農!黄金のスモールビジネス の商品レビュー
奥付は2006年初版。しかし、著者の考えは色褪せない。20世紀の価値観は大量生産、大量廃棄と看破し、農業は大規模化ではなく、ミツバチのコロニーのような小規模の専業農家が多数であるべきという考えは新鮮だ。そうなれば地産地消が強力に進むし、食糧自給率向上につながると思う。2024年現...
奥付は2006年初版。しかし、著者の考えは色褪せない。20世紀の価値観は大量生産、大量廃棄と看破し、農業は大規模化ではなく、ミツバチのコロニーのような小規模の専業農家が多数であるべきという考えは新鮮だ。そうなれば地産地消が強力に進むし、食糧自給率向上につながると思う。2024年現在、世の動きは逆行しているが……。著者は市場やスーパーに並ぶ農産物の形・大きさが揃っていることに恐怖を感じると言う。外観偏重、味は二の次なのだ。ブドウ栽培を経済学の視点で語られる部分も面白かった。葡萄園スギヤマは2016年に閉園。
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農!黄金のスモールビジネス すごい経営余裕の黒字! 著者は、外資系の事業部長の経歴を経て宮崎県でブドウ園を経営している方です。前作「農で起業する」に起農する過程とその信条が書かれており、これはその続編。 著者の信条をいくつか拾ってみます。 *農業は3K(快適、かっこいい、金が儲かる) *農業の生産性は今まであまり改善されずに補助金や農家の滅私奉公的な労働で低いままに保たれてきたため、改善を行えば宝の山 *スモールビジネスこそが効率化、高収益化の鍵 *農協は政治の意向を農家に展開するための組織なので、効率化や高収益化にとって百害あって数利しかない *改善の基本は製造業と同じPDCA(Plan Do Check Action)を回すこと *情報のネットワーク化、数値化は改善を進める上での柱 *サービス業の心を忘れない *作物に恋することが何よりの強み 他にもいろいろと面白い主張がありますので、ご興味のある方は是非に。 何より、自分の価値観をしっかりと持ち、その価値観に基づいた目標を持ち、その目標を達成する過程を楽しむ。農業に対してだけのことではなく、どんな仕事をやっても普遍的な成功モデルがベースとなっています。失敗なくして成長はなく、失敗を次の糧にすること。これも言うは易し、行うは難し。 竹蔵
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「農で起業する」「農で起業実践編」に続いて読了。 やはり面白い。参考になる。ためになる。 可能な限りのデータを集めてどんどんシュミレーションしよう。勉強しよう。実験しよう。楽しみとやる気が増してきた。が、相変わらず著者のアクが強すぎて少し食傷。 終盤に展開される著者のフィロソフィ...
「農で起業する」「農で起業実践編」に続いて読了。 やはり面白い。参考になる。ためになる。 可能な限りのデータを集めてどんどんシュミレーションしよう。勉強しよう。実験しよう。楽しみとやる気が増してきた。が、相変わらず著者のアクが強すぎて少し食傷。 終盤に展開される著者のフィロソフィにも大いに共感。自分も農的暮らしを実現して実践していきたいぞー。 本書が書かれてから17年、世界での日本の立ち位置も大きく変わってきた。完全に縮小傾向、定常化し、日本のみが給料も物価も上がらず、円安も相まって貧国化してしまうことが現実的になってきた。いかに生きるか、何を諦め、何を大切にするかがますます重要になる。
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農業のイメージが変わる本。なんとなく親の世代から引き継いだだけではこの発想は生まれない。大手営業統括本部長まで登り詰めた人だからこそ、ナレッジ・ベースで経営する発想が生まれる。夢がある。
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当たり前のことだが、誰でも農業をやれば儲かるということではない。 ひとつの成功例としては面白い内容。 ぶれない考え方が必要。それが難しい。
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脱サラして農業をすでに17年続けている人の体験談。農業は無駄が多いと思っていたが、それ以上の話がここに詰まっていた。工夫し放題のブルーオーシャンというところか。週休4日も夢じゃないというが、ここまで工夫すればその通りであろう。JAの良さ悪さにも少し触れている。最後に、生き残るべき...
