空白の叫び(下) の商品レビュー
あれこれ邪推してしまいましたが、まさかの連続でした。 すべての文章がラストへの伏線になっているような感覚。 読んでいて面白かったです。 神原くんみたいに斜め読みしてると危険ですよ。(笑)
Posted by
読み応えがありました。下巻は新たな展開があり、それまで点だったものが繋がって行くのに引き込まれました。少年たちのの内面の書き方が緻密で深いなぁと。こうであればいいなという希望のようなものは、ことごとく潰されていく。どんな理由があれ、人を殺めるという事は、人生をぐにゃりと変えてしま...
読み応えがありました。下巻は新たな展開があり、それまで点だったものが繋がって行くのに引き込まれました。少年たちのの内面の書き方が緻密で深いなぁと。こうであればいいなという希望のようなものは、ことごとく潰されていく。どんな理由があれ、人を殺めるという事は、人生をぐにゃりと変えてしまうわけで、言い訳なんか通用しないと。読後感は重いです。
Posted by
上巻と同様にもやもやとした終わり方でした。 結局誰も救われることなく。いきなり本を買わないで図書館で借りてよかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
瘴気と嫉妬と更正の話。少年院を出てそれぞれの生き方を模索するも、看過してもらえない少年たち。葛城と久藤のコンビが好き。久藤の過去に強い影響を残した浜本未央はその内登場するのではと考えていたのだが、そんなことはなかった。結局、尚彦の叔母が何故か網走の住所に宛てて書いた手紙は宗像関連の話だったということでいいのか。内に育つ瘴気を力と勘違いしてどんどん暗い方へと突き進んでいく神原尚彦はある意味一番可哀想な奴かもしれない。最後の雨宮佳津音の叫びが作品の題名とも重なって痛ましい
Posted by
上巻では三人の少年が犯罪を犯して、少年院に収監され、そこでの生活を描いているのだが、少年の心理描写や少年院でのリアルな風景は、ページをめくる手を早める。 しかし、下巻になると失速・・・。少年院を出た後の少年たちが再び犯罪に手を染めるまでを描いているのだが、必要でないと思われる人物...
上巻では三人の少年が犯罪を犯して、少年院に収監され、そこでの生活を描いているのだが、少年の心理描写や少年院でのリアルな風景は、ページをめくる手を早める。 しかし、下巻になると失速・・・。少年院を出た後の少年たちが再び犯罪に手を染めるまでを描いているのだが、必要でないと思われる人物も出てきたりして、話も冗長。 期待して読んだだけに残念。 まぁ、水準以上の出来栄えだとは思うが・・・。
Posted by
貫井さん、容赦がない。 あらすじ: 中学生の少年、凡庸を厭い苛立ちを抑えられない久藤・大富豪の子息で他者から完璧に見られる葛城・両親がいない慎ましやかな生活をする神原。何も接点が無い三人だが、それぞれが起こした事件によって、接触が生まれる。決して仲間や同士ではない存在。信頼もし...
貫井さん、容赦がない。 あらすじ: 中学生の少年、凡庸を厭い苛立ちを抑えられない久藤・大富豪の子息で他者から完璧に見られる葛城・両親がいない慎ましやかな生活をする神原。何も接点が無い三人だが、それぞれが起こした事件によって、接触が生まれる。決して仲間や同士ではない存在。信頼もしてなければ嫌うことも無い。だが、三人は少年犯罪――それも凶悪犯罪の受刑者として結びついてしまった。 冒頭容赦が無いと言ったのは、望んでいたものからは取り上げ、望まないものにそれを与える、という徹底した貫井さんの姿勢についての感想だ。ねたばれになるから曖昧にしか書けないけれど、上巻の少年院に入ってからラストまで、残酷なまでに厳しかった。「殺人症候群」を書ききっただけある。厳しいきびしい。 はじめ、三人の中で一番好意から遠かった久藤。それが下巻からはもっとも理解しやすいキャラになった。いかにも、な完璧キャラ葛城。彼は名状しがたいんだな。自己完結しすぎというか・・・。それが徹底している。かなりきつい体験を舌のにもかかわらず結局落ち着き払っている姿なんて特に。そして神原。一番わかりやすいと思った少年。かれの「欲」の部分はね、やっぱり理解できてしまうんだなあ。 少年院のくだりは「ショーシャンクの空」を思い出してしまった。だからこそ、あんなふうに話が進むのかな、と思っていたら・・・。うん、厳しい。 読み出した当初、子供たちが病院の手違いか何かの陰謀で入れ替わってしまう話だと思っていたのだけれど。むー、貫井さんだわ。
Posted by
第三部 発動 何とか無事に少年院を退院した3人の少年たち。しかし、社会はそんなに彼らに優しくない。 次々と社会から排除される少年たち。 そして、再会した3人はそれぞれの事情から金が必要になり、銀行強盗をすることになる。 神原の変化がすごかった。 弱いくせに狡猾で悪事を楽しめる...
