日本文学史序説(上) の商品レビュー
日本の土着思想は、現世での恋愛が中心で、政治哲学や彼岸(来世やあの世)についてはあまり関心がない。大陸から仏教や儒教を輸入しても土着思想に変容させてしまったほど根強いものである。 上巻は万葉集から元禄まで。仏教や儒教の思想は難しく理解できなかったが、文学史を通じて日本史を捉えな...
日本の土着思想は、現世での恋愛が中心で、政治哲学や彼岸(来世やあの世)についてはあまり関心がない。大陸から仏教や儒教を輸入しても土着思想に変容させてしまったほど根強いものである。 上巻は万葉集から元禄まで。仏教や儒教の思想は難しく理解できなかったが、文学史を通じて日本史を捉えなおすことができた。 序章である、「日本文学の特徴について」の部分だけでも読む価値があると思う。
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難しそうだと思い読み始めたのだが、案外読みやすく、そしておもしろい。歴史的な背景や人物、主要な作品に関する基礎知識はやや必要だと思うが、それとても高校で学んだ程度、「そんなのあったな〜」「そんな人いたな〜」、つまりは聞いたことがあるくらいのレベルで十分ついていけると思う。 さすが...
難しそうだと思い読み始めたのだが、案外読みやすく、そしておもしろい。歴史的な背景や人物、主要な作品に関する基礎知識はやや必要だと思うが、それとても高校で学んだ程度、「そんなのあったな〜」「そんな人いたな〜」、つまりは聞いたことがあるくらいのレベルで十分ついていけると思う。 さすがは20世紀を代表する知の巨人で、扱う内容が高度で複雑でも、なぜかすんなりと読めてしまうから不思議だ。きっとその理由は主題の明快さにある。「日本固有の土着世界観」という観点が最後までぶれない。この明確な主題に導かれて、読者は安心して知恵の大海に漂うことができる。 分厚いし、一見難しい文字ばかり並んでいるけど、敬遠せずにチャレンジしてよかったと思った。
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文庫ですが分厚い。手首の力つきそうです。こんな分厚くて、しかも2冊組なのに「序」説って、何事…。 上巻は古事記・万葉集の頃から江戸時代まで。「下」がまるっと近現代なのかな。下巻はまだ読んでいません。 平安以降の和歌についての、自然や心情への描写が様式美化しているという評価(そんな...
文庫ですが分厚い。手首の力つきそうです。こんな分厚くて、しかも2冊組なのに「序」説って、何事…。 上巻は古事記・万葉集の頃から江戸時代まで。「下」がまるっと近現代なのかな。下巻はまだ読んでいません。 平安以降の和歌についての、自然や心情への描写が様式美化しているという評価(そんな言い方ではなかったけど)は、私の場合はそこまで高尚な視点ではなかったのですが、私も「内輪向けのことば遊び」だと思う部分があったので、すごくしっくりきました。
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