初版 金枝篇(上) の商品レビュー
From the still glassy lake that sleeps Beneath Aricia's trees-- Those trees in whose dim shadow The ghastly priest doth reign, Th...
From the still glassy lake that sleeps Beneath Aricia's trees-- Those trees in whose dim shadow The ghastly priest doth reign, The priest who slew the slayer, And shall himself be slain; アリキアの木々の下に眠る 鏡のように穏やかな湖 その木々のほの暗い影の中で 治世を司るのは恐ろしい祭司 人殺しを殺した祭司であり 彼もまた殺されることだろう
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※このレビューにはネタバレを含みます
この『金枝篇』は、イタリアのアリキアの町に伝わる、祭司職が、現在の祭司を殺す事により代替わりする掟の説明を提示させることを目的としている。 1.何故、祭司は前任者を殺さなければならないのか? 2.何故、殺す前に、『黄金の枝』を折り取らなければならないのか? 古代の王は、一般に祭司でもあった。 王には、また天候の恵みと豊富な穀物を期待される。 呪術的共感。
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森の王、聖なる王とは。 王殺しと再生の供儀の意味。 大地を肥沃にするために、それを維持するために穀物霊である王をリニューアルしていく。
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「金枝」とはヤドリギのことで、この書を書いた発端が、イタリアのネーミにおける宿り木信仰、「祭司殺し」の謎に発していることから採られたとウィキペディアにある。世界に残る言い伝え、信仰、宗教的儀式などを広範な文献を調べまくって、まとめる。文化人類学、民族宗教学の分野に属する本だと思う...
「金枝」とはヤドリギのことで、この書を書いた発端が、イタリアのネーミにおける宿り木信仰、「祭司殺し」の謎に発していることから採られたとウィキペディアにある。世界に残る言い伝え、信仰、宗教的儀式などを広範な文献を調べまくって、まとめる。文化人類学、民族宗教学の分野に属する本だと思うが、完成までに40年を費やし、全13巻の大著である本書は、この徹底した文献調査により、他の追随を許さないほど優れた業績を見いだせる。読んでいてゾッとする風習についての記述が多々ある。フィジー諸島では、老人は生きたまま埋められた。 ダーウィンの伝記の本では「フェゴ土人は食糧危機の際は老人をたべちゃうので、家族制度が存在しない」のを見て進化論のヒントとなったとか書いてありました
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膨大な世界各地の民族の風習を整理分類し、その行事や習わしの共通性を明らかにしようとした民俗学の名著は、とにかく想像力を掻き立てられる面白さに満ちていた。個々の事例も興味深く、特に2章における王とタブーの話が印象に残っている。曰く、各地で王とは神の代弁者として権力を持つものの、代弁...
膨大な世界各地の民族の風習を整理分類し、その行事や習わしの共通性を明らかにしようとした民俗学の名著は、とにかく想像力を掻き立てられる面白さに満ちていた。個々の事例も興味深く、特に2章における王とタブーの話が印象に残っている。曰く、各地で王とは神の代弁者として権力を持つものの、代弁者であるが故に少しでも身体的不具の予兆があれば殺されて新たな王を立てる習わしがあったとのこと。また神聖であることと不浄であることはタブーという点で根源的に同一であり、そこに論理的整合性が隠されているという指摘には感心させられた。
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書かれた当時の「未開」や「野蛮」といった視点はまぬがれていないが、比較的ニュートラルで押し付けがましくない(とはいえ、 考え、見解は示される[「仮に私が正しければ、」p540など]。一般的には小説作品に近い感覚で読めるし、読み飛ばしても十分面白い。忘れることは忘れてしまうが、残る...
書かれた当時の「未開」や「野蛮」といった視点はまぬがれていないが、比較的ニュートラルで押し付けがましくない(とはいえ、 考え、見解は示される[「仮に私が正しければ、」p540など]。一般的には小説作品に近い感覚で読めるし、読み飛ばしても十分面白い。忘れることは忘れてしまうが、残るものはずっと残る(これって神話的)。個人的には、第三章の第四節から七節ぐらいまでにはどうしても興味を持てない。 第一章第一節の終わりに全体を貫く問いが示されている。「なぜ[イタリアのネミの]祭司は前任者を殺さなければならないのか?」「なぜ殺す前に、「黄金の枝」を折り取らなければならないのか?」の二つである。この二つの問い、および金枝の物語を念頭において読み進めると、全般にわたって注意深く詳細な証明のための例示になっていることがわかる。しかし、それらのフォークロアに惹かれれば、彼の証明しようとすることが何であるかや、その「資料操作のバイアス」[※背表紙の解説]などには関係なく面白いはず。だからニュートラルで押し付けがましくなく、小説のように読めるひとには読めるだろう。フレイザーのこの資料の「食い散らかし」感が好き。
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表紙裏 「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物...