脱サラして農業をすでに17年続けている人の体験談。農業は無駄が多いと思っていたが、それ以上の話がここに詰まっていた。工夫し放題のブルーオーシャンというところか。週休4日も夢じゃないというが、ここまで工夫すればその通りであろう。JAの良さ悪さにも少し触れている。最後に、生き残るべきものというテーマでぶどう栽培から得た経験をベースに考察しているところが、特に興味深かった。
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○農業経営者の杉山氏の著作。 ○外資系企業のサラリーマンから農業経営者(百姓)へ転身した際の苦労やその工夫、現代の農業の非効率性や誤りの指摘などを行っているもの。 ○いろいろと気がつかなかった点を明らかにしてくれる。
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良いです。本当に、ニッチの企業家の話しを聞いているみたい。 ・お米の生産労働制は低くない。時間当たり2000円の売り上げがある。だが、経費を引くと、百姓の手元には160円しか残らない。どこかで誰かにピンハネされている。おそらく機械屋だろう。 ・冬眠中十分に濃縮された養分で枝の...
良いです。本当に、ニッチの企業家の話しを聞いているみたい。 ・お米の生産労働制は低くない。時間当たり2000円の売り上げがある。だが、経費を引くと、百姓の手元には160円しか残らない。どこかで誰かにピンハネされている。おそらく機械屋だろう。 ・冬眠中十分に濃縮された養分で枝の一番先端の目が最初に膨らみ、発芽する。発芽して葉が開き始めると、その葉はいち早く光合成してその養分も利用して芽の成長を早める。するとこのタイミングで先に発芽した枝は驚くべきことをする。下から送られた養分の流れを逆にたどって、ほかの芽は目を出さなくていいよ、という信号を送るのだ。 百姓である私はどの芽も平等に伸びてぶどうの実をつけてもらわなければならない。結果の平等が必要なので、独占禁止法を発令する。先端三芽より元の芽先にキズを入れ、「発芽禁止」信号が届かないようにする。その後先行して発芽した2、3芽をすべて切り落とす。我が家の独禁法違反は全員死刑である。 ここでさらに別の微妙な問題が生じる。それまで先端の葉からの水分の蒸散によって勢いよく養水分を引っ張り上げていた先端の新しい枝を切り落とした途端、ミクロ経済対処の結果、マクロ経済が失速する。どうやら多少の不平等はあってもそれが許容範囲なら世の中に活発な養分の流れ、お金の流れは維持しなければならない。そのため先端に多少の不平等を許容した新しい枝を残し全体の養分の流れを確保することになる。
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外資系サラリーマンが脱サラをしてぶどう農園を起農する話。経験と勘に頼っていた作業の常識を疑い、工夫して改善していくところが素晴らしい。 JA、補助金に頼ってきた日本の農業は転換点に立っていると思う。経営効率の観点からは多くの改善余地があり、スモールビジネスとしても将来性があるのだ...
外資系サラリーマンが脱サラをしてぶどう農園を起農する話。経験と勘に頼っていた作業の常識を疑い、工夫して改善していくところが素晴らしい。 JA、補助金に頼ってきた日本の農業は転換点に立っていると思う。経営効率の観点からは多くの改善余地があり、スモールビジネスとしても将来性があるのだろう。しかし起農は、ビジネスというよりもそれも含んだライフスタイルの選択なんだと思う。
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はたして農業で生活していけるのでしょうか? という疑問を抱きつつ買った本です。 結構いいことばかり書いていたような覚えが…。 でも夢の広がる一冊だと思います。 現在、コホクノダイズでも農業の新スタイルに 挑戦しています!農業は楽しいです。 ヤマ
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