ブレイブ・ストーリー(中) の商品レビュー
北の帝国や種族差別、カルト宗教、そして「ハルネラ」。本書が示す「ファンタジー」は単なる冒険活劇ではなく、我々現実社会の暗喩である。確かに仲間とともにミッションをクリアしていく様はRPGゲームさながらだ。しかし、所々強烈な現実を織り交ぜてくる。例えば毒の沼での出来事は人間の抱える闇...
北の帝国や種族差別、カルト宗教、そして「ハルネラ」。本書が示す「ファンタジー」は単なる冒険活劇ではなく、我々現実社会の暗喩である。確かに仲間とともにミッションをクリアしていく様はRPGゲームさながらだ。しかし、所々強烈な現実を織り交ぜてくる。例えば毒の沼での出来事は人間の抱える闇を描く象徴的出来事だ。 本書の中で特に印象に残ったシーンは母親と一時再開するシーン。弱くなった母親の姿をみた亘が決意する姿に、不覚にもウルッときてしまった。 これが子ども向けとされ、実際に子どもが興味を持って読んでいるということは、、、私は大人としてまだまだということなのかもしれない。 小学校でくだらない文部省公認の教科書をみせるより、本書を読ませたほうが数万倍有益だ。
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これから幻界のあちらこちらに赴くことになるのですが、とにかく世界観がリアルです。国や町ごとに産業があり、宗教、種族、政治の問題などもあります。機械に頼らない交通や物流の手段も文明の発展具合を繁栄していて面白いです。 不当にゆがめられた自分の運命を変えるために幻界を旅することに...
これから幻界のあちらこちらに赴くことになるのですが、とにかく世界観がリアルです。国や町ごとに産業があり、宗教、種族、政治の問題などもあります。機械に頼らない交通や物流の手段も文明の発展具合を繁栄していて面白いです。 不当にゆがめられた自分の運命を変えるために幻界を旅することになった亘ですが、幻界に黒い影を落とすしきたりと、姿無き謎の声、父親への憎しみが亘の決心を揺るがし翻弄させます。亘の葛藤を目頭を熱くさせ読みました。 サーカワの里の長老の言葉がとても印象的。 「あなたが今、そこで煩悶しているすべてのこと(中略)すべてあなたが生み出し、あなたが形を与えた恐怖であるが、あなたには消すことのできない恐怖だ(中略)あなたはありもしないものを恐れ、ありもしないものから逃げようとしている」 そしてその言葉にかぶせたバクサン博士の忠告も心に響きます。
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展開がぽんぽんと進んでいくので、読みやすかったです。 旅を進めていくにつれてワタル自身が強くなっていっているのが感じられて、 応援する気持ちで読んでいました。下巻も楽しみです。
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小学5年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子大きな団地に住み、共に新設校に通う親友のカッちゃんがいる。 街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。 そんなある日帰宅した亘に父は「この家を出て行く」という意外な 言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。 これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から 広大な異世界___幻界へと旅立つ・・・。 という冒険もののファンタジー 私は宮部さんの冒険ファンタジーが大好きなのです 英雄の書も面白かったし今回のもかなり面白かったです 長い冒険をすると、そこで共にした仲間との別れもあるわけで最後は切なく感動ある 旅そのものが自分の成長に繋がっていて現実にとリンクする所があるので これまでの自分、これからの自分について考えさせられる作品です 何気に深かった 映画もあるみたいなので、是非見てみたい
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幻界に突入した中は、ファンタジーの要素たっぷり! その中でやはり人種差別の話が出て来るので現実世界と同じように人ってうまく生きれないなと感じた。 ガサラみたいにみんな仲良くできたらいいのに…
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中巻はいちばんファンタジーらしい面白さに溢れている巻。上巻から登場した水人キ・キーマをはじめ、ネ族のミーナ、棘蘭のカッツやトローンといったハイランダーの仲間、シュテンゲル騎士団のロンメル団長、レッドドラゴンのジョゾなどなど、たくさんの出会いが訪れる。(ロンメル団長がかっこいいです。挿絵とかないけど。) ただ、読者をどっぷりワタルに感情移入させるように書くのではなくて、宮部みゆきという一人のおばさん(失礼)の保護者的な視点をうまく交えることで、「亘」であるワタルのことが読者の頭の中から消えてしまわないようにできている。このさじ加減がうまいと思う。ワタルの冒険は、あまり引いたところから眺めていると冷めてしまうし、かといって近づきすぎてファンタジー世界の冒険にのめり込み過ぎても、読んでてワタルの本来の目的を見失ってしまうからだ。 あえて難癖をつけるとしたら「ハルネラ」「ヒト柱」がちょっと後出しジャンケンじみていること、「この世界はそういうものなんです」っていう強引さを感じてしまったことだろうか。ワタルといい距離を保っていた心がほんのちょっと冷めた。 あとティアズヘヴンで父親そっくりのヤコムが「子どもだというだけで一生親を縛りつける権利があると言い張るのなら……」云々と随分ひどいことを言うシーン、『闇の守り人』をちょっと思い出した。親だからって子どもに何の屈託もなくすべて投げ出せるわけじゃない。それに薄々ワタルは気付いてたんだろうなあ。それがヤコムの口を借りて出ただけで。 その辺のもろもろをもうちょっとまとめて下巻の感想に書く……予定。
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やっと中までいった 宮部さんはゲーム好きなんだろうなぁ それは置いといて 本の世界の中にまたひとつ「幻界」っつー世界を くみ上げるなんて、どういう脳味噌してたら出来るんだろう? 夢を見ている夢を見てるときみたいなイメージなのかな 主人公の、メンタルが成長していく様が気持ち良く...
やっと中までいった 宮部さんはゲーム好きなんだろうなぁ それは置いといて 本の世界の中にまたひとつ「幻界」っつー世界を くみ上げるなんて、どういう脳味噌してたら出来るんだろう? 夢を見ている夢を見てるときみたいなイメージなのかな 主人公の、メンタルが成長していく様が気持ち良くもある
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どんどん読み進める中巻。 幻界の話は決して他人事ではなく、社会を映し出している。大人が読んでも「うんうん」と頷き、考えてしまう。
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ファンタジーってカテゴリーで扱ってるけど、やっぱり宮部さんの作品だな。心理描写が微細で、ぐいぐい入り込んでしまう。これ、できれば中学時代に出会いたかった(笑) ”孤独はそれだけじゃけっして害のあるものじゃないのに、怒りや悲しみとくっつくと、すごく性質の悪いものに変わっちまうんだ。”
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愚かなるものの方が、時には、正しいものよりも遥かに強く、ヒトの心を惹きつけることがある。小さな心、穴のあいた心、空っぽの枯れ木のうろのような心には、愚かなるものの方が入り込みやすいのだ。
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