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永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 の商品レビュー

3.9

52件のお客様レビュー

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まさに哲学。難しいけ…

まさに哲学。難しいけど時にはこういった本を読むのもいいですよ。

文庫OFF

2026/04/08

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=00144554

Posted byブクログ

2026/03/20

ここでは、カントの哲学書について述べるのではなく、本書の構成を中心に話を進めてみたい。 本書には5編が収められている。タイトルに含まれる『永遠平和のために』、『啓蒙とは何か』以外の「他3編」の題名は下記のとおりである。 『世界市民という視点からみた普遍史の理念』 『人類の歴史...

ここでは、カントの哲学書について述べるのではなく、本書の構成を中心に話を進めてみたい。 本書には5編が収められている。タイトルに含まれる『永遠平和のために』、『啓蒙とは何か』以外の「他3編」の題名は下記のとおりである。 『世界市民という視点からみた普遍史の理念』 『人類の歴史の臆測的起源』 『万物の終焉』 このなかで一番短いのは、『啓蒙とは何か』である。これはわずか17ページの論考であった。『永遠平和のために』が、一番長くて128ページ。他の3篇は30ページ前後である。ほかにはカント年譜が6ページ。訳者の中山元氏による解説が充実しており、105ページある。以上が本書の構成である。 ここからは個人的な感想を書いてみよう。 この中で私が読みたかったのは、『啓蒙とは何か』である。『カント』と『啓蒙』という2つの言葉を聞いてすぐに思い浮かぶのは、ベートーヴェンである。ほとんどのベートーヴェンの評伝には、啓蒙思想という言葉が出てくるからだ。ベートーヴェンはボン大学時代に、啓蒙思想に触れた。当時流行し始めていたカント哲学にも、影響を受けている。いくつかの評伝には、そのようなことが書いてある。しかし、本書に収められている『啓蒙とは何か』を読んでみると、カントの啓蒙は政治哲学であり、ベートーヴェンの思想の間には関連性はないように感じた。 『啓蒙とは何か』は「啓蒙の定義」から始まる。その全文は下記のとおりである。 啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ。未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないということである。人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、他人の指示を仰がないと自分の理性を使う決意も勇気ももてないからなのだ。だから人間はみずからの責任において、未成年の状態にとどまっていることになる。こうして啓蒙の標語とでもいうものがあるとすれば、それは「知る勇気をもて」だ。すなわち「自分の理性を使う勇気をもて」ということだ。(p10) ここだけを読むと、ベートーヴェンが影響を受けた感じがしないでもない。だが、全体を読むとそうでもないのだ。 中山氏の解説には、次のように書いてある。 この「啓蒙とは何か」という文章は、カントが発言の自由という一点に焦点をしぼって、自立した思考の重要性を考察したものであった。(p292) ベートーヴェンは、「自分自身で考えること」を思想の中心として持っていたわけではない。フランス革命の「自由・平等・博愛」という思想が中心であろう。ベートーヴェン像からは、「カント」と「啓蒙」という言葉は抜いた方が、より正確なイメージをつかむことができそうだ。

Posted byブクログ

2026/02/21

オランダのある宿屋には、墓地を描いた看板の上に、「永遠の平和のために」という皮肉な銘が書かれていたという。さてこの言葉は、すべての人間にあてはまるものなのか、それとも戦争に飽きることがない国の政治家たちにとくにあてはまるのか、あるいは死という甘い夢をみる哲学者だけにあてはまるのか

Posted byブクログ

2025/11/22

「世界市民という視点からみた普遍史の理念」の第九命題を読んでいたら、E・H・カーの『歴史とは何か』を思い出した。 当該箇所をメモ。 「世界の歴史はある理性的な目的にしたがって進むものであると主張し、」(p60) 現代の知識や感覚がかなり邪魔をして、読み進めるのに苦労した。

Posted byブクログ

2025/03/18

カント『永遠平和のために』は,フランスとプロイセンがバーゼルの和約を締結した1795年にケーニヒスベルクで出版された。この著作において,カントはバーゼルの和約を戦争の戦果を調整する一時的な講和条約と位置づけ,永続的な平和の実現には不十分であると批判している。そして,永遠平和の実現...