第三部 発動 何とか無事に少年院を退院した3人の少年たち。しかし、社会はそんなに彼らに優しくない。 次々と社会から排除される少年たち。 そして、再会した3人はそれぞれの事情から金が必要になり、銀行強盗をすることになる。 神原の変化がすごかった。 弱いくせに狡猾で悪事を楽しめる人間になってしまった。 葛城に言わせるなら工藤や葛城が必死で抑えようとしていた瘴気を神原は楽しんでいた。その覚悟もないのに。 そして呑み込まれた。 最後までズルい奴だった。 作中で何回か言われる「社会は、少年たちの更生なんて望んでいない」 厳しいようだけどその通りだと思う。
Posted by
下巻は院を出た後に再び3人の少年が出会い犯罪に再び手を染める。上巻に比べるとエンターテイメント性がありテンポ良く進む。神原の印象がガラリと変わって行くのが興味深い。弱くて狡くて卑怯で。ムカつくんだけど、いちばん心に刺さる。先生の父親の話がいまいち心に響かないのは主人公に感情移入さ...
下巻は院を出た後に再び3人の少年が出会い犯罪に再び手を染める。上巻に比べるとエンターテイメント性がありテンポ良く進む。神原の印象がガラリと変わって行くのが興味深い。弱くて狡くて卑怯で。ムカつくんだけど、いちばん心に刺さる。先生の父親の話がいまいち心に響かないのは主人公に感情移入させられたからか。彼の最後に安心して少しホッとした。上巻で先の見えない重苦しさにどっぷり浸り、下巻でその気持ちもそれぞれの道に分散され、思ってたより後味は悪くなかった。でも上巻に力強い熱があっただけに、銀行強盗のとこや瀬田の印象が少し軽かったのが物足りなく感じた。
Posted by
少年犯罪の加害者側からの話。 三人の主人公を取り巻く環境、犯罪、少年院、その後の生活・・・ 骨組みがしっかりしている。 特に興味を持ったのが主人公が抱える”瘴気” (主人公の一人が瘴気と名付けた黒い感情) 瘴気とは何か、どこから来るのか、それに打ち克つには? つい...
少年犯罪の加害者側からの話。 三人の主人公を取り巻く環境、犯罪、少年院、その後の生活・・・ 骨組みがしっかりしている。 特に興味を持ったのが主人公が抱える”瘴気” (主人公の一人が瘴気と名付けた黒い感情) 瘴気とは何か、どこから来るのか、それに打ち克つには? つい答えを求めてしまった。 教えてほしい。私が抱える瘴気もどうすればいいんだろう。 主人公たちの転がるように転落していく様はリアルで、 一回垣根を越えてしまった後の世界を教えてくれる。
Posted by
とにかく上下とも合わせて重くて長かった~。 なんとか読み切ったよ。 なんとも救いのない感じがあるが当たり前かもしれない。 未成年とはいえ殺人を犯した人間が まっとうな暮らしをしていくのはかなり難しいっていうのが ひしひしと伝わってくる。
Posted by