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四度目の氷河期 の商品レビュー

3.5

71件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

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2024/05/26

スピーカーの下を見たら、台座に数冊の単行本が眠っていた。その中の一冊を開いてみると2006年の初版の荻原浩「四度目の氷河期」。実に18年も寝かせて熟成させていた。 なんとなく読み出してみたら、これが面白い。さすが18年熟成物! 自分が普通でなく何者でもないワタルが、アイスマンに出...

スピーカーの下を見たら、台座に数冊の単行本が眠っていた。その中の一冊を開いてみると2006年の初版の荻原浩「四度目の氷河期」。実に18年も寝かせて熟成させていた。 なんとなく読み出してみたら、これが面白い。さすが18年熟成物! 自分が普通でなく何者でもないワタルが、アイスマンに出会ってクロマニヨンに執着しだしてから、本当の自分を見つける旅がはじまる。母親、本当の父親、サチ、槍投げなどさまざまなものが、ワタルを揺り動かし真の自分に近づいていく。差別、阻害、孤独の中、温かい光を見つけることがいかに必要か!クロマニヨン、母親、サチ。ワタルには確かにそんな光が、道標が身近にあった。

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2022/01/04

研究者を母に持ち、父のことは教えられず育ったワタル。 周りの子供たちとはあまりに違う容姿、そして母が研究者であるということ、父のことを尋ねても教えてもらえないことから、ワタルは自分はきっとクロマニョン人のミイラと母の間に産まれたと信じるようになる。 少年が成長し、アイデンティティ...

研究者を母に持ち、父のことは教えられず育ったワタル。 周りの子供たちとはあまりに違う容姿、そして母が研究者であるということ、父のことを尋ねても教えてもらえないことから、ワタルは自分はきっとクロマニョン人のミイラと母の間に産まれたと信じるようになる。 少年が成長し、アイデンティティを獲得するまでのお話。 多くの人が通るアイデンティティの模索としてはクロマニョン人はなかなか面白いと思ったけど、個人的にはいまいち響きませんでした。 共感できる部分が少なかったからかな。

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2021/10/29

荻原さんったらもう‼︎ この題名だし、この表紙だから、何かが地球に起こって少年がサバイバル…って話かと思い、またしても、図書館で手に取っては後回しにしてました。私のお馬鹿さん。結局一気読みしてしまいました(〃ω〃) ものすごく良かった〜‼︎ 確かにある意味、自分探しをするワタル...

荻原さんったらもう‼︎ この題名だし、この表紙だから、何かが地球に起こって少年がサバイバル…って話かと思い、またしても、図書館で手に取っては後回しにしてました。私のお馬鹿さん。結局一気読みしてしまいました(〃ω〃) ものすごく良かった〜‼︎ 確かにある意味、自分探しをするワタルのサバイバルのお話です。序盤から、周りの子と同じように出来ない、見た目が違うからといじめられたりする、そんな時にワタルがどう感じ、どうやって過ごしていくか考える姿は、いじらしくも切なくもありました。孤独ながら逞しくなっていくワタル。 そして、なんといっても素晴らしいのが、ワタルのお母さん。そして、サチの存在。色眼鏡なしにワタルを見てくれる先生達の存在や、幼かった子供達が成長していき変わっていく様子も、さりげない荻原さんの明るいタッチで描かれます。やっぱり上手いなぁと思う。 陸上競技に進んでいくあたりは、青春の光が見えてきて嬉しくなります、逆に病院のシーンは悲しくって…読みながら泣きじゃくってしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) 図書館で借りたけど、文庫本買おうかなぁ…と思ってます。とても好きな作品となりました。やっぱり荻原浩さんは、全部読まねば‼︎ 心に残ったフレーズをいくつか… ーーーーー たった一個の石鹸で、人は命を失うことがあり、誰かが長く悲しむこともある。悲しみは石鹸じゃ落とせない。 「検証終わり。ゆえにあなたはADHDじゃない。これはあなたの個性なの。少し個性が強すぎるだけ。母さんもあなたのいまの個性の強さを、いい方向に持っていくやり方を考える。「がんばれ」って言っちゃいけないって書いてある医学書もあったけど、がんばりましょ。努力のないところに成果は出ないもの。あなたも我慢できる時は、がんばってみて。無理はしなくていいから」 辿っていくと、人類はみな、二十万年前のたったひとりのアフリカ人の女性の子孫であることがわかるのだそうだ。 ぼくは父親がいないことに悩み、サチはいることに悩んでいる。ぼくらは自分の殻が気に入らないカタツムリとヤドカリみたいなものだった。 都会の考え方。たった山ひとつぶんで、住む人の考え方はころりと変わる。 「ふつうの人間なんて、どこにもいないんだよ。みんな少しずつ違う。確かに地球の上から見下ろせば、お前の存在は何十億分の一でしかない。俺もそう。ちっぽけなもんだ。だけど、考えてみろよ。何十億分の一にしろ、お前はこの世にお前しかいないんだぜ」 いつもひとりぼっち。ぼくは長く自分のことをそう思っていた。だけど、自分で思ってるほど、ぼくはひとりじゃないのかもしれない。 「答えはひとつとは限らないのよ。しかも、それぞれが本当の答えなのかどうかもわからない」 ぼくらの足もとにある大地や、頭の上に広がる空は、決して人間の都合で存在してるわけじゃないんだ。

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2019/12/10

母子家庭なので自分の父親をクロマニヨン人だと思ってしまうところがこの主人公のぶっ飛んでいるところだが,全体的にはボーイミーツガールの青春物.融通のきかないワタルのまっすぐなところが微笑ましい.

