フェルマーの最終定理 の商品レビュー
●フェルマーの大定理証明さる 高校の頃から気になっていた。当時、ついに証明されたという記事を今でも持っている。が、欠陥がみつかったというニュースの記憶もあり、自分はそこで記憶が止まっていた。 あれ?証明されたんだっけか? 引き込まれる物語であった。証明したワイルズはもちろん、...
●フェルマーの大定理証明さる 高校の頃から気になっていた。当時、ついに証明されたという記事を今でも持っている。が、欠陥がみつかったというニュースの記憶もあり、自分はそこで記憶が止まっていた。 あれ?証明されたんだっけか? 引き込まれる物語であった。証明したワイルズはもちろん、作者、翻訳者ともに素晴らしい。フェルマーの大定理の証明に、歴史や人間模様がこんなにもあったとは。 フェルマーの職業は役人。しかも仕事はとても忙しい人。数学が職業ではなかったことに衝撃を受けた。アインシュタインもそうであったように、有名な学者が必ずしも境遇に恵まれていたわけでないのだ。そんな境遇で数学してことに勇気をもらった。 ワイルズの鎖国模様が素晴らしい。何かをやる時は、周囲の情報などシャットアウトしてよいのだ。 査読の大切さはわかる。だが、出来上がったものに対して批判する、反例をみつけることは、証明を組み立てて成し遂げることよりはるかに簡単なことなのだ。誰でもできる。これを得意げにやってる人は大嫌いだ。どの世界も同じですね。 数学に必要なのは紙と鉛筆と論理。コンピュータではない。計算方法に陥りがち、コンピュータばかり発展する昨今に、大きく感動した。数学者は、必ずしもコンピュータ好きではないことも衝撃であった。 フェルマーの大定理の証明に関しては、谷山志村予想、岩澤理論が大活躍する。関考和の和算、望月先生のIUT理論など、日本の数学はすごい。 フェルマーは、証明を書ききれないと言った。しかし証明されてみると、その内容は、フェルマー没後に判明してきた予想や定理を様々使っている。「数学の定理の証明方法は一通りとは限らない。」こんな命題を考えることが好きになった。
Posted by
天才とはこの人、と言う本。色んな数学者が出てきて楽しい。数学がわからなくてもオッケー。数学を学ぶ本ではなく、数学者とはどんな人かが書かれた本。
Posted by
現代数学の集大成であるフェルマーの最終定理の証明を軸に、数論の長い歴史を辿るノンフィクション。証明の詳細は到底理解できないような代物だが、この本は証明の内容ではなく、それを巡るドラマが主軸にあり、終始わくわくしながら読み進めることができた。登場人物が実在し、私たちの生活に少なから...
現代数学の集大成であるフェルマーの最終定理の証明を軸に、数論の長い歴史を辿るノンフィクション。証明の詳細は到底理解できないような代物だが、この本は証明の内容ではなく、それを巡るドラマが主軸にあり、終始わくわくしながら読み進めることができた。登場人物が実在し、私たちの生活に少なからず影響を及ぼしている点もわくわくを加速させる。
Posted by
フェルマーの最終定理を解くために生まれてきたとも言うべき1人の数学者の嘘のような本当の話。 歩んだ人生が遠回りして全て繋がる。ノンフィクションなのにフィクションのような伏線回収。きっと神様が書いた物語なんじゃないかと思ってしまった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
数学の歴史書としても、フェルマーの定理に関わった数学者たちのバトンリレーを描いたストーリーとしても楽しめる。 何より著者の方の筆致が素晴らしすぎる。 もともと数学は好きだけど、それにしても難解なはずの内容なのにすらすら読める。 かといって一般向けに簡略化しすぎず、それぞれの数学者がどういった偉業を成し遂げてどう繋がっていったのか一般人にもわかるように書かれている。 この手の本にありがちな"目ばっかり進んで頭が追いつかず何度も読み直す"ことがほとんどない。 それまでに説明された定理や証明の伏線回収をしてフェルマーの定理を証明し、一度挫けかけても仲間の協力を得て再度成功するラストはバトルものの少年漫画ばりに感動するし面白い。 また、全体を通して数学のイメージが変わった。 数学は「人間が考えだしたもの」と漠然と思っていた。 確かに細かいルールや記載方法はそうだろうけど、科学と同じようにもともと自然界にあった概念を「人間が見つけ出していくもの」なんだとわかった。 「何パターンかあてはまったから」とか「ここまで同じ答えなんだからきっとこの先も同じ」とかの曖昧な理由では定理は正しいとは言えなくて必ず証明が必要で、でも証明があるからこそ揺るがない土台となって積み重なっていく数学は、きっと関わったらブラックホール並みに闇が深いんだろうけど、考え方的に理系脳とよく言われる私には合っていると思うし興味深い。
Posted by
約6時間で読み終わりました。 数学に情熱を捧げた人たちの物語でした。 数学の話というよりは、昔の数学の偉人の歴史小説を読んでいるような感じでした。
Posted by
あまりの面白さに3度読みしてしまった。 数学の苦手な人でも、このドラマチックな数学物語に一挙に引き込まれること請け合い。 フェルマー予想の証明の意義は、フェルマー予想の証明よりも、日本人数学者、志村•谷山予想の証明という点で決定的に重要だということを本書から知った。 何故なら、...