表紙裏 「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。 目次 第一章森の王 第二章魂の危機 第三章王殺し
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不思議な本。 ところどころの記述は首をひねるようなものも混ざっているのに,それを全体として考察していく段階となると,「おお!」と納得させられる。まるで魔法。 特に印象深かったのは「神」と「霊」について。 霊の場合,行われる儀式は「宥め」ではなく「共感呪術」。確かに祝詞って言葉上...
不思議な本。 ところどころの記述は首をひねるようなものも混ざっているのに,それを全体として考察していく段階となると,「おお!」と納得させられる。まるで魔法。 特に印象深かったのは「神」と「霊」について。 霊の場合,行われる儀式は「宥め」ではなく「共感呪術」。確かに祝詞って言葉上ではお願いの形をとっているけど,実際は祝詞によってあるべき型を神々に思い出させている感が非常に強い気がする。 活動領域といい,持っている力といい,フレイザーの言う霊は日本の「神」なんだろうなあと思いつつ読んだ。いわゆる「未開社会」で主に信仰されている存在。そんな霊的神が日本の現代にも実存していること自体が,日本の不思議なんだと思う。 霊からgodへ移行しなかった日本。 面白い。 橋爪先生は,日本人の死後の世界だったりに関するぼんやりした考えについて「文明国にしては素朴」と言っている。 何が日本をそうしたのかは置いといて,その結果,日本文化にどう影響を与えたのか。そっちが気になる。 学部生のときに授業で習った内容も思い出しつつ,でした。 元気かなあ,あの奇妙な先生。
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古代イタリアのアリキア。森の中で木を守る祭司。黄金の枝を狙う逃亡奴隷。 金枝を手に入れれば森の王である祭司と生死を賭けた戦いをする権利を得る。前任者が死ねば、逃亡奴隷は新しい祭司になる。 1、なぜ前任者は殺されなければならないのか。 2、なぜ金枝をおり取らなければならないのか。...
古代イタリアのアリキア。森の中で木を守る祭司。黄金の枝を狙う逃亡奴隷。 金枝を手に入れれば森の王である祭司と生死を賭けた戦いをする権利を得る。前任者が死ねば、逃亡奴隷は新しい祭司になる。 1、なぜ前任者は殺されなければならないのか。 2、なぜ金枝をおり取らなければならないのか。 最も難解で不気味なミステリーを、肘掛椅子の人類学者が解き明かす。 ヒント 1、古代、祭司は森の王と呼ばれていた。 2、他の枝ではなく金枝でなければならなかった。 木になる方は今すぐ書店へ。
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序文から第三章神殺しの途中まで。 全体の展開は、 ネミの森の祭司職を継ごうとする者は前任者を殺さなければならない、そしてその際黄金の枝を折り取らなければならない、という掟の意味・それを成り立たせている信念や世界観を解き明かすという主題が先ず提示されて(序)、 この祭司職は森の王...
序文から第三章神殺しの途中まで。 全体の展開は、 ネミの森の祭司職を継ごうとする者は前任者を殺さなければならない、そしてその際黄金の枝を折り取らなければならない、という掟の意味・それを成り立たせている信念や世界観を解き明かすという主題が先ず提示されて(序)、 この祭司職は森の王という意味を持つ者であり、そもそも樹木霊であるていう話が第一章、 何故殺されなければならないのかが第二章の内容で、 王の力・生命力が先の王から別の者へ受け渡される、受け渡されねばならない、ていう話が第三章、 第四章は結論と言うか纏め部分で序文で立てられた問いへの解答、 ていう感じ。 なんかいっぱい習俗とか祭とか儀礼とかの事例が引かれているけどとうぜんぜんぶおぼえられないよ。
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