美しい都市・醜い都市 の商品レビュー
ブレードランナーとかAKIRAとか攻殻とかの景色をカッコいいと思ってしまったら「醜い都市」って何なのかわかんなくなるよね。その点では美しい建物、醜い建物のレポート書かされた大学生可哀想っちゃ可哀想。いや、考えるのはおもしろいけど。あと、未来から見たらコンクリートの日本橋と首都高と...
ブレードランナーとかAKIRAとか攻殻とかの景色をカッコいいと思ってしまったら「醜い都市」って何なのかわかんなくなるよね。その点では美しい建物、醜い建物のレポート書かされた大学生可哀想っちゃ可哀想。いや、考えるのはおもしろいけど。あと、未来から見たらコンクリートの日本橋と首都高とどっちが魅力的か、ってのも意表を突かれた。
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日本橋の上に架かる首都高速の地下化についての話が載っていたので読んでみた。日本橋が西洋のコピー橋である一方で、首都高速は世界にも稀に見る複雑な道路建築として評価していて、こういう考え方もあるのかと思った。また、全体を通して、世の中の風景を美しいもの、醜いものの2つに分けて、片方を...
日本橋の上に架かる首都高速の地下化についての話が載っていたので読んでみた。日本橋が西洋のコピー橋である一方で、首都高速は世界にも稀に見る複雑な道路建築として評価していて、こういう考え方もあるのかと思った。また、全体を通して、世の中の風景を美しいもの、醜いものの2つに分けて、片方を淘汰するようなやり方の危険性が書かれている。関連図書としては、「ニッポン景観論」がおすすめ。
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五十嵐太郎氏は『10+1』などの雑誌を開くと名前を非常によく見かける,建築分野の人気作家(?)。なので,私も彼の文章を一度や二度読んだことがあるのですが,あまり惹かれるタイプではなかったので,著書は本書が初めて。というのも,大学の講義の小レポートの課題として選出したので読んだ次第...
五十嵐太郎氏は『10+1』などの雑誌を開くと名前を非常によく見かける,建築分野の人気作家(?)。なので,私も彼の文章を一度や二度読んだことがあるのですが,あまり惹かれるタイプではなかったので,著書は本書が初めて。というのも,大学の講義の小レポートの課題として選出したので読んだ次第。いかにもなタイトルに読む気がしませんが,まあ読まず嫌いもよくありません。この中公新書ラクレというシリーズも初めて。 第一部 21世紀の景観論 1章 醜い景観狩り 2章 景観を笑う 3章 日本橋上の首都高速移設を疑う 4章 渋谷のドブ川とソウルの清渓川 5章 テーマパーク化する都市 6章 東京の色彩と広告 第二部 計画とユートピア 7章 アジア・メガロポリスの建設と破壊――香港・上海・深圳 8章 押井守の未来都市 9章 幕張はいかにつくられたか 10章 管理社会が生み出す”都市伝説”――ディズニーランド・筑波・都庁舎 11章 ユートピアとしての平壌 12章 過防備都市・再論 案の定というか,本書は『10+1』に掲載された文章を多く含むもので,書き下ろしではなかった。確かに,第一部はかなり一貫して日本の現代都市景観を論じているが,第二部はバラバラな印象で,香港,上海,深圳,平壌といったアジアの諸都市の訪問記あり,押井 守のアニメーションの話ありな感じでまとまりはない。 しかし,思ったよりは頭の固い人間ではないことが分かった。といっても,彼の関心は常に具体的なものに向けられていて,私が好むような抽象論や認識論に関する議論はほとんどなかった。といっても,3章の日本橋の話や9章の幕張の話は,新書という決して文字数が多くない著書の中ではしっかりとした情報に基づいて分かりやすく説明されており,学ぶことは多かった。本書は基本的に景観に美しい・醜いの絶対的価値軸は存在しないという立場に立っている。でも,実のところは完全なる相対主義ではなく,建築家として教育を受けてきたものとしてのかなり強固な価値軸があることも確かである。
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人は生まれた場所や思い出に風景の美しさを見出すのでしょうか。 だから私は広告やネオンで囲まれたまちや、ハウスメーカーが量産した欧米風が並ぶ住宅街にも美と愛おしさを感じることができるのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
美しい景観とは、醜い景観とはどのようなものか。世の中で言われる「美しい街」にも徹底的に疑問を投げかけ、なにが美しく、なにが醜いか考える。 第11章ユートピアとしての平壌で、平壌を訪れた筆者は「ここは景観論者にとってのユートピアではないかと思った」と語る。 「建築と都市のデザインは明らかにコントロールされている」 「景観論者が嫌う諸要素が、ことごとく排除されているのだ」 とても衝撃的。
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レポートの題材として手にとった本書。 個人的には日本橋の上を走る首都高速の景観がどのように考えられているかを知りたかった。 そもそも美的感覚は極めて主観的なものである。 その「美しさ」をまち・景観に当てはめる際には相当な注意を払う必要がある。 他の書籍の表現を借りるのであれば、...
