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風の影(下) の商品レビュー

4.2

96件のお客様レビュー

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2009/10/04

下巻は上巻と違い、一気に話がすすむものの、時間の移りは少ない。 その分、上巻の内容が頭に入ってないと、読み辛い・・・

Posted byブクログ

2009/10/07

翻訳がうまいのか原作がとてもしっかりしているのか、抵抗なく読めます。 ラスト近くはとても切なく、泣きそうになりますが、ホントの最後はふんわり暖かい気分にしてくれて、何度も読みたい本の一つになりました

Posted byブクログ

2009/10/04

最後まで飽きさせずに、ぐいぐいと読むことができました。主人公ダニエルとフリアン・カラックスの人生が交錯する・・・。これはダニエルの少年から青年へと成長する軌跡と共に、フリアン・カラックスの作家としての再生をも描いていて、本当に趣深い小説でした。この作家さんは「失われた本の墓場」の...

最後まで飽きさせずに、ぐいぐいと読むことができました。主人公ダニエルとフリアン・カラックスの人生が交錯する・・・。これはダニエルの少年から青年へと成長する軌跡と共に、フリアン・カラックスの作家としての再生をも描いていて、本当に趣深い小説でした。この作家さんは「失われた本の墓場」の登場する四部作を書いているそうなので、それも日本発売されるのが楽しみ。

Posted byブクログ

2009/10/07

本は鏡。自分以上の物は見出せない。 でも自分も気づかずにいる自分を引っ張り出すことは出来るかもしれない。 一気に読了(061220)

Posted byブクログ

2009/10/04

作家の境遇と主人公の境遇がダブって、物覚えが悪い私としては混乱してしまうこともしばしば。下巻になって、ある重要人物の手記によって大半のことが明らかになりますが、そんなことならもっと早くから手記を読ませろという感じがしないでもないです。でもそれで話が見えてきて俄然おもしろくなったの...

作家の境遇と主人公の境遇がダブって、物覚えが悪い私としては混乱してしまうこともしばしば。下巻になって、ある重要人物の手記によって大半のことが明らかになりますが、そんなことならもっと早くから手記を読ませろという感じがしないでもないです。でもそれで話が見えてきて俄然おもしろくなったのでよしとします。主人公ダニエルの影が作家フリアンなのか、フリアンの影がダニエルなのか。いずれにせよダニエルがそれほど惹かれたフリアンの小説を読んでみたいものです。

Posted byブクログ

2009/10/04

そして1954年。19歳になったダニエルは、親友トマスの妹ベアトリスと恋に落ちる。許婚のいるベアトリスとの道ならぬ恋が燃え上がる一方、フリアン・カラックスの謎に満ちた生涯も、少しづつベールが剥ぎ取られていく。意外な人物から語られる、フリアン・カラックスの劇的な生涯。そして、カラッ...

そして1954年。19歳になったダニエルは、親友トマスの妹ベアトリスと恋に落ちる。許婚のいるベアトリスとの道ならぬ恋が燃え上がる一方、フリアン・カラックスの謎に満ちた生涯も、少しづつベールが剥ぎ取られていく。意外な人物から語られる、フリアン・カラックスの劇的な生涯。そして、カラックスの人生に深く関わっているもう一人の人物、刑事部長フメロは、カラックスの死亡に疑いを抱いており、カラックスの人生を探るダニエルに付きまとう。 ダニエルの心強い見方フェルミンもまた、その過去においてフメロと浅からぬ因縁があった。ダニエル父子のささやかな古書店が治安警察の暴威に晒される。 カラックスの生涯が明らかになるにつれ、ダニエルはそれと知らぬうちに、自身の人生がフリアン・カラックスの人生をなぞっていることに気が付く。フリアン・カラックスとは何者なのか?カラックスの存在を抹消しようとする男は何者なのか?フメロとカラックスにはどんな繋がりがあったのか?そして、ダニエルの運命は!? ストーリーそのものは通俗的であるし、カラックスの秘密が明かされる手法も、あまり褒められたやり方ではない。だが、カラックスとダニエルの人生がシンクロしていく運命の妙を味わわせる構成力は見事なものがある。時代も境遇も全く異なるダニエルとカラックスが、二重螺旋のように一つの結末に向かっていく。その運命を手繰るのが、悪玉のフメロである事がなんとも上手いのだな。 読み進めていけば、オチは大体読めてしまうのだが、それでもなお、ラストのカタルシスは堪えられない。卓抜した構成力に加え、カラクター造詣をじつに丁寧に緻密に行っているからだ。特に、悪玉フメロの憎憎しさのディテールと運命論的な壁の役割に対し、実に生き生きと軽妙に、生の謳歌を歌い続ける道化のフェルミンの存在が素晴らしい。ダニエルより遥かに年上でありながら、親愛と忠誠を尽くす友人にして従者という立ち居地は、実にクラシックである。だが、その行動原理のプリミティブさ、つまり人間が本能的に持つ善性がるからこそ、陰惨な運命論的物語を大団円に軌道修正するある種の力技を、素直に感動に結びつけるのである。

Posted byブクログ