風の影(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
手紙で謎が説明されるところから、なにか小説の色が変わってしまった感じ。それまで主人公が動いて躍動していたのに、手紙の部分からは他者の語りで展開され、違う小説になってしまったような。しかも結局ヌリアが全部知ってたというのもちょっと拍子抜け。 でも全体的にはおもしろかったです。登場人物がみんな魅力的でした。
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最後までドキドキハラハラで面白かったです。ミステリーとロマンス部分も良かったですが、ダニエルとフェルミン、フリアンとミケルの友情、ダニエルの父、フリアンの父の愛情の方により魅了されました。「天使のゲーム」という本の墓場つながりの続編も読みたいです。
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ダニエルがたどり着く真相は?それがいよいよ、明らかになる下巻。 上巻と比べ、訳書にありがちな登場人物の多さがやや目立った。 そのため、肝心な箇所で完全に理解しきることが出来なかった。 結果として、やや冗長としてしまった感もある。 しかし、作者の描写力は素晴らしいものがあり、 ...
ダニエルがたどり着く真相は?それがいよいよ、明らかになる下巻。 上巻と比べ、訳書にありがちな登場人物の多さがやや目立った。 そのため、肝心な箇所で完全に理解しきることが出来なかった。 結果として、やや冗長としてしまった感もある。 しかし、作者の描写力は素晴らしいものがあり、 イメージをビジュアル化しやすく、 読んでいて物語の世界にすんなりと入ることの出来る小説だった。 有名な小説でもあるので、未読の方には読んでもらいたい。
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いやー。よかったです。 ミステリー超大作。世界各国で人気なサフォン作品。 あまり期待しすぎずに読み始めたけど、下巻入ってからもうノンストップ。 仕事中とか次の展開が気になってソワソワしてしまいました。 登場人物が多すぎて覚えるのが大変でしたが(特にカタカナだったし)、 どれもこ...
いやー。よかったです。 ミステリー超大作。世界各国で人気なサフォン作品。 あまり期待しすぎずに読み始めたけど、下巻入ってからもうノンストップ。 仕事中とか次の展開が気になってソワソワしてしまいました。 登場人物が多すぎて覚えるのが大変でしたが(特にカタカナだったし)、 どれもこの作品を作る上で欠かせない要素であったことは間違いない。 上下巻長いよーと思ってたけど、些細なことが最後までキーとなっていたりして。 本当に最後までドキドキしていました。 日本でいうと、宮部みゆきの『英雄の書』に似てる感じがするかな。 ひとりの少年の成長物語。その中での別れと出会い。 サフォン作品、これからまた読みたい!
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内戦の影が徐々に迫りくる、バルセロナの描写に息苦しさを覚えた。 過去に生きていた人々と、現在を生きる人々の思惑が交わり、悲劇的な結末に向かっていくスピードは、エロスとタナトスに彩られ、カタルシスを感じずにはいられない。 一冊の本に巡り会ったことから、少年の人生は大きく変わって...
内戦の影が徐々に迫りくる、バルセロナの描写に息苦しさを覚えた。 過去に生きていた人々と、現在を生きる人々の思惑が交わり、悲劇的な結末に向かっていくスピードは、エロスとタナトスに彩られ、カタルシスを感じずにはいられない。 一冊の本に巡り会ったことから、少年の人生は大きく変わっていったけれど、本にはそんな力があることを、思い出させてくれる物語だった。 難点は翻訳か?誰が話している台詞かわからなくなるところが多々あった。誰もが同じ口調なので、登場人物それぞれの性格を反映させてくれるとありがたいなあ。 本作品は、たった一冊で、ミステリ・恋愛・ホラー・サスペンス・冒険といろいろ味わえる。とてもコストパフォーマンスの高い小説だ。
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バルセロナの街で繰り広げる。最近バルセロナに行ってみたいと思っていた。強い光とくっきりとした色合いのイメージの都市だったけど、この本の中には、古く埃っぽい世界だった。歴史を感じるところは楽しそうだけど、意外だったな。ストーリーは2層になっていて同時に二つの話しが進んでいるようで、...
