妊娠小説 の商品レビュー
著者曰く、日本の近代…
著者曰く、日本の近代文学はアレもコレも望まない妊娠を描いた「妊娠小説」だそうな。妊娠、という視点から文学をぶった斬る著者の勢いのある文章がお見事。
文庫OFF
望まない妊娠を題材に…
望まない妊娠を題材にした小説を取り上げ、そのステレオタイプな有様や矛盾点を容赦なく斬っています。痛快で面白い一冊でした。
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再読。 胃もたれしそうな内容を美奈子節で切って切って切りまくっています。 「妊娠」を小説ではどう扱ってきたのかを、データを用いたり分類分けしたりして評論していますが、今の著者ならもっとジェンダー論に踏み込んで妊娠を消費することについて触れる内容になっていたかもと思います。それも読...
再読。 胃もたれしそうな内容を美奈子節で切って切って切りまくっています。 「妊娠」を小説ではどう扱ってきたのかを、データを用いたり分類分けしたりして評論していますが、今の著者ならもっとジェンダー論に踏み込んで妊娠を消費することについて触れる内容になっていたかもと思います。それも読んでみたいです。
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センセーショナルな着眼点に、歯切れのよい語り口、それに奇想天外な分析手法、面白くないはずがない。 でも、さすがに避妊だの中絶だのという言葉をそれこそミート級に読まされてちょっと胃もたれ気味……
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フォローワーさんにお薦めいただいた本です。タイトルになっている「妊娠小説」が好きかどうかは別として大変興味深く拝読しました。ありがとうございます。 日本の近現代文学には「病気小説」や「貧乏小説」と並んで「妊娠小説」という伝統的なジャンルがあるそうです。 私がすぐ思い浮かべたのは太宰治の『斜陽』ですが、あれは少しジャンルが違ってレディス系という部類に入るそうです。 まず登場したのは森鴎外『舞姫』と島崎藤村『新生』。どちらも未読なのでタイトルだけで内容は初めて知りました。 次は川端康成の『虹いくたび』『山の音』。そして石原慎太郎の『太陽の季節』三島由紀夫『美徳のよろめき』。大江健三郎『死者の奢り』『われらの時代』『見るまえに跳べ』。 そして60年代、石川達三、水上勉、深沢七郎、そしてまた三島由紀夫。そして女流妊娠小説が台頭。中沢けい『海を感じる時』見延典子『もう頬づえはつかない』たくさんあります。 80年代は村上春樹の登場で、デビュー作の風の歌を聴け』が妊娠小説だったそうです。といったところが妊娠小説史(と望まない妊娠史)だそうです。 妊娠小説論は大変面白くはありましたが、物語としては私はレディス系妊娠小説のみが好みだと思いました。 妊娠小説は、望まない妊娠をして中絶にいたる話で、この評論はそちらを主に書かれていますが、レディス系妊娠は、妊娠をした女性が、男性を捨てるか、男性が死ぬかして女性が出産に至る未来が見える話だそうです。 私事で大変恐縮ですが、私は20代の頃若気の至りでシナリオライターに憧れてTVのシナリオコンクールに何度も応募していたことがありますが、初めて書いた長編が、孤独だった女子高校生が、訳アリの男性に頼らず、一人で子供を産んで育てていく話(かなり恥ずかしいですが)。まさにレディス系妊娠だし、他にも親に結婚を反対されたカップルがわざとできちゃった婚にもちこむという非妊娠ストーリーも作りました。(ホント恥ずかしすぎる昔話披露ですいません) レディス妊娠以外の妊娠小説は妊娠という要素だけでみると、うじうじした男性の描くもののような気がして全く好きになれないような気がします。(小説としては名作と呼ばれるものがたくさんありますが)ちゃんと読んだ記憶のあるものは、とても少なく『太陽の季節』『風の歌を聴け』くらいですが、著者の斎藤さんの説明を拝読すると、そう感じてしまいます。という訳で妊娠小説は全く好きになれませんが、テキストの細部まで調べ上げて評論した著者の力量はお見事だと思います。 「恐怖と絶望の産婦人科医」などはここまで研究されると驚異的だと思う描写がたくさんありました。「魔物のような医者」とか「とんでもない看護婦」とかホラーの劇画の説明を読んでいるのかと思ってしまいました。怖かったです。 おそらく著者は非常に学術的に研究されたのに不真面目ともとられる読み方をしているかもしれないのですが、ブクログのレビューをざっと拝見したのですが、絶賛されているレビューが多いみたいで、皆さんそんなに妊娠小説がお好きなのかと私は疑問に感じました。
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「舞姫」の主人公って、妊娠した彼女を打ち捨ててひどいよね、というお話は、「舞姫」が広く知られているがゆえにある意味定番のネタとなっているところではあるが、いやいや、妊娠を取り扱った小説はまだまだあって、しかも、それぞれ味付けは違っても、「妊娠小説」という一大ジャンルを形成している...
