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梅原猛の授業 仏教 の商品レビュー

4.2

24件のお客様レビュー

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2012/06/22

非常に読みやすかった。 やはり中学生くらいのころに、きちんと宗教について教えないから、いたずらに宗教を危険なものだと思ったり、いきなり新興宗教にはまりこんだりしてしまうんではないだろうか。 日本人として、仏教がどのようなものであるか知らないのは恥だと思うし、キリスト教やイスラム教...

非常に読みやすかった。 やはり中学生くらいのころに、きちんと宗教について教えないから、いたずらに宗教を危険なものだと思ったり、いきなり新興宗教にはまりこんだりしてしまうんではないだろうか。 日本人として、仏教がどのようなものであるか知らないのは恥だと思うし、キリスト教やイスラム教についてもきちんと知るべきだ。

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2012/05/05

実際の中学校で宗教の授業をしたものを文庫化したものなので、とても読みやすい。自分にはこういう中学生向けの話しがちょうどいいのかなと思ったりもする。授業が行われたのは、東寺境内内にある真言宗設立の洛南高校(中学校?)だ。 われわれに宗教は必要か? そのQに沿って授業は進む。『カラ...

実際の中学校で宗教の授業をしたものを文庫化したものなので、とても読みやすい。自分にはこういう中学生向けの話しがちょうどいいのかなと思ったりもする。授業が行われたのは、東寺境内内にある真言宗設立の洛南高校(中学校?)だ。 われわれに宗教は必要か? そのQに沿って授業は進む。『カラマーゾフの兄弟』の事例紹介は分かりやすかった。無心論者のイワンは、父親ヒョードルの「神様はあるか。不死はあるか?」という問いに、「神もありません。不死もありません。だけどね、父さん。神様がなかったら文明というものもありません」と答える。梅原猛は、『カラマーゾフの兄弟』は、イワンの思想が中心になっていると読み解く。宗教がなかったら、神を信じなかったら、道徳もありえない。道徳がなかったら何をしてもいいことになる。だから、親を殺しても構わない。。。ドストエフスキーは親殺しも許されるというイワンの思想が近代の帰結と考えていると。梅原猛も、これに同意しつつ、「いま、近代の帰結は見えているけど、まだ救いの方向は明らかになっていない」という。 宗教がない文明はない。だから、サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』は、宗教の衝突でもあるという。世界の歴史は文明の興亡であり、宗教の興亡の歴史であると見る。 後半の日本の仏教の流れも分かりやすかった。華厳経の思想、法華経の思想、最澄・空海、法然・親鸞、日蓮・禅宗の思想。そして、明治以降の文学に生きる仏教思想。 最後の遺伝子の視点に立った、個人のなかに全生物の歴史が入っているという自利利他の説明も何かなっとくする。 おそらく、何回か読み直すであろう本だと思う。

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2012/04/29
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仏教の概説である。小・中学生向けの話だけあってわかりやすい。宗教の歴史、これからの役割を考えると現代はひとつの分岐点を迎えているように思う。それがどの方向なのかについてはほぼ考えがまとまりつつあるが、もう少し固めてから改めて論じたい。

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2011/12/07

じいちゃんのススメで読んでみた。中学での仏教に関する授業の様子が本にまとめられている一冊。少し小難しいのかなぁと身構えていたけど、さくさく読めた。仏教の概要やキリスト教との違いがわかりやすく解説されていて面白かった。確かに文化の背景に宗教が潜んでいるのは確かだなぁと思った。筆者と...

じいちゃんのススメで読んでみた。中学での仏教に関する授業の様子が本にまとめられている一冊。少し小難しいのかなぁと身構えていたけど、さくさく読めた。仏教の概要やキリスト教との違いがわかりやすく解説されていて面白かった。確かに文化の背景に宗教が潜んでいるのは確かだなぁと思った。筆者としては今仏教が必要との論調だった。

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2011/10/05

実際の授業をもとにしたものとは思わなかった。ちゃんと確認して読まなきゃ駄目だな。 仏教入門+仏教史みたいなものを期待していたのでちょっと期待はずれ。

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2011/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

森を崩して耕作をして文明が発展した地域は砂漠化している。ハンチントンの『文明の衝突』的な視点で仏教はどういう位置にあるのか。仏教というよりも宗教の意味、道徳観の易しい講義。

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2011/08/30

仏教って不思議だったのです。 お釈迦様が悟りをひらき、その教えを広めたのが仏教の始まり、ということは知っていたのです。でも、じゃあ観音様って何だろう?菩薩様は?何でこんなにたくさん宗派があっていろいろ別の仏を祀っているのだろう、と。一人の生身の人間の教えからどうして宗教が派生し、...

仏教って不思議だったのです。 お釈迦様が悟りをひらき、その教えを広めたのが仏教の始まり、ということは知っていたのです。でも、じゃあ観音様って何だろう?菩薩様は?何でこんなにたくさん宗派があっていろいろ別の仏を祀っているのだろう、と。一人の生身の人間の教えからどうして宗教が派生し、ここまで多様になってしまったのかがよくわからなかったのです。この頃、少しいろいろかじりましてようやくわかるようになりました。なるほど、だから観音様にもいろいろな方がいて、さらに菩薩様がいて、天部がいるんだな、と。 宗教と言うものがこれから必要になる。その意見には賛同しますが…現状の宗教にあまり魅力を感じないので…。まあ本当に素晴らしい宗教・宗教家の方もたくさんいらっしゃるのでしょうがまだめぐりあってないなあ…自分は。

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2010/08/19

仏教について客観的かつ優しく語っている貴重な一冊、宗教全般の基礎知識にも触れる。 京都の洛南中学附属中学校で行われた「宗教の授業」での口頭内容に加筆したもの。話者(著者)の梅原が重視する項目になると、興奮して関西弁になる。著者の思いが分かりやすいという点でも斬新で面白い。 「な...