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2016/05/10

良かった、未来のある終わり方で。クロマニヨン人が父親の時は、こ・・・これはSFなのか?と思いながら、徐々にその実体は人間であり、彼にかかわる人達が何気に良い人が多くなって行って。結末が「救いのない・ジ・エンド」でなくて、ほっと肩の力を抜くことが出来たのだ。

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2015/12/29

博物館でアイスマンに会う書き出しで読んでみたくなり、借りた。 ちょっと変わった男の子が自分のルーツに悩みながら次第に青年になっていくお話。男子が大人になる過程って、なかなか大変。槍にまつわるエピソードが全体を通して生き生きとしていた。

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2015/06/15

5歳から18歳までのワタル君の話。母子家庭で育ち父親は死んだと聞かされて育ったワタルは、クロマニヨン人が自分の父親だと思い込む。外見が他の日本人の子供と違ってきた事もあり石器時代に戻っても役立ちそうな事ばかりをやる。思い込みが激しく暴力的なワタルは、母親が病気になり…最後は父親を...

5歳から18歳までのワタル君の話。母子家庭で育ち父親は死んだと聞かされて育ったワタルは、クロマニヨン人が自分の父親だと思い込む。外見が他の日本人の子供と違ってきた事もあり石器時代に戻っても役立ちそうな事ばかりをやる。思い込みが激しく暴力的なワタルは、母親が病気になり…最後は父親を探しにロシアに行くが終始イラつかせるワタルの言動はADHD寄りだと思ったし最後のあの行為は許されない。

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2015/06/05

絶対に読んだことのある本やわぁ。 と思いつつ読んでしまった。 生きにくい人間生活を見て、誰でもそうか・・・って安心した。

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2015/04/17

題名と表紙絵を見たとき、氷河期にタイムスリップした話かなと思ったが違っていた。  南山渉は、父親が誰か知らない。母親は、田舎町に出来た遺伝子の研究所に勤めている。  ワタルは自分が「普通の子」ではないことに、5歳のとき、気がついた。他の子のようにおとなしく座っていることがで...

題名と表紙絵を見たとき、氷河期にタイムスリップした話かなと思ったが違っていた。  南山渉は、父親が誰か知らない。母親は、田舎町に出来た遺伝子の研究所に勤めている。  ワタルは自分が「普通の子」ではないことに、5歳のとき、気がついた。他の子のようにおとなしく座っていることができないのだ。からだがムズムズしてきて、自分がおさえられなくなって、大声を出して、園庭を走り回るのだ。  また、絵を書くと、変な色を使うといわれる。顔や髪の毛の色も違っている。  渉はだんだん人と接するのが怖くなってくる。  ある日、クロマニヨン人のミイラがロシアで発見された、というニュースを母の本から発見した渉は、自分がほかの子と違うのは、自分がクロマニヨン人の子どもだからだと自覚する。母はロシアの研究所にいたのだ。  彼はクロマニヨン人として、来たる四度目の氷河期にでも耐えうる知恵と肉体を得るために、石でナイフや矢じりをつくった。槍を投げて狩りするイメージの中にいるとき、彼は自分が確かに存在していることを感じるのだった。  そして、サチという女の子との出会いがあり、彼らは閉鎖的な町の中でいっしょに成長していく。  サチは、父親から暴力をうけていた。  そして、母親がガンで死ぬという出来事があり、彼はロシアにいるという父親に会いに行く…。  5歳から18歳までの彼自身の成長の物語が、彼自身の言葉で書かれている。  自分を理解してもらえないもどかしさの中で、クロマニヨン人の子どもという物語が作られ、彼の自分探しの旅は、サチとの関係の中で豊かに育っていく。  いろいろな場面で共感し、サチとの関係が上手くいかないと、もどかしくもなってくる。けっこう長い話なのだが、一気に読ませてくれた。  

Posted byブクログ

2013/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

田舎の研究所に勤める母親と二人で暮らす南山渉。小学生の彼は、自分の父親はクロマニヨン人だと信じている。薄い茶色の髪と瞳の色。周りと異なる風体を持て余し、友人のできない孤独を味わいながらも渉は成長する。 最初は退屈な物語かと思ったが、面白かった。途中からグイグイ引きつけられた。

Posted byブクログ