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モードの迷宮 の商品レビュー

3.9

25件のお客様レビュー

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2009/10/04

感覚では分かるような気がするけれど、それが理路整然とした言葉になると 意味がぼやけてしまうという不思議な感覚を味わいました。 言葉が難しいので、いちいち理解しようとしながら読むと、私の場合は何光年かかるか わからないので、わからないなりにずーっと読んでいました。 「〈わたし〉は...

感覚では分かるような気がするけれど、それが理路整然とした言葉になると 意味がぼやけてしまうという不思議な感覚を味わいました。 言葉が難しいので、いちいち理解しようとしながら読むと、私の場合は何光年かかるか わからないので、わからないなりにずーっと読んでいました。 「〈わたし〉は〈わたし〉を直に見ることは出来ない。他人に認識される〈わたし〉に 思いを巡らせるしかない」というところはガァーンと来たところの一つです。 多分著者の言うこととかけ離れたことだとは思うのですが、確かに、服を選んだり お化粧をしているとき、鏡に向かっているときでさえ、意識しているのは他人の目線なのですね。 あと、衣服は隠すためにあるのか、隠しているものがあるぞとアピールするために隠さなくても いいものを覆っているのかという部分は読んでいてとても面白かったです。 以下、気になったロラン・バルトの文章を二つ載せます。 「モードはこうして、〈みずからせっかく豪奢につくり上げた意味を裏切ることを唯一の目的とする  意味体系〉というぜいたくな逆説をたくらむのだ。(『モードの体系』) 「モードとは、無秩序に変えられるためにある秩序である」(『モードの体系』)

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2009/10/07

文庫でも学術系は高価で辛いですが、それでも値段に見合った内容はあると思います。ファッションを哲学者が語ることは非常に少ないので貴重な上に、ロラン・バルトなどを読み込んで噛み砕いている部分もあって読みやすさも上々。

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2009/10/04

大学入試対策の定番だったりしますね。 鷲田氏の文章は読みやすいけれど、ベースはやはり哲学(現象学)なので、大学入試にはうってつけなのでしょう。 ファッション論ではなく身体論として読むべし。 鷲田氏の『メルロ=ポンティ―可逆性』と併読すると、より面白いかと。

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2009/10/04

内容はファッションというよりも、身体を覆うもの、身体を修飾するものとしてのモード論。 服を哲学的に捉えたい人には、非常に優れた教科書となるだろう。 オシャレとかそういう気持ちで読むと失敗する。

Posted byブクログ

2009/10/04

鷲田氏は哲学者です。高校の現代文の先生に、長文読解の対策として薦められました。でもわたしは、このひとの文体が好きで読んでいます。 もう、このひとの言葉遣いはまるで破綻がなくて、紳士的で緻密で、そしてとてもエロティック。そう、とても整っているのにどこか色気があるのだ。ものすごく、う...

鷲田氏は哲学者です。高校の現代文の先生に、長文読解の対策として薦められました。でもわたしは、このひとの文体が好きで読んでいます。 もう、このひとの言葉遣いはまるで破綻がなくて、紳士的で緻密で、そしてとてもエロティック。そう、とても整っているのにどこか色気があるのだ。ものすごく、うつくしい色気が漂っている。 この本は、女性の纏う衣服について書かれている。とても難しそうな言葉が目次に並んでいるけれど、ファッションやアイデンティティの在り処についてだけでなく、フェティシズム、チラリズムについてであると言っても間違いはないだろう。どこかの官能小説よりずっと官能的な文章……もちろんこれだけではなく彼の書くどの作品も。あ、でもほんとうは哲学書です。お間違いなく。

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