バルセロナの街で繰り広げる。最近バルセロナに行ってみたいと思っていた。強い光とくっきりとした色合いのイメージの都市だったけど、この本の中には、古く埃っぽい世界だった。歴史を感じるところは楽しそうだけど、意外だったな。ストーリーは2層になっていて同時に二つの話しが進んでいるようで、だんだん重なっていく感じが楽しかったな。主人公が悩んでいるんだけど、凄く素直でまったくクサることなく進んでいくのが好印象。面倒くさいことは寝たらなくなるかもっていうのが、自分と重なって…笑; ダニエルもフェルミンは仲が良いのに敬語を使ったり、お互いを思いあって踏み込めない所がなんだか日本人的。
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「忘れられた本の墓場」で見つけた世界に一冊しか残っていない本にまつわる謎という紹介文にひかれて読み始めたのだが…。 主人公が十歳の少年というので、児童文学かと思って読みはじめると、開幕早々にキスシーンが現れ、その後も性的な仄めかしやら、くすぐりが結構出てくる。今頃の子どもはこれく...
「忘れられた本の墓場」で見つけた世界に一冊しか残っていない本にまつわる謎という紹介文にひかれて読み始めたのだが…。 主人公が十歳の少年というので、児童文学かと思って読みはじめると、開幕早々にキスシーンが現れ、その後も性的な仄めかしやら、くすぐりが結構出てくる。今頃の子どもはこれくらいでは驚かないだろうとは思いつつも、違和感が残る。 そこで、ああこれは大人向きのミステリなんだ、と納得したのだったが…。 それにしては、出てくる人物が、あまりにも類型化されていて、悪役は徹底的に悪く描かれ、主人公を助けるワトソン役はどこまでも善人として描かれているのに少し鼻じらむ思いが残った。 呪われた館やら塗り込められた部屋の中に隠された棺やらという、ポオやゴシック・ロマンを思わせる設定には事欠かないのだが、1945年という時代設定にやや無理があるのか、スペイン内戦というあまりにもリアルな背景が邪魔して、雰囲気の中に入り込めない。 ここは、もっと整理して、社会派でいくか幻想小説派でいくかしぼってもらった方が読者としては有り難かった。 『風の影』という本を書いた作家フリアン・カラックスと主人公のダニエルが二重写しになって奇妙に交錯する運命を辿るという設定は面白いのだが、歌舞伎の花川戸助六、実は曽我の吾郎というのと同じで、あまりにも御都合主義的な人物相互の関係がスペイン内戦という深刻な背景と齟齬をきたしている。 世界中でベストセラーになっているというのだから、それなりに面白いにはちがいないのだろうが、オペラ座の怪人風の登場人物といい、サービス過剰で、せっかくの素材を充分に活かしきれなかったのではないか。 バルセロナの地下にある「忘れられた本の墓場」という迷宮めいたイメージだけはすてがたいものがあるだけに惜しい気がする。『ダヴィンチ・コード』ファンにはお勧めかも知れない。
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ダニエルが手に入れた1冊の本。作者のフリアン・カラックスを調べる内に何故か刑事部長や謎の人物から狙われる。 決して冒険活劇ではないし魅力的な謎が示される訳ではないが、面白かった。下巻は展開がスピーディになり一気に物語が進みテンポ良く読むことが出来た。舞台がバルセロナで行った事もあ...
ダニエルが手に入れた1冊の本。作者のフリアン・カラックスを調べる内に何故か刑事部長や謎の人物から狙われる。 決して冒険活劇ではないし魅力的な謎が示される訳ではないが、面白かった。下巻は展開がスピーディになり一気に物語が進みテンポ良く読むことが出来た。舞台がバルセロナで行った事もあるので情景が思い浮かんだが、凄惨な歴史は詳しくなかったのでもう少し調べてみたい。
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最初はなかなか進まなかったが、下巻の後半に入ってからはすこぶる面白い展開。すべてこのダイナミックな 動きの伏線だったのだ。「劇中劇」のような構成のため、登場人物がオーバーラップしているように思ったが、 筆者がそういう意図で書いているのだ。この本を薦められたときにバルセロナの街に...
最初はなかなか進まなかったが、下巻の後半に入ってからはすこぶる面白い展開。すべてこのダイナミックな 動きの伏線だったのだ。「劇中劇」のような構成のため、登場人物がオーバーラップしているように思ったが、 筆者がそういう意図で書いているのだ。この本を薦められたときにバルセロナの街に行きたくなるのではと言われた が、本当にそう思った。でもガウディで有名なサグラダファミリア教会やら公園などは登場しなかった。学生時代に スペインに旅行したのにマドリッド、トレド、セビリアなどに行ったのに行かなかったことを後悔している。
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過去と現在の繋がりが、ヌリアの手記により徐々に明らかになる。 フリアンとダニエル。 似た人生を歩んでいる2人が、最後に幸せになれるかどうか? 不思議な展開だけど読み応えのある下巻です。
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