ぜつぼう の商品レビュー
とりあえずハッピーエンドなのか、救われる気分にほっとした。サブマリン・・・シュールすぎる登場人物に、神経衰弱ぎりぎりの精神状態の主人公たち。それでいて舞台を見ているようなスピード感でかなり面白い。
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表紙の装丁は祖父江慎さん+黒田硫黄さん 過去に読んだ作品と比べると、踏んだり蹴ったりな主人公にほのかな希望すら垣間見えた温かい終わり方。 (…こういうラストはめずらしいよね) 主人公は絶望を感じる事によって、自我を保っていたのだね。
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すべてに絶望しなければやっていけない、そんな感じでしょうか。明るくもなくかといって真っ暗闇でもなく、灰色の話、そんな印象を受けました。最後のシーンはよかったです。
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絶望してるんだか絶望した気になってるだけなんだか分からない、不眠症の男の話。 ピンと来なかった。もっと振りきれた話が読みたい。
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本谷有希子の書いたもので、はじめて読んだ本。 いやーぶっ飛んだ。 おもしろかったので、これを機に次々と読みあさりました。
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俺が、俺が見ている世界はもっと絶望で隙間なくふさがれていて。窒息しそうなくらい絶望で覆われていて。絶望、とにかく絶望しかなくて。あんたみたいに適当に生きている人間には到底分からないだろうが、俺の苦しみは半端じゃないんだ。 (P.97)
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あまりにもヤバそうな表紙にジャケ買いをしました。 最高に絶望的。 救いがあるような、ないような。 徹底していて素晴らしい。
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この人の作品には 「絶望」と「復讐」がよく出てきます。 「俺は絶望してるがゆえに俺なのだ。」 最後はほのかな希望と出会えます。 ただ本当に、絶望した人が主人公なので ちょっと息苦しい小説です。
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松尾スズキの影響をもろに受けているだけあって、文体ももろに松尾スズキ。だけど、その文体は私にとっては非常に読みやすいし、なんか慣れ親しんだ文体なので、好きです。 作者の作品にとって、純粋に作者のエッセンスを見ると、作者が精神的弱者や対しての「憐み」が見えて、それに対してサディス...
松尾スズキの影響をもろに受けているだけあって、文体ももろに松尾スズキ。だけど、その文体は私にとっては非常に読みやすいし、なんか慣れ親しんだ文体なので、好きです。 作者の作品にとって、純粋に作者のエッセンスを見ると、作者が精神的弱者や対しての「憐み」が見えて、それに対してサディステックなまでに追い込むことにより、主人公が暴発するケースが見られる。それが作者が考える精神的弱者への救いなのかもしれない。 それが今回、「絶望」していることから「絶望」をふっ切ることになっていた。 ただ、全体を通して何も本当は成長なんかしてなくて、主人公が絶望の臨界点突破するさまだけの物語にしかならないのが個人的に残念だった。
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『生きてるだけで、愛』とかのハチキレっぷりがなかったけど ゆるく考えさせられた一冊。 人それぞれの絶望があり、それぞれの絶望感なわけで、 決して他人に共感してもらうことができない。 絶望だ、と言ってどれほどの人がその感情を汲み取ることが できるだろう。 つまり、結局は「絶望」では...
『生きてるだけで、愛』とかのハチキレっぷりがなかったけど ゆるく考えさせられた一冊。 人それぞれの絶望があり、それぞれの絶望感なわけで、 決して他人に共感してもらうことができない。 絶望だ、と言ってどれほどの人がその感情を汲み取ることが できるだろう。 つまり、結局は「絶望」ではなく、「ぜつぼう」なのだ。 絶望した人間は、絶望感に苛まれるだけでなく、 この世で生きている限り、誰か人間と交流を交わして生きていく限り、 自分の絶望人生と他の人生の距離に圧倒され、苦しむ。 それはもう大島のおじいさんとケニアの赤ん坊くらいに、 交われないし、共有できない何かがある、そのことに悩む。 本谷ワールド全開ではない分、多くの人が読めそうな『ぜつぼう』。
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