レポートの題材として手にとった本書。 個人的には日本橋の上を走る首都高速の景観がどのように考えられているかを知りたかった。 そもそも美的感覚は極めて主観的なものである。 その「美しさ」をまち・景観に当てはめる際には相当な注意を払う必要がある。 他の書籍の表現を借りるのであれば、 ”景観とはある一つの建造物をさしたものでもなければ、単に視覚的な印象に立脚するものでもなく、周辺の諸環境との調和を第一義的に考える必要がある” とのことである。 その点を鑑みれば、 欧米の都市は○○の点がよく、日本にはかけているので導入すべきだ的な物言いには疑問を感じる。 単なる無い物ねだりである。 いくらパリのシャンゼリゼ通りが美しいからといって、東京で同じ物を求めるのは不可能である。 景観の個別性の強さを考えた上で、議論する必要がある、 とまとまらないながらにも感じました。
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建築学科の1年生に美しい景観の写真をとってこさせると、はりぼての結婚式場とか、カミソリ3階建戸建てをとってくる話が始まる。 それ自体、びっくりするが、僕自身はきちんとした建築の教育もうけていないのに、建築学科1年生がとってきた写真は全部×だなと思う。それも自分でなぜかなと思...
建築学科の1年生に美しい景観の写真をとってこさせると、はりぼての結婚式場とか、カミソリ3階建戸建てをとってくる話が始まる。 それ自体、びっくりするが、僕自身はきちんとした建築の教育もうけていないのに、建築学科1年生がとってきた写真は全部×だなと思う。それも自分でなぜかなと思う。 その一方で、渋谷の雑踏とか、今はちょっと駅前がきれいになったが秋葉原の問屋街とか、香港とか上海の旧市街は好きだし、なんか圧倒されるアジアの息吹を感じる。それを景観上だめという伊藤滋先生の指摘もついていけない。 五十嵐先生は、平壌までいって徹底的に統制のとれた都市計画、建築を説明して、これがいい景観かといわれると、先生同様納得できない。 でも自分で大事にしたいという景観というポジティブリストはある。三陸の山並みや海岸の自然、鎮守の森、そういうのを緒雑な造成計画などでこわんさないでほしいこと。また、上村さんが指摘した保育園の隣の高層マンションなど。 概して、自然については自分も断固とした判断ができるが、建築物の景観については、自分も悩むし、自己中心的になってはいけないなと思う。 勉強になりました。
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(111017) 美しいか否かという基準はどんな理由をつけようか人間の主観でしかない。それ故に生じているであろう著者の発言の矛盾は客観的に受け止めてあげるしかない。 それよりも、本書の有用性は、多くの事例や意見(偏りはあるが)を引用することにより、美しさとは何かという問いに対する...
(111017) 美しいか否かという基準はどんな理由をつけようか人間の主観でしかない。それ故に生じているであろう著者の発言の矛盾は客観的に受け止めてあげるしかない。 それよりも、本書の有用性は、多くの事例や意見(偏りはあるが)を引用することにより、美しさとは何かという問いに対する答えを出すための手助けをしてくれるところにある。
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首都高の道路は本当に醜いのか?、上海に未来都市をイメージするように、日本橋にかかる首都高こそ東京のモダニズムを体現していたと100年後の人々は振り返るかもしれないという視点は新鮮だった。
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色彩、押井守、北朝鮮の話がおもしろかった。 赤・白(日本的)の秋葉原と青(外国的)の渋谷。 こういう切り口の景観論もあるのかー 中華ゴシック論。 過剰防備について。 資本主義・自由経済では監視カメラやセキュリティによって、 社会主義・共産主義では主体思想を顕現させる装置(モ...
色彩、押井守、北朝鮮の話がおもしろかった。 赤・白(日本的)の秋葉原と青(外国的)の渋谷。 こういう切り口の景観論もあるのかー 中華ゴシック論。 過剰防備について。 資本主義・自由経済では監視カメラやセキュリティによって、 社会主義・共産主義では主体思想を顕現させる装置(モニュメントや計画的都市造営)によって、 実現されるということ。 等々…門漢外なのでおもしろい視点がいっぱいあった。
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