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駆込寺と村社会 の商品レビュー

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2017/01/20
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2006年刊。◆網野善彦がフィーチャーしたアジールとしての寺。元来、寺院の持つアジールとしての意義は、戦国時代までしか存せずとされてきたが、実は近世にも妥当していた。縁切寺がその簡明な証左だが、本書は豊富な文献資料から近世のアジールとしての寺の実態と変容を解説する。◆そもそも入寺には条件があり。例えば、重罪でないことのほか、地獄の沙汰も金次第を地で行く実態があったのだ。◇また、社会的機能という側面で言えば、入寺によって娑婆での刑罰の赦免・減刑が認められ、より実情に即した科刑を実現させていた。 ◇加えて「火元入寺」の強制から、日本における失火責任刑罰化・重責任化の淵源が語られる。このように寺院に対し、社会秩序維持と教育機能、その他、民事紛争解決など、簡易な紛争解決機能を持たせたわけだ。◇ただ、そうなると、寺は公的な役割を果たすこととなり、時の公的権力と対抗関係があることは否定できない(極北が戦国期の一向一揆)。それゆえ近世期でも徐々に寺に規制を課し、その結果、寺は次第にアジールとしての役割を小さくしていくのだ。◆本書は、詳細な文献検討というミクロの分析手法を採っている。 そして、寺院を定点に、中世史からの流れも踏まえつつ、近世史の大きな変遷の趨勢まで見通せる書なのだ。

Posted byブクログ