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日本文学史序説(上) の商品レビュー

4.6

13件のお客様レビュー

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縦横無尽に古今の書物…

縦横無尽に古今の書物について簡潔、明晰に捕らえた文学史観です。日本思想史として読み替えることもできるでしょう。

文庫OFF

2024/05/08

名著。ただ書を読むだけでは得られない角度から、日本とは何かを文学から考えることができる。ただ文学史を学ぶだけではなく、日本の土着的価値観について理解できた。

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2020/08/26

名著。 生まれた時から日本で過ごしている自分の文化的思想を客観視できる感覚。 気づけていない自分のパラダイムに気付ける。

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2019/09/21

豊富な知識に裏打ちされた、良質な文学史。 中でも、竹取物語の位置づけが、高畑勲の竹取物語とだぶって見えてとても興味深かった。高畑勲がいかに古典を良く研究していたかもわかる。 高校までに学習したこてんのうらで生きていた人たちの息づかいを感じさせてくれる文学史。

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2016/09/10

ばらばらに読んできた本がつながる。 この本を一冊読むだけで日本史、思想史、文学史 全てが網羅出来る良書。 「社会にーその社会が小さくても、大きくてもーよく組み込まれた作家は、その社会の価値の体形を、批判することはできないし、批判を通じて超越することはできない。」 (引用) 文...

ばらばらに読んできた本がつながる。 この本を一冊読むだけで日本史、思想史、文学史 全てが網羅出来る良書。 「社会にーその社会が小さくても、大きくてもーよく組み込まれた作家は、その社会の価値の体形を、批判することはできないし、批判を通じて超越することはできない。」 (引用) 文学とは何か、読書とは何かを考えさせられる。

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2015/12/10

上巻だけで550ページの大作。17条の憲法から始まり、古事記、日本書紀、と万葉の時代から元禄までの著者が考える文学の歴史書。当時の時代背景や政治状況との関連から、それぞれの文献を読み解き、同時代の西洋の文献との比較。一般的な文学だけでなく、仏教や儒教までも含めたその文学的意義まで...

上巻だけで550ページの大作。17条の憲法から始まり、古事記、日本書紀、と万葉の時代から元禄までの著者が考える文学の歴史書。当時の時代背景や政治状況との関連から、それぞれの文献を読み解き、同時代の西洋の文献との比較。一般的な文学だけでなく、仏教や儒教までも含めたその文学的意義まで語る。その博識に感嘆しながら、それを論理的にまとめ上げた著作。読み上げるには努力が必要であるが、論理的まとまりがよいので意外と読みやすい。

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2014/10/08

[ 内容 ] <上> 日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。 従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大な...

[ 内容 ] <上> 日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。 従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。 いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。 上巻は、古事記・万葉の時代から、今昔物語・能・狂言を経て、江戸期の徂徠や俳諧まで。 <下> 日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。 従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。 いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。 下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。 [ 目次 ] <上> 日本文学の特徴について 第1章 『万葉集』の時代 第2章 最初の転換期 第3章 『源氏物語』と『今昔物語』の時代 第4章 再び転換期 第5章 能と狂言の時代 第6章 第三の転換期 第7章 元禄文化 <下> 町人の時代 第四の転換期 工業化の時代 戦後の状況 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2012/03/22

「十七条憲法」に始まり、「日本書紀」がなぜ「古事記」からそう時を置かずに書かれたのか、各地の風土記に書かれている神話的な物語(浦嶋子など)に見られる情についてなど。 上巻は日本で始めて町人風俗をリアリズムで描いた井原西鶴と、新井白石に終わる。 儒教的価値観を得た作品は物語として...

「十七条憲法」に始まり、「日本書紀」がなぜ「古事記」からそう時を置かずに書かれたのか、各地の風土記に書かれている神話的な物語(浦嶋子など)に見られる情についてなど。 上巻は日本で始めて町人風俗をリアリズムで描いた井原西鶴と、新井白石に終わる。 儒教的価値観を得た作品は物語としての射程距離(というか物語そのものの可能性)を大きく伸ばした(「うつほ物語」「落窪物語」「源氏物語」のあたり)とか、今まで個々の作品しか観察してこなかった私にとってはなかなかスリリングで興味深い本だ。

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2011/08/12

著者があげている日本文学の主な特徴で、印象的だったものは、3つある。 1つは、体系だった思想を持たず、部分から入る。 2つめは、新を取り入れる場合、旧を新に変えるのではなく、新をアレンジして旧に加える。 3つめは、求心的で、都会で起きたことを都会にいる作者が書いて、その読者...

著者があげている日本文学の主な特徴で、印象的だったものは、3つある。 1つは、体系だった思想を持たず、部分から入る。 2つめは、新を取り入れる場合、旧を新に変えるのではなく、新をアレンジして旧に加える。 3つめは、求心的で、都会で起きたことを都会にいる作者が書いて、その読者も都会で享受する。 ああ、やはり日本人は昔から、理屈ではなく、周りの雰囲気や空気で行動するのだと思った。 さらに、私が全体を見通すのが苦手なのも、都会と田舎なら都会に惹かれるのも、日本文学・読者の何よりの証拠なのかもしれないと感じた。 本書は歴史の教科書のように、丁寧にその時代の状況を述べ、その時に表された文学作品、宗教的哲学的著作等を、読み解いていく。 一番面白かったのは、平安時代と鎌倉時代。 古今集や紀貫之に対して、「自然など愛していない」と言っているのには、驚いた。 私も平安時代の人たちのように、季節に敏感になろうとしていたが、それでどれだけ自然を見ていたのか考えさせられた。 整然とした体系に組立られた「十住心論」を表した空海の真言宗より、妥協的・総合的だった天台宗の方がより発展したというのが、とても日本らしいと思った。 世の中を批判した漢詩が載っているとして「本朝文粋」が紹介されている。 当時の世の中は藤原氏が実権を握り、面白くない人には相当不愉快な日々だったろうが、和歌などでそれが歌われることはなかった。 批判などは主流の和歌ではなく、漢文のマイナーな場でしか発表できなかったようだ。 唐の逃避文学の陶淵明の流れに近いらしい。 大好きな平家物語は、平安末期の貴族知識人にとってありふれた価値感の寄せ集めでできていながらも、時代を反映するとともに、時代を超えたと書かれてあったのは、嬉しかった。

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2011/01/28

文学研究者がえがく文学史でなく、より広い視野から文学 にあらわれた思想的展開をえがく.(2010:清水正之先生推薦)

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