アフターダーク の商品レビュー
夜が始まってから明けるまでの物語。途中高橋の発言にもあったが、善と悪、自分とは接点がないだろうと思う世界でも表裏一体で何かの拍子に繋がってしまうと伝えたかった内容なのかなと感じた。
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話自体は分かる。ただ、理解しているかは不明だ。 エリの内面世界が唐突に終わったり、白川の最後がよく分からないままだったりするが、結局はマリが抱えるコンプレックスや恐怖を越えた先の希望についての話、だということか。 そういう視点からみれば、面白くないわけではない。
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理解するのは難しいけど、自分なりの解釈を持てればそれでいいんだろうと思えるから、読書はいいなあと改めて感じた作品
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人生に於いては考えもしないような出来事が平気で起こる。積み上げてきたものが一瞬で崩れ落ちたりする。そういう不安定な世界を私たちは生きている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この物語は、空を飛ぶ夜の鳥の視点から「私たち」が見た都市の描写から始まる。その視点が降下して、その視野に登場人物が映り込み、物語が始まる。物語の登場人物はその視点=カメラの前に現れ、事件や事象が起きて物語は進行する。物語はカメラの視野が「私たち」の目の前にある画面に映し出されるかのように進んでゆく。 カメラの視点は物語を進めていく登場人物の視点とは一致しない。従って、カメラはそこで起こったこと、そこで語られた言葉を伝える外的焦点化の視点である。カメラの視点を通じて登場人物について語られるのは、外部に現れる行動や発言のみであり、カメラに映る登場人物の内面は、ごく一部の意図的と思われる外的焦点化の破綻(12章でタクシーに乗った白川が海を思い出すシーンなど)を除いては基本的に描かれない。 しかし、この物語にはもう一つ、カメラが映した映像を通じて物語を観察する「私たち」という構造が存在している。「私たち」という主語は全ての章に現れるわけではないが、物語の進行を全て把握していると思われることから、物語の全てをカメラによって映し出された映像を通じて観察していると考えられる。むしろカメラの移動に関しては、視点の切り替えや、大きな移動(エリの部屋からテレビの中の部屋への移動のような)、あるいは登場人物が立ち去った場面にとどまり続けるなど、「私たち」の意思が現れる場面もある。「私たち」は、映画の観客よりもずっと主体的に物語世界を覗き見るものとして、この物語に作中人物として登場している。「私たち」と登場人物は同じ世界にいながらもカメラの向こう側とこちら側のように交わることは無い。「私たち」は自らを「純粋な視点」と呼びながら、「私たちは知っている。しかし私たちには関与する資格がない(10章)」、「・・・私たちは声に出して叫んでしまう。中立を保たなくてはならないというルールを思わず忘れてしまう(14章)」などのように意思を持った作中人物として現れる。つまり「私たち」においては内的焦点化による物語の内側からの語りが行われているのである。 このように、この作品は密接で同時進行的な外的焦点化と内的焦点化が絡み合った語りになっている。さらに「私たち」という言葉による読者の共犯者的な巻き込みや、外的焦点化のレイヤーにおいて焦点化が不安定になる部分をあえて作ることで独特の緊張感を持った物語世界を構築している。
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好きな人から借りて読んだ本。 村上春樹は、読むけど、 どちらかというと、あんまり得意ではない作家だなぁと思いながら。 でも、村上春樹の中では、私としては読みやすかった作品。 1日の夜中から明け方までの話。 ◯時、◯時と時間軸で話が進んでいく。 現実的な話と、村上春樹っぽい抽...
好きな人から借りて読んだ本。 村上春樹は、読むけど、 どちらかというと、あんまり得意ではない作家だなぁと思いながら。 でも、村上春樹の中では、私としては読みやすかった作品。 1日の夜中から明け方までの話。 ◯時、◯時と時間軸で話が進んでいく。 現実的な話と、村上春樹っぽい抽象的な世界の話が、交互に折り重なっていくスタイル。 話の結論としては、結局なにが言いたいのかよく分からなかったけど、 私が心に残ったのは、最後のコオロギさんの話。 何か良くない過去の出来事ことから、逃げて暮らしているコオロギさんが、 「人は誰でも思い出の詰まった引きだしを持っていて、幸せな記憶を引き出せるから生きていられる。」といったようなところ。(うろ覚え) たしかに幸せな記憶がなかったら、絶望して、人は生きていけないのかもしれないなぁ。 辛いときも、幸せな記憶を思い出せば、また夢や希望を持って生きていける。 本の内容は、あんまり意味がなくても、 寝る前に、シンと静まり返った部屋で それぞれ本を読む時間が好きだったなぁ。 そんな時間にピッタリな、静かな物語だった。
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読んでいる間は情景が想像でき、ドキドキハラハラしたり、淡い恋模様に期待したりと面白かったのですが。これで終わりなの?色々展開に期待してはいけないの?これがハルキ風なの? と、どうとらえてよいか悩んでいます。
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面白かった。新たな視点からの三人称視点は新鮮で映画のように客観性に徹底した描写だと思った。且つ、小説の利点である個人の心理描写も疎かでない。個人的にすごく好みの手法だった。ストーリー的にはやや起伏に欠けるというか、何か劇的な事件性があることは起こらないのだけれど、マリを中心とした...
面白かった。新たな視点からの三人称視点は新鮮で映画のように客観性に徹底した描写だと思った。且つ、小説の利点である個人の心理描写も疎かでない。個人的にすごく好みの手法だった。ストーリー的にはやや起伏に欠けるというか、何か劇的な事件性があることは起こらないのだけれど、マリを中心とした何気のないある一夜の出来事は淡々と過ぎていって心地よく読めた。孤独な夜に寄り添ったような作品に思える。
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『11:56PM〜6:52AM 都会の夜の静寂の中で…』 登場人物は、人間界よりエリ・マリ姉妹、高橋、カオル、コムギ、コオロギ、郭冬莉、バイクの男、白井、異界より漂う視点(わたしたち)とテレビの中から覗く男。それぞれが繋がりがあるようでないような、不思議な村上ワールドが展開され...
『11:56PM〜6:52AM 都会の夜の静寂の中で…』 登場人物は、人間界よりエリ・マリ姉妹、高橋、カオル、コムギ、コオロギ、郭冬莉、バイクの男、白井、異界より漂う視点(わたしたち)とテレビの中から覗く男。それぞれが繋がりがあるようでないような、不思議な村上ワールドが展開される。
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『ゆっくり歩いて、たくさん水を飲む。』 いつか、意味もなくファミレスで本を読みながら、 更けていく夜を過ごしてみようかな。
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