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風の影(下) の商品レビュー

4.2

96件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

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2017/06/14

全ての謎、伏線をすっきり以上に回収。 本当にすっきり綺麗な終わり方で大満足。 スペインの歴史を知らないので今イチ雰囲気が掴めなかった、このぐらいの時代を舞台にした映画かなにかの映像作品を見て雰囲気掴んでまた読み返したい。 とにかく大好物の「謎の作家を追う」というストーリーだけで満...

全ての謎、伏線をすっきり以上に回収。 本当にすっきり綺麗な終わり方で大満足。 スペインの歴史を知らないので今イチ雰囲気が掴めなかった、このぐらいの時代を舞台にした映画かなにかの映像作品を見て雰囲気掴んでまた読み返したい。 とにかく大好物の「謎の作家を追う」というストーリーだけで満足。 早くストーリーの先が知りたいと思いつつ噛みしめるように読みたいと気持ちが揺れたのは久しぶり。泣いたね。 出来るならこの作者の他のを読んでみたい。 大大大満足でした。

Posted byブクログ

2016/09/14

ダニエルとフリアンの人生が重なるにつれ、そしてフリアンの悲しい人生が明らかにされるにつれ、これがどう収束していくのか不安になっていった。でも読み終わって、こんなふうに他人の人生に救われることもあるだろうと思うと、幸せな気持ちがこみ上げてくる。最後に『光がバルセロナにもどってきた』...

ダニエルとフリアンの人生が重なるにつれ、そしてフリアンの悲しい人生が明らかにされるにつれ、これがどう収束していくのか不安になっていった。でも読み終わって、こんなふうに他人の人生に救われることもあるだろうと思うと、幸せな気持ちがこみ上げてくる。最後に『光がバルセロナにもどってきた』という一文があって、たしかに本を読んでいるあいだ私たちも闇の中をさまよっていて、それは暗い歴史の残像でもあったけれど、ようやく光が見えたんだな、と納得した。闇を歩いているあいだ、ずいぶんフェルミンに助けられた気がする。

Posted byブクログ

2019/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 下巻を半分ほど読み進んだ辺りから、ヌリア・モンフォルトが遺した手記によってそれまでの断片的な物語が繋ぎあわされ、フリアンの過去に関する悲劇的な事実がいちどに明らかになっていきます。  フリアン自身の人生はもはややり直しがききません。しかし、ダニエルの人生を正しい方向に導き、自らとペネロぺが叶えられなかった夢をダニエルとベアトリスに叶えさせることによって、自らも救われるとフリアンは考えます。  フリアンをつけ狙う忌まわしいフメロの影。そのふたりの関係にダニエルも巻き込まれていきます。最後に物語は大きく展開し劇的な結末を迎えます。そして、ダニエルは……  最後の短い三つの章が、物語を爽やかに、そして感傷的に締めくくっています。作品のいちばん最後のページまで、物語に見事な仕掛けが施されています。

Posted byブクログ

2016/08/04

言葉遊びグレゲリア 貧血症気味 ホルマリン漬けにした胎児 巫術ふじゅつ 硫黄の臭気 敬虔な ハシンタフリメロ カテドラル大聖堂 ペネロペ・アルダヤ フリアン・カラックス 短い逢瀬おうせ サンクトペテルブルク 野牛バイソン 愛の逃避行 ミケル パリ行きの列車 パトロン イヴォンヌ ...

言葉遊びグレゲリア 貧血症気味 ホルマリン漬けにした胎児 巫術ふじゅつ 硫黄の臭気 敬虔な ハシンタフリメロ カテドラル大聖堂 ペネロペ・アルダヤ フリアン・カラックス 短い逢瀬おうせ サンクトペテルブルク 野牛バイソン 愛の逃避行 ミケル パリ行きの列車 パトロン イヴォンヌ セーラー服 フェルミンのジョーク メフィストフェレス悪魔的な自分の姿に悦に入っているようだ クララがドビュッシーの曲を辱しめている 教師としての職権濫用 アフォリズム金言 ヌリア・モンフォルト ミケル・モリネール 模範的夫婦 自己破壊に向かう死喘鳴 死装束 フォルトニー帽子職人 三十六歳。自分が生きられると思ってた以上に、長かった人生でした。 自分が夢見た人生、生きる支えにしていた唯一のものが、ほんとうは、いちども存在しなかったことを知ったとき、彼がどう感じただろうかと考えたのです。わたしたちの多くは、人生がゆっくり崩壊していくのを自分で目にしていながら、幸か不幸か、それには殆ど気付かずにいます。ところがフリアンの場合、人生が崩壊したと確信するのに、わずか数秒で事足りたのです。 怨恨の匂い 辛辣な噂 僕の心臓は七十四秒間停止した 赤血球をたくさん増やし タナトス死の化身 エロス愛の神 モンペウス夢の神 もや靄の天使 バルセロナオリンピック ロサンゼルスハリウッド 新興ブルジョア 擁護 四匹の猫クアトロ・ガッツ

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2016/05/05

上巻は少々展開も遅く、中々登場人物も繋がらず読み進めるのに苦労したが、下巻は一気読みでした。 物語自体は甘すぎるか気もするが、読後感が悪く無いのでまぁいいでしょう。四部作ということなので全部読んでみたい。が、長すぎるかな(^ ^)

Posted byブクログ

2016/06/17

運命を変える特別な本。 そうとは知らず少年ダニエルは手にした1冊から、純粋な好奇心で作者フリアン・カラックスの人生を辿り始める。初恋、友情、父への反抗…サイドに綴られる青くほろ苦いダニエルの物語も、フリアンの本を市場から消そうとしている不気味な男の出現により徐々に謎めく闇に覆われ...