「舞姫」の主人公って、妊娠した彼女を打ち捨ててひどいよね、というお話は、「舞姫」が広く知られているがゆえにある意味定番のネタとなっているところではあるが、いやいや、妊娠を取り扱った小説はまだまだあって、しかも、それぞれ味付けは違っても、「妊娠小説」という一大ジャンルを形成しているのですよ、とぶち上げるこの評論、「文学はこういう風に読むものじゃない」とのお叱りを受けたというのもわからなくはない、けど面白いのである。文学オタクというのか、ジャンルを楽しんで、「おっ今度はこう来たのか!」みたいな楽しみもあってもいいよね、という気がしてくる。
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2019.3.18 16 面白かった。着眼点が面白い。表現が面白い。そんなジャンルがあるんやなぁと思った。 川端康成読みたい。
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「赤ちゃんができたらしいの」と女が宣告し、男はうろたえるという展開が、さまざまな小説のなかでくり返し描かれてきました。ほとんどパターン化しているといってよいこのような場面を含む小説を著者は「妊娠小説」と呼び、その構造と歴史の解明をおこなっています。 森鴎外の『舞姫』と島崎藤村の...
「赤ちゃんができたらしいの」と女が宣告し、男はうろたえるという展開が、さまざまな小説のなかでくり返し描かれてきました。ほとんどパターン化しているといってよいこのような場面を含む小説を著者は「妊娠小説」と呼び、その構造と歴史の解明をおこなっています。 森鴎外の『舞姫』と島崎藤村の『新生』によって、「どうでもいい女の問題」だった妊娠が「どうでもよくない男の問題」に昇格し、文学のテーマになったと著者はいいます。それ以前の小説に描かれていたのは、「妊娠」ではなく「堕胎」でした。しかしそれは、「生むにせよ堕ろすにせよよろしくやってもらいたい」という男にとっては「問題の解決」でしかありません。こうして著者は、妊娠を告げられる男の「近代的自我」の確立は『舞姫』と『新生』によって成し遂げられたといい、これは近代文学史上における「妊娠の発見」というべき事件だという主張を掲げます。 その後著者は、妊娠と堕胎をめぐる世相の動きに「妊娠小説」が連動していることを明らかにしていきます。さらに、村上春樹の『風の歌を聴け』、村上龍『テニスボーイの憂鬱』、辻仁成『クラウディ』などの現代の小説を「妊娠小説」として読み解き、それらが表面はさまざまな意匠を凝らしているにもかかわらず旧態依然とした枠組みを継承していることが明らかにされていきます。 とにかく文章が痛快で、おもしろく読みました。
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2017年12月1日読了。Cakesの書評を見て購入。日本文学において黙殺されてきたジャンル『妊娠小説』をもっともらしく分析する体で、作家(と読者)たちの無自覚っぷりを笑いのめすすごい本。終始苦笑い、内容に共感しつつ「いや、ちょっと待てよ言いすぎだろ」と反感も覚えつつとにかく読み...
2017年12月1日読了。Cakesの書評を見て購入。日本文学において黙殺されてきたジャンル『妊娠小説』をもっともらしく分析する体で、作家(と読者)たちの無自覚っぷりを笑いのめすすごい本。終始苦笑い、内容に共感しつつ「いや、ちょっと待てよ言いすぎだろ」と反感も覚えつつとにかく読み進まされるというこの体験・読後感は他の読書ではなかなか得られないものだった。『妊娠小説』とは突飛な表現に思えるが、戦争が出てくる『戦争小説』、警官が出てくる『警官小説』がありうるのならば『妊娠小説』という表現・ジャンルもあり得ない話ではない、のかな…と納得させられそうになるところがすごい。これを読んでしまうと、作家も安易に妊娠について書けなくなるよなー。
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筆者書き下ろし渾身の妊娠小説!使用した機材は何✖何のポストイット あえて漢語を用いるなら懐妊である。 ちなみに漢字を読めない民草のためにこれを大和言葉に意訳するとおめでたである。力点 学校の成果 望まない妊娠史 黎明期 明治政府のイッパツ目が堕胎の禁止。 列強のすうぜいだった。 ハタと膝を打つ。 外部観察で終わる手法か。鈴木三重吉 長塚節 土っぽい農民文学者 文芸職人ギルド 近代的自我というテクニカルターム 意味深長だ。 ユングフロイリヒカト 中絶と堕胎は意味が異なる官製用語 犠牲者と混血化と労働力化が育児制限に キラ星のごとく 文化と鈍感 受容から参加へ 系譜を見る 刺激剤よりか劇薬 ハイブラウ ヘミングウェイもかくやの臨場感 おかぶを奪われる ビューフォート風力階級表 アガサクリスティ アクロイド殺人事件
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