東京焼盡 の商品レビュー
内田百閒先生は、戦争中でつらい目にあっていても、どこかノーテンキで、ポジティブで、ユーモアを忘れない。 建物が揺れている…と思ったら、自分が空腹のあまりフラ・フラしていた、という極限状態の話にもそこはかとないユーモアが漂っていて、つい笑ってしまう。この日記はスゴい。
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あっちこっちつまみ読み。 焼け出されてきたたくさんの人たちが、意外とさばさばした顔をして笑っていたなんて、そのとき現場にいなくちゃわからないもんだなあ。 屋根の向こうに爆弾が落ちて煙があがったとか、死ぬなら死ぬで仕方ないと決めて腹をくくったとか、そういうのと並行して普通にと日...
あっちこっちつまみ読み。 焼け出されてきたたくさんの人たちが、意外とさばさばした顔をして笑っていたなんて、そのとき現場にいなくちゃわからないもんだなあ。 屋根の向こうに爆弾が落ちて煙があがったとか、死ぬなら死ぬで仕方ないと決めて腹をくくったとか、そういうのと並行して普通にと日常があるのが、なんと言っていいのかわからない。 情緒的じゃないんだな。日記だから。 3月10日の、いろいろな人の日記を読んでみたい。
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戦局の悪化する中、東京にとどまり続けた百けん先生。丸の内の郵船への往復は米軍の空爆の中、スリル満点。しかし、先生はポツダム宣言受諾直前、近所の軍幹部たちの大ぴらな酒宴の大騒ぎをしっかりと書き留めていた。
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粥冷えて 宵々ごとの 焼夷弾(帯より) イモリの腹の如く夕陽に腹を染めて飛ぶ敵機や赤い入道雲、 土手を染める火花、 燃え上がる東京。 日本では決して二度と見ることはない恐ろしい光景を、 恐ろしくも美しい描写で百?先生が見せてくれた。 11月から終戦する8月まで、毎日のように警戒警報が鳴り、 敵機が飛び交い焼夷弾が落とされる日々に、 怖がりの百?先生はどれだけ神経をすり減らしただろう。 ○この節の生活では恐れるという事意外に人生の意義は無いのではないかと云うようなことも考えた。 電気もなく、お米もなく、蚊取り線香もなく、 身体が衰弱していく中で、 たまたま手に入ったビールはどんな味がしただろう。 また、奥様の話がよく出てきて、 お互いを思いやって生きる夫婦の姿が浮かんだ。 (前にも書いたけど、) ○濡れて行く旅人の後からはるる野路のむらさめで、もうお天気はよくなるだろう。
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