運命を変える特別な本。 そうとは知らず少年ダニエルは手にした1冊から、純粋な好奇心で作者フリアン・カラックスの人生を辿り始める。初恋、友情、父への反抗…サイドに綴られる青くほろ苦いダニエルの物語も、フリアンの本を市場から消そうとしている不気味な男の出現により徐々に謎めく闇に覆われる。殺されていた作家、閉ざされた屋敷、忍び寄る影…フリアンの過去とダニエルの現在が交差する先に待つ結末とは。 「忘れられた本の墓場」シリーズ第1作目。小説の舞台はスペイン内戦と共和国政府崩壊後にゆれるバルセロナ。当時の人々の混迷と対立による残酷な粛清…歴史に無知な私にも文面からその底知れぬ暗澹さが伝わってきてぞっとする。それでいてユーモア溢れる登場人物達が生き生きと描かれていて!暗く物悲しくも陽気なバルセロナの空気が何とも言えず魅力的。ちりばめられた比喩表現も絶妙。読み進めるごとに少年から青年へ危ういながら成長していくダニエルとシンクロし、彼と共に一喜一憂しながらフリアンをめぐる冒険に一気に読んでしまった。おもしろい!! 電子書籍が普及する昨今、それでも図書館や本屋がなくならない理由。並ぶ紙の本にだけある魅力とは何か。ダニエルに語る父の言葉の中にその答えを見つけ思わず心打たれた。

Posted byブクログ

2016/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後半になると、本筋の流れと違うエピソードが多く入ってきて、本筋が気になりながら読むので、もどかしく感じるところが多く出てくる。読んでいるうちに、そのストーリーに引き込まれて行くけど、サクサク進む展開を望んでいる人にとっては、いくつものエピソードを超えなくてはならないので、読み飛ばしたくなるかも。 少年は素直で、大人は疑り深い。人は疑うことを身につけて行くことで、成長していくのだろう。人の話を鵜呑みにしないフェルミンやバルセロが頼もしい。 フメロと言う刑事が、かなりのひねくれた性格で嫉妬深く執着心が強く、精神的にも破たんしていて、まあ悪者って言う設定の登場人物だが、このフメロの子供時代の母親とのエピソードは、なんとなく心痛いものがあった。 貧乏で貴族とは程遠く、でもいつか社交界に華々しくデビューしたがる母親、かといってセンスも才能のかけらもなく、時代遅れの服を子供に着せて、誇らしげに子供をパーティに連れて行くが、追い返される。母親は門番に怒りをぶつけるだけで済むが、この惨めさは全て子供のフメロへと向かい、おまけに失恋。とても物悲しく伝わってくる。大人のフメロにはまったく同情する余地なしだけど。 最後はもう少し、ダニエルとフェルミんが冒険していく形で展開して欲しかったなあ、と思った。

Posted byブクログ

2015/04/02

読了後、しばらく心地良い余韻に浸る。 哀しくも優しい、残酷でありながも幸福感に満ちた極上の物語。国境を越えて世界中で読み継がれていることも納得だ。一冊の本との出会いを大切に思う人々が、主人公である少年の思いに深く共鳴しつつその成長を見守り、読み終えてのち、己自身の人生を振り返るき...

読了後、しばらく心地良い余韻に浸る。 哀しくも優しい、残酷でありながも幸福感に満ちた極上の物語。国境を越えて世界中で読み継がれていることも納得だ。一冊の本との出会いを大切に思う人々が、主人公である少年の思いに深く共鳴しつつその成長を見守り、読み終えてのち、己自身の人生を振り返るきっかけを与えてくれるからだろう。 中心となって描かれるのは、動乱の時代に時を経てシンクロする二人の男をめぐる数奇な恋愛だが、彼らを支える父親や友人たちの無償の愛情表現が素晴らしく、様々な障害を乗り越えてラストで一気に結晶するさまは、美しいと言うほかない。 極めて映像的な作品で、翻訳の文体も見事だ。

Posted byブクログ

2013/11/13

伏線の回収が素晴らしい。 ああ、これがここにつながってたんだ!って驚く。 無駄な描写なんて少しもなかった。 そしてラストにむかってどんどんスピードを速めて収束していく。 一気に読んじゃった。 とてもおもしろかった。 バルセロナに行きたくなってしまう。

Posted byブクログ

2013/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻は割とゆったりめの展開でしたら,下巻はページをめくる手が止まりませんでした。 フェルミンの存在が魅力的です。フェルミンが過去を打ち明けるところは落涙しそうになりました。 おどろおどろしい場面とグロテスクな場面が結構出てくるので,映像化されても鑑賞は遠慮したいところですが…。 ラストはハッピーエンドでよかったです。 特に,フリアンが再び書く意欲を取り戻した姿にとても感動しました。 この点に星4つです。

Posted byブクログ