あまりの面白さに3度読みしてしまった。 数学の苦手な人でも、このドラマチックな数学物語に一挙に引き込まれること請け合い。 フェルマー予想の証明の意義は、フェルマー予想の証明よりも、日本人数学者、志村•谷山予想の証明という点で決定的に重要だということを本書から知った。 何故なら、現代数学という高層建築は、志村•谷山予想という「予想」を基礎として聳え立っているからだ。 つまり、証明されざる志村•谷山「予想」の証明こそが、数学界全体の待望だったのだ。 では、何故、「志村=谷山の最終定理」ではなく、「フェルマーの最終定理」と呼ばれるのか? それは、フェルマー予想があまりにもシンプルで、キャッチーで、美しいからだ。 数学が苦手な者でも、その内の「三平方の定理」は知っている。 分かりやすさと知名度の差と言えるだろう。 シンプルで何の変哲もない予想に思われるフェルマー予想の証明は、簡単そうに見えて、誰も証明できなかった。 フェルマー自身は、自分は証明したが、書くスペースがないので、証明は省略すると走り書きしただけで、本当に証明していたかも定かではない。 それでも、数学者が本気で取り組むテーマとも思えなかったので、証明せずともよかった。 ところが、ある時、ある数学者が、とんでもないことを発見してしまう。 フェルマー予想の証明は、志村•谷山予想の証明に等しい、ということを。 こうして、俄然、フェルマー予想の証明が、数学界の超重要テーマとして浮上してくる。 最終的にフェルマー予想=志村•谷山予想を証明して、定理に仕上げたのは、アメリカの数学者アンドリュー•ワイルズだった。 彼は一旦証明出来た、と論文を発表するが、その論文の精査の過程でミスが発見される。 彼の凄いところは、もう一度、一から証明をやり直して、短期間に、今度は完全に証明してしまったところだ。 但し、この本にはワイルズによるフェルマー予想の証明の内容については何も書かれていない。 それが分かるのは世界に10人しか居ないからだ。 仮に書かれていても、一般の読者には分かりようがないのだ。 だが、ワイルズのおかげで、フェルマー予想(志村•谷山予想)は、定理となり、晴れて、現代数学の高層建築は、空中楼閣とならずに済んだのだ。 めでたし、めでたし。 追記 最近発表された日本人数学者、望月新一の「宇宙際タイヒミュラー理論」(「宇宙際」とはinter-universeこのことで、無際限の数学宇宙を想定する)は、フェルマーの最終定理を簡単に証明出来る画期的な理論だ、とされている。 理論に破綻のないことは確認されたが、依然として正しい理論とは認められていない。 数学の理論、定理の奥深さ、面白さを感ずる事件だ、と言える。 ヒトは知性の限界を求めて、どこまでも進んでいく。
Posted by
[感想(良かった)] ・「数学」の本であるが、 ・世界史 ・伝記 ・恋愛史 もあり、 文系でも読みやすい啓蒙書 ・論理を追っかける理系の人 には、読みやすいだろう。 ・訳者も 「あとがき」で書いているように ...
[感想(良かった)] ・「数学」の本であるが、 ・世界史 ・伝記 ・恋愛史 もあり、 文系でも読みやすい啓蒙書 ・論理を追っかける理系の人 には、読みやすいだろう。 ・訳者も 「あとがき」で書いているように 専門用語を出来るだけ避けて 書かれている。 [総論] ◯・「数学」を "食わず嫌い" している人への、 啓蒙書
Posted by
フェルマーの最終定理を証明したのはワイルズ個人の功績だが、証明するのに使われた数理それに関わった数学者のストーリーが面白く、それを駆使して証明されたのが凄くエモい。難解な数論が出てくるが、一般読者の心を折る程には詳しく説明せずに読み易い。 第1章、原文なのか和訳なのかは分からな...
フェルマーの最終定理を証明したのはワイルズ個人の功績だが、証明するのに使われた数理それに関わった数学者のストーリーが面白く、それを駆使して証明されたのが凄くエモい。難解な数論が出てくるが、一般読者の心を折る程には詳しく説明せずに読み易い。 第1章、原文なのか和訳なのかは分からないが、本来の意味と違って「和音」という言葉を使用している。本書で書かれている音の調和は「和音」ではなく、本書での記載通り同じ音の倍音(オクターブ違い)なのでは?
Posted by
アンドリューワイルズが羨ましい。 フェルマーの最終定理の証明するというロマンに満ち溢れたことをやってのけた時の脳汁を味わってみたい。 この本を読んでいると、自分は数学を知った気になっているだけで、本当の数学は知らなかったのではと思ってしまう。 大学で数論の初歩の初歩をかじったが...
アンドリューワイルズが羨ましい。 フェルマーの最終定理の証明するというロマンに満ち溢れたことをやってのけた時の脳汁を味わってみたい。 この本を読んでいると、自分は数学を知った気になっているだけで、本当の数学は知らなかったのではと思ってしまう。 大学で数論の初歩の初歩をかじったが、退屈で自分の畑ではないと思い専攻を辞めてしまった。 この本は数学の魅力がふんだんに伝わってきて、自分の知らない世界を知れる大好きな本。
Posted by