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戦雲の夢 新装版 の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2023/10/15

男の天とは自分のもって生まれた才能を天に向かって賭けること。 さて、そんな気概が自分にあるのやら? ただ、ないなら松の枝に縋りつくべきではないのだろう。

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2023/06/04

主人公は長宗我部元親の四男、長宗我部盛親。舞台は豊臣秀吉により全国統一され、一時の平安期を迎えている戦国時代末期から始まります。 物語の軸が戦いではなく、女性との関係を通し自分のなすべきことや自分自身を見出していくことに置かれ、新鮮でした。目まぐるしい時代の潮流に飲み込まれ翻弄...

主人公は長宗我部元親の四男、長宗我部盛親。舞台は豊臣秀吉により全国統一され、一時の平安期を迎えている戦国時代末期から始まります。 物語の軸が戦いではなく、女性との関係を通し自分のなすべきことや自分自身を見出していくことに置かれ、新鮮でした。目まぐるしい時代の潮流に飲み込まれ翻弄される盛親が自問していく姿に人間味を感じる作品だと感じました。 一方で、中盤では蟄居を命じられるため読んでいてもどかしく、退屈になる部分もあったのでこの評価になっています。 戦国時代の華々しい小説ではなく、一人の人間を描いた魅力ある小説です。 戦国武将の一人を深く描いた作品なので、戦国ファンなら手に取って損はない作品だと感じました。

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2021/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長宗我部盛親の物語。 関ケ原では当初東軍に味方する予定も、使者が西軍の関所だったかな?を通ることができず、 結局西軍に味方することになります。 で、所領を没収されて一介の牢人になるわけですが、 父元親と似て内省的な性格でとにかく自問自答が多い。 「自分はそもそも大名に向いていなかったのではないか?」とか、 林豪という坊さんに色々言われて、また考えます。 それで夏の陣で大坂方に立ち、最後死力をつくして戦うことができ、物語は終わりました・・・ これといった出来事がすくなく盛親の自問自答がメインなので、盛り上がりには欠けますね。 読むなら「夏草の賦」に続けてがいいでしょうね。 なんだかうまく書けませんが・・・

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2020/11/06

長宗我部盛親。長宗我部の四男であり、土佐の英雄である父元親の影で、もしかして心ならずも、土佐藩主となり、時代の流れに呑まれて、一介の牢人となる。 おもしろくもない人生であったろう。市井にある我々庶民と最も近い武将であったかもしれない。

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2019/06/08

2019/6/8読了。 司馬遼太郎初期の作品。史実に基づいてはいるが、架空の人物が多く登場する等フィクション的な要素も多く、司馬作品には珍しいか?個人的に司馬作品ではフィクションよりも、深く時代考証されたリアルな話の方が好きなので、星4と評価。

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2015/07/14

長宗我部盛親とはどのような運命をたどった武将であったのか……そこがよく理解できる小説だった。 関ヶ原後、隠遁とした浪人生活を送っていた武将たちは、皆、同じ気持ちで大阪に馳せ参じたのであろう。その中でも一国の主であったのは盛親だけだった。左衛門佐信繁(真田幸村)も、関ヶ原当時は父の...

長宗我部盛親とはどのような運命をたどった武将であったのか……そこがよく理解できる小説だった。 関ヶ原後、隠遁とした浪人生活を送っていた武将たちは、皆、同じ気持ちで大阪に馳せ参じたのであろう。その中でも一国の主であったのは盛親だけだった。左衛門佐信繁(真田幸村)も、関ヶ原当時は父の安房守昌幸の時代であったため一国の主ではなかった。そう考えると土佐二十二万石の主であった長宗我部盛親という武将の生き様をみてみるのも楽しくなる。

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2014/02/18

長宗我部元親の末子の盛親が主人公。意志とは別に関ヶ原の戦では西軍として参戦ししかも戦わずして敗戦の将となってしまった。自分が生まれて来た意味を大阪夏の陣、冬の陣で取り戻して行く武将としての苦しみが描かれている。せめてその最期は若狭の本願寺末寺で僧となり、一婦人とともに余生を送った...

