。主人公が伊地知君と出会うのはちょっとタイミングよすぎな気もしたが、10年のご褒美なのかなぁ。漫画家になるという夢が本人のものなのか、という点だけちょっと気になったけど、いろんな20代の葛藤とか人間模様とか足取りとかがいっぱい感じれる本。
Posted by
青春小説。田舎の中学生の男女が10年後の再開を約束して別れる。双方25歳になり、一方は夢をかなえ一方は夢破れる。どこにでもありそうな甘酸っぱい、というより青臭い思いがつまった物語だった。きっと、その十年の間に波乱万丈を経験したほうが話的には盛り上がるのだろうが、主人公二人はかぎり...
青春小説。田舎の中学生の男女が10年後の再開を約束して別れる。双方25歳になり、一方は夢をかなえ一方は夢破れる。どこにでもありそうな甘酸っぱい、というより青臭い思いがつまった物語だった。きっと、その十年の間に波乱万丈を経験したほうが話的には盛り上がるのだろうが、主人公二人はかぎりなく純粋で地味である。なので、さほどの過激な展開もなく再会と物語の終焉を迎える。退屈といえば退屈であるが、この年代の10年間に鬱屈したものを抱えて、あきらめて、そして解放されて生きてきたある一定層の人間には響くものがある。途中、男の主人公のほうが、焦燥感からしばらく遠ざかってたギターを取り出してしゃにむに取り組むところなどは心情がとてもよくわかった。
Posted by
初めて読んだ豊島ミホの作品がこれ 実際かなりよかった! 淡い恋の感情とか、過去が美化されてくのとか 文章で表現しにくいはずなのにすごく伝わってきて いい過去っていうのはスノードームと一緒っていうのに ものすごく納得した
Posted by