仏教について客観的かつ優しく語っている貴重な一冊、宗教全般の基礎知識にも触れる。 京都の洛南中学附属中学校で行われた「宗教の授業」での口頭内容に加筆したもの。話者(著者)の梅原が重視する項目になると、興奮して関西弁になる。著者の思いが分かりやすいという点でも斬新で面白い。 「なぜ宗教が必要なのか」という論戦必死の命題に対して、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」を引き合いに、「神が無ければ道徳は無い」→「道徳がなければ文明は無い」→つまり「文明(≒神)が無ければ人間は何をしても良い」という梅原独特のスタンスが存在する。 この問題提起から物語は始まる。 この興味深い論点は、本書中で行われる中学生とのディスカッションで、より深く明解な考察が与えられるため、そちらを読んで頂きたい。「自分なりの哲学・美学・倫理を持っていれば問題ない」という意見との論戦は一見に値する。 一方で、本書は仏教とその他宗教との比較にも面白い考察を残している。西洋宗教(キリスト・ユダヤ・イスラム等)が人間中心主義的で、東洋宗教(仏教・儒教等)が自然中心主義的であるという意見はよく目にするし、なんとなく理解できる。 仏教の持つ最大の魅力であるこの点を、各宗教の聖典や伝説を引用し論理的に説明しているところが見事である。例を挙げるならば、十戒の「汝(隣人を)殺すなかれ」と仏教の「不殺生戒」の違いだろうか。人間を対象とする十戒に対して、仏教においては、一切衆生、つまり生きとし生けるもの全てを対象としている。ゴルゴダの丘で磔にされ最後を迎えたイエスに対し、沙羅双樹の根元で静かに涅槃を迎えた釈迦を比較している点も面白い。 ただ、梅原自身が仏教徒である点を考慮すると仕方が無いように思えるが、多少仏教優越的な論理に傾きがち(それでも、他書籍と比べれば十分中立的である)。 仏教の基礎に関する豊富な知識も見逃せない。カテゴライズするなら、以下のようになる。 ・初期仏教(釈迦・龍樹) ・仏教における規律・原理(四諦・六波羅蜜・八正道・十二因縁) ・大乗、小乗仏教 ・生活の中に生きる仏教(四弘誓願) ・飛鳥時代から鎌倉時代にかけての日本の仏教 聖徳太子、行基から空海、最澄を経て、法然、親鸞、一遍、日蓮、道元、栄西という日本仏教の立役者たちの思想、またその系譜を非常に分かりやすく解説してくれる。 おまけとして(?)仏像の知識も語られる。 軽く紹介すると、仏像は4つのグループに分けられるらしい。 如来:天パ、基本的にアクセサリー無し。 菩薩:普通の人間の格好、アクセ装備。 明王:如来は菩薩を守る神なので、怖い顔。 天部:バラモン教出身らしいエキゾチックな外見、四天王や大黒様が良い例。 この点に注目して仏像を見てみると面白い。 ---------------------------------------- 最後に、興味深い一説を引用してレビューを終わりにします。 「生涯で子供を持つことはなくても、精神的にこの世に影響を与えれば、遺伝子を残すことが出来たとも言える。人間の現在の命の中に永遠の過去と永遠の未来が入っている。」 うーん、深いですね。RADWINPSの「memeshe」を聞いたことある人はピンと来たんじゃないでしょうか。 というふうに、哲学として、宗教学として、また身近に感じてもらうためのトリビアとして仏教を扱っている本書。平易な文体と簡易な表現、宗教について学びたい方の足掛かりとしての一冊に最適。 おススメです!

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2009/11/16

ちょっぴり立ち読みして、「近代の最大の仏教者は文学者である」という言葉を見つける。じゃあ、宮沢賢治とかのことも書いているんだろうなあ…気になる。

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2009/10/04

祖父の本棚から借りて読んでみたもの。 面白かったです〜講義録ってあんまり好きじゃないイメージあったんですがすごくわかりやすかったです。(中学校で行われた授業です) 著者の方が元は無神論者だったらしく、かたよりの無い感じで入りやすかったです。 しかし私高校の頃仏教教育があるとこ行っ...

祖父の本棚から借りて読んでみたもの。 面白かったです〜講義録ってあんまり好きじゃないイメージあったんですがすごくわかりやすかったです。(中学校で行われた授業です) 著者の方が元は無神論者だったらしく、かたよりの無い感じで入りやすかったです。 しかし私高校の頃仏教教育があるとこ行ってたんですが結構内容忘れてて申し訳ない気持ちになりました笑 宗派の違いで結構違うんですね!というか聖人って元暴走人みたいな人多いな!龍樹さんとかファウスト先生みたいなことしてるじゃないか!笑

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