カント『永遠平和のために』は,フランスとプロイセンがバーゼルの和約を締結した1795年にケーニヒスベルクで出版された。この著作において,カントはバーゼルの和約を戦争の戦果を調整する一時的な講和条約と位置づけ,永続的な平和の実現には不十分であると批判している。そして,永遠平和の実現可能性を追求するために必要な予備条項および決定条項を提示し,法的・道徳的観点から永続的な平和の構築の枠組みを論じた。

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2024/10/06

最初に── 本書の後ろにある訳者の解説を参照すると良い。というか必須だ。時代背景や地域背景、歴史の流れの中でこそ普遍性のあるメッセージが見えてくるのだから。 私たちは常に考えなくてはならない。 カントは、いまだ未解決のテーマへの挑戦を力強くエンカレッジしてくる。 不思議に東洋...

最初に── 本書の後ろにある訳者の解説を参照すると良い。というか必須だ。時代背景や地域背景、歴史の流れの中でこそ普遍性のあるメッセージが見えてくるのだから。 私たちは常に考えなくてはならない。 カントは、いまだ未解決のテーマへの挑戦を力強くエンカレッジしてくる。 不思議に東洋思想との融合感を感じるのは、自らの認識論に『コペルニクス的転回』とキャッチコピーを付したカントならではの大きな世界観・統合感のためかもしれない。カントの時空を物ともしない視点の広さ(寛容さ)に感動してほしい。と私が思うのは、おこがましいかもしれないが ....。

Posted byブクログ

2024/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

常々感じていたことだがまずこの出版社の表紙絵の味わい深さが印象的である。読了後、視覚的にこの本の内容について思いを馳せることができるからだ。本書でいえば自分の頭で考え囲い込まれた「未成年」の状態から抜け出すべしという解放的な希望と、それを「当時はそういう時代だった」とただの歴史の1ページとして片付けてしまうことを決してさせない、という意思のようなものを感じる。敢えていえば特に最近においては「知りすぎて辛い」ということの方が多いかもしれないが、最終的には自分のことは自分で気付くしかない。仮にそうなのだとすれば、「『自分の理性を使う勇気をもて』」(本書10頁)、これほど私に勇気を与えてくれる言葉はやはり無いだろう

Posted byブクログ

2024/05/09

自分の頭で考え、道徳的に善く進歩していくことが自分が社会に対してできることだと思いたい。 自己の考えを他者と交わして、高めあえると尚良いと。 現代の在り方にも通ずる提言がたくさんあった。 カントの言う、周囲を啓蒙できる哲学者って現代にどれだけいるのだろう。 過去の哲学者を研究し...

自分の頭で考え、道徳的に善く進歩していくことが自分が社会に対してできることだと思いたい。 自己の考えを他者と交わして、高めあえると尚良いと。 現代の在り方にも通ずる提言がたくさんあった。 カントの言う、周囲を啓蒙できる哲学者って現代にどれだけいるのだろう。 過去の哲学者を研究して、解釈について思考を巡らすのが哲学者といえるのか。

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2023/11/01

・古代ギリシアのポリスでは、市民はみずから真理と信じることを政治の場で発言する権利を認められていた。これはパレーシアという権利だった。この権利はローマにおいてもうけつがれ、西洋の政治の伝統において重要な役割をはたしたのだった。カントが哲学者として要求したものも、このパレーシアの権...

・古代ギリシアのポリスでは、市民はみずから真理と信じることを政治の場で発言する権利を認められていた。これはパレーシアという権利だった。この権利はローマにおいてもうけつがれ、西洋の政治の伝統において重要な役割をはたしたのだった。カントが哲学者として要求したものも、このパレーシアの権利と同じように、みずからの思索を公開し、他者との対話のうちで、みずからの思索を鍛えていく可能性を確保することだったのである。

Posted byブクログ