新世界(5th) の商品レビュー
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休眠やTRANを重ね知恵を使って出し抜き合いながら生き長らえた登場人物達が、物語の終息とともにあっけなく命を落としていく。救いようの無い結末なのか、残酷な運命を背負わされた一時代の終わりなのかと言われれば、後者だと捉えたいなと思いました。各々の欲望に駆られて複雑に絡み合った種族間のカーストが、上位者達の死によりリセットされる兆しというのが、最後のHARASSの子の誕生に表現されているのかなと。聡明で立派なHARASSの子が、シュイ達の生きた世界とは異なる新世界を築いてくれる事を期待したいな。
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シュイがとことん報われなくて悲しい。 主要な登場人物はみんな死んでしまったっぽいのも…あんなにグロテスクだったミュラーに至ってはナレ死レベル。 長野作品では最も多く大人が出てきたのも珍しかったです。どの大人もそれぞれの冷酷さがありました。 目に包帯した白い服の少年、あれがソレンセ...
シュイがとことん報われなくて悲しい。 主要な登場人物はみんな死んでしまったっぽいのも…あんなにグロテスクだったミュラーに至ってはナレ死レベル。 長野作品では最も多く大人が出てきたのも珍しかったです。どの大人もそれぞれの冷酷さがありました。 目に包帯した白い服の少年、あれがソレンセンの本当の息子だったのかな。 ミンクでイオの産んだ子どもはこのあとどうなるのか…碧と銀杏(の翡翠の方の色だと思う)のオッドアイって凄い。 白い沙の地を舞う焔の蝶の景色の鮮やかさ。イオはこれからずっとここを彷徨うの…? 寂しく、虚無なラストでした。謎は謎のままで。
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1〜5までの感想。 何十年ぶりかで再読。メモしながら読んで、なんとなーく理解した。かも。 以前読んだのは単行本だったので、文庫のあとがきに、植物の性別シフトの擬人化、と書いてあって少し納得…。ちょっと読み方が変わる… 人格も入れ替わり、記憶にも意味がなくて、なんのために生きているのかよくわからない。そんな中で、なぜかソレンセンを敬慕し続けるシュイがつらい。あれはもう、最初に出会ってしまったから…みたいなことなのか?? 「生きていた何の形跡も遺さずに消滅したい」というシュイの希みは、昔読んだときには激しく同意したし甘美なものに思えた。今もできることならそうしたいと思う。 でも、テレビジョン・シティとはまた違ったラストで、これは救いなのか?シュイの希みは叶ったような?どうなんだろう… 今もむかしも好きなのはレト。けなげ… そして今読むと、エヴァがなんだか愛しく思える。
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少年が否応なしに社会システムに搾取される話し。千年王子や、テレビジョン・シティとほぼ同じ話しだが、同じであることで、より、世界観を強固なものにさせられた。
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『テレヴィジョン・シティ』の新装版を読んでいたら、こちらのことを思い出したので再読。 第1巻からの謎にはそれらしい説明がつけられるが、全てが解決しているわけでもなく、曖昧なラストで物語は終わる。最初に読んだ時もそういうところが好きだった。
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母性系種族に侵略された夏星オシキャットの種族たちの話。ラシートたちの悲しい運命。搾取され、身体も記憶も好きなようにされて…悲しい、閉鎖的な物語だった。誰にも知られず、ラシートとhalassは自分たちの生を繋いでいく、ということなのかな…。 記憶も身体も翻弄されるなか、シュイからソ...
母性系種族に侵略された夏星オシキャットの種族たちの話。ラシートたちの悲しい運命。搾取され、身体も記憶も好きなようにされて…悲しい、閉鎖的な物語だった。誰にも知られず、ラシートとhalassは自分たちの生を繋いでいく、ということなのかな…。 記憶も身体も翻弄されるなか、シュイからソレンセン、イオからシュイへの思慕は物語を通して変わらず、それが彼らの唯一残っている人間味を浮き彫りにさせるようでいっそう辛かった。 性別シフトとか、かなり面白い着眼点で、もっと話題になっていいSF作品だと思うんだけどな。 長野作品は物語の視点の使い方がとても上手いと感じる。誰視点で読むかで全く違う世界観が見えてくるし、視点が入れ替わるから読み手も翻弄される。そこから得られる情報を繋ぎ合わせて全体を掴んでいくのが面白い。
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さっぱりわからなくて、過去に一度だけ読んだときのほうがきっと若いという理由で自由に楽しめたのだろうなとおもった。若ければ何でもできるとはおもわないが、何も知らない強みというのはあっただろう。さっぱりわからないと上記したが、わからないというよりはあまりの無常さに切なくなっただけかも...
さっぱりわからなくて、過去に一度だけ読んだときのほうがきっと若いという理由で自由に楽しめたのだろうなとおもった。若ければ何でもできるとはおもわないが、何も知らない強みというのはあっただろう。さっぱりわからないと上記したが、わからないというよりはあまりの無常さに切なくなっただけかもしれない。長野さんが書く物語にはどうしようもない手の届かなさがあると、そしてそれが魅力なのだともわかっているのだけれど。繰り返される「いつから独りなんだろう、」という独白のような問いからは、ますますいらえが遠のいての読了となった。
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◆◇◆outline◆◇◆ 拘束されたジャウの命が失われゆく中、ソレンセンは最後の賭けにでる…。 シュイとイオの躰が融け合い、一つになるとき、 “永い眠り人”は、記憶の彼方からついに目を醒ますのか? 超人気巨篇シリーズ、ついに感動の最終巻。 1996年1巻を読み始めて10年目に読了しました。
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2011.2.26. 読み終わって、まず思ったのが、シュイとイオは死んだの?死んでないの?ということだった。しかし、しばらく考えて、これは記憶の物語なのだと思い直した。ラシートの女が受け継ぐ、記憶。何世代にもわたって、個体が何度代替わりしても受け継ぎ続けている種族の記憶だ。ソレンセンからイオへ、そして多分イオの子供へと、それは受け継がれたのだ。ゼルと、ゼルから発するパルス、そしてHALASSの男とのアンフュージョンを鍵として。 この物語の中で、個人としての記憶は何度も失われる。しかし種族の記憶は失われない。そして維持していくべきなのは、種族の記憶のほうなのだ。1stを読んだ時に、ここにはイオしかいないようだと感じたが、それもそのはずで、これはすべて、イオの、つまりラシートの女の記憶であったのだ。 2011.3.20. 理解を深めるため、一度読み通したすぐ後に、もう一度読み返してみた。 細かい部分では、そういうことかと納得する部分もあったが、登場人物の記憶はあいまいで、それに呼応するように地の文もあいまいで、辻褄など元から合わない物語なのだ、という認識に至ったというのが実際のところだ。
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BLには全く興味はないが、この世界観で言い切られると、何となく納得してしまう。 もう一度読み直そうと思う。
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