長宗我部元親の末子の盛親が主人公。意志とは別に関ヶ原の戦では西軍として参戦ししかも戦わずして敗戦の将となってしまった。自分が生まれて来た意味を大阪夏の陣、冬の陣で取り戻して行く武将としての苦しみが描かれている。せめてその最期は若狭の本願寺末寺で僧となり、一婦人とともに余生を送った、という伝説を信じたい気持ちになる。

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2013/11/12

【しんみり芋】 西海の鬼と呼ばれた長曽我部元親の息子にして、長曽我部家の最後を背負った盛親の生涯をつづった作品。 後半の出陣シーンにはぐっとくるものがあります。 福岡国際大学:ゆかり

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2013/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

四国で名を馳せた戦国大名、長曾我部家が物語の主人公。 親が築いた22万石という大きな勢力を引き継ぐものの自身の判断の誤りによって、それらを全て失い、武士としてまた頭領としての自分を模索する。 「虎狼のごとき欲というのは、学んで持てるものではない。人に生まれついたものじゃ。元親どのにはそれがあったが、右衛門太郎どのは、惜しくも骨柄を受け継いだのみで、虎狼の欲を受け継がなんだ。骨柄と才覚があって欲の薄い者は、天下の大事を乗りきれまい」 生まれもったときに持つ者と持たざるべき者の差が運命を左右したといえるのではないだろうか。

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2013/07/27

槍一つで四国を平らげた長宗我部元親の実子であり、土佐二十二万石の領主・長宗我部盛親は、関ヶ原の戦いで西軍に加担したがために、一介の浪人の身に落ちてしまう。京にて蟄居する盛親は、再起の野望を胸中に育み、大阪の陣にその身を賭けて奮起するが… 出来事を淡々と説明する描写に乏しい反面、...

槍一つで四国を平らげた長宗我部元親の実子であり、土佐二十二万石の領主・長宗我部盛親は、関ヶ原の戦いで西軍に加担したがために、一介の浪人の身に落ちてしまう。京にて蟄居する盛親は、再起の野望を胸中に育み、大阪の陣にその身を賭けて奮起するが… 出来事を淡々と説明する描写に乏しい反面、物語性が非常に強く、特に中盤以降、鬱屈した盛親が野望を抱くに至る展開には、久しぶりに胸の高ぶりを抑えることができませんでした。 なかでも、盛親の監視役である板倉勝重が、盛親の野心を計るべくした牽制と、盛親の見事な切り返しには、その「格好良さ」に舌を巻く思い。 そのやり取りは、末尾にて抜粋。 やはり武士の生き様は、心を揺さぶるものがあります。 それは、その身を賭けて信念を貫く気概に感動するからでしょうし、司馬遼太郎は、その気概を語るのに長けた作家です。 また、本書はこういった「熱い描写」に優れた一冊ですが、盛親とお里の愛慕の描写も見逃せません。 ところで、読後に気づいたのですが、本書は1961年に刊行されており、その翌年に「竜馬がゆく」や「燃えよ剣」が連載を開始しています。つまり、本書が著者として油の乗り始めた頃合の作品と考えると、その面白さに得心のひとこと。 ▽以下抜粋 「しかし」 「しかし?」 「伊賀守どのの申されざま、武士に対するお言葉ではない。貴殿が日ごろあつかわれている公卿衆にはそのおどしは利き目がござろう。が、武士には逆の利き目になる。なるほど、拙者は日ごろ身をつつしんでいるが、他の者がそれをみれば、拙者が伊賀守どのにおどされて身をちぢめていると思う。そうなれば、拙者の一分をみせるためにも、不本意ながら、いまの境涯を捨て、再び武を立てて徳川どのに弓をひかねばならぬことになる。まるで、伊賀守どののお言葉では、暗に、拙者をして大坂に走れとでも申されているかのようじゃ」 「いや、これはあやまったり。勝重の不覚でござった」

Posted byブクログ