アフターダーク の商品レビュー
早朝、まだ街が動き始める寸前の雰囲気が好きな人にお勧めしたい作品でした。ある意味リアリティー溢れる雰囲気は、歌舞伎町から大久保あたりのあの辺の街を連想しながらその世界に浸りました。そのリアリティーと共に不思議なファンタジー的な視点、なにより人間の温かみが伝わる期待以上のお話しでし...
早朝、まだ街が動き始める寸前の雰囲気が好きな人にお勧めしたい作品でした。ある意味リアリティー溢れる雰囲気は、歌舞伎町から大久保あたりのあの辺の街を連想しながらその世界に浸りました。そのリアリティーと共に不思議なファンタジー的な視点、なにより人間の温かみが伝わる期待以上のお話しでした。
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美しい本。 視点がとにかく良い。 抽象的なようで具体的でもある、 掴み所のない情景を何故か連想できる。 表現力の素晴らしさに感服。 登場人物たちがそれぞれギリギリのところで 交錯しなかったのもまた良い。 カタルシスは感じられなかったが登場人物たちの 今後のイメージはしやすい。...
美しい本。 視点がとにかく良い。 抽象的なようで具体的でもある、 掴み所のない情景を何故か連想できる。 表現力の素晴らしさに感服。 登場人物たちがそれぞれギリギリのところで 交錯しなかったのもまた良い。 カタルシスは感じられなかったが登場人物たちの 今後のイメージはしやすい。期待が膨らむ。 こういう作品に触れる度に感受性が豊かになれる。
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手元の本には帯が付いていて、「行き先は見知らぬ秋へ」という惹句がいい。 どこへ行けるんだろうと期待する。同時に「見知らぬ」という言葉の不透明さと、秋のイメージの物悲しさが合わさって、不穏で微かな緊張感も伝わる。 夜を歩いていく物語なので、物語を読み進めている間も、見えそうでまだ...
手元の本には帯が付いていて、「行き先は見知らぬ秋へ」という惹句がいい。 どこへ行けるんだろうと期待する。同時に「見知らぬ」という言葉の不透明さと、秋のイメージの物悲しさが合わさって、不穏で微かな緊張感も伝わる。 夜を歩いていく物語なので、物語を読み進めている間も、見えそうでまだ見えてこない「見知らぬ秋」のつめたさを想いながら読む。 ただ、「見知らぬ秋」は辿り着いてみると意外と懐かしい思いがするのかもしれない。 まだここはぬるい夏の夜。 真夜中に「ここ」を抜け出したいけど物理的に難しい時に読みたい。
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ブクログのスコアを見る限り、村上春樹作品の中ではあまり評価は高くないようだけど、スイスイ読めた。 白川が中国マフィアに見つかって背中をトンと叩かれる場面を見たかったが、登場人物同同士、結構ニアミスまでは行くのだけど交錯はしない、という感じなので、終盤の伏線回収にカタルシスを求め...
ブクログのスコアを見る限り、村上春樹作品の中ではあまり評価は高くないようだけど、スイスイ読めた。 白川が中国マフィアに見つかって背中をトンと叩かれる場面を見たかったが、登場人物同同士、結構ニアミスまでは行くのだけど交錯はしない、という感じなので、終盤の伏線回収にカタルシスを求めるひとにはまったく楽しめない筋書きかも。 他のひとの感想を読むと、高橋くんの評判があまり良くないのが、意外といえば意外。 コオロギさんの発言から(P247) 世の中にはね、一人でしかできんこともあるし、二人でしかできんこともあるんよ。それをうまいこと組み合わせていくのが大事なんや
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登場人物1人1人に愛着がもてる。 内容や表紙だけを見ると一見暗そうな印象を受けるが、読んでみるとそうでもなく、さっぱりしていて読みやすかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
深夜(闇、迷い)から、朝(希望)に向かって流れていく物語。 文明が発達して、本来眠りにつくはずの深夜にも、明かりが完全に消えることはなくなり、人々は活動する。 物語に出てくるラブホテル、アルファビルは、古い映画の中に出てくる都市の名前からつけられたもので、その都市では涙を流して泣いた人は逮捕されて公開処刑される。感情をもたず、数式的に処理される都市。 深夜に働くSE白川は、機械的に、プログラムされたシステムのように、仕事からセックス(性処理)までをおこない、突発的なバグ(女性の予定外の生理)には対処できず、正常な軌道へ戻すために仕方なく中国人の売春婦を殴る。 本来は見ることなどできないはずの、自身を映すための道具、鏡は血肉通うこちら側の世界を異質にするものである。鏡のなかでも、ブラウン管の中でも、どこかこちら側とは歪に違った世界があり、その中では、現実世界では眠り続けている姉のエリ(自分を見失った)が起きて、助けを求めている。 ブラウン管の世界でエリを見つめる仮面の男は白川ではないだろうか。 機械的に働くだけの人間には、顔(表情、感情)なんて必要がなく、それがブラウン管の向こうでは具体化して表されていたのではないか。それらは、場所が白川のオフィスと酷似していることや、白川が使っていた鉛筆が物語っている。 人が眠らなくなったのは、まだほんの最近のことで、そういった急激な変化に対する不具合は、人々のあらゆる場面で起きている。 その不具合に囲まれ、それでも強くありたいと踏ん張るマリと、人々の不具合を別の側面(犯罪者心理)から観察しようと考える高橋。 そして、夜が明け朝がきて、ほんの少し、ほんの少し、眠り続けるエリの口元に僅かに希望が見えて終わる。 私たち読者が第三者の客観的な目線から、これら夜から朝にかけての出来事を垣間見る。
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お泊まりした夜の「あなたと私、こういうところあるよね」「昔こんな体験したことあって」とか。 落ちのない話を永遠とするときの、あの静けさと、重いけど嫌な感じのしない夜が持つ空気感とかが好き。 あの空気感を読めた一冊な感じ。 好きだな 記憶を燃料としている、がまさにそうで。 これ...
お泊まりした夜の「あなたと私、こういうところあるよね」「昔こんな体験したことあって」とか。 落ちのない話を永遠とするときの、あの静けさと、重いけど嫌な感じのしない夜が持つ空気感とかが好き。 あの空気感を読めた一冊な感じ。 好きだな 記憶を燃料としている、がまさにそうで。 これからも大事にしたい。
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不思議なお話だった。 一晩での様々な人達との出会い。 高橋の「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」というフレーズが印象的だった。
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夜が更けてから、明けるまでの一夜の話。 常に一人称複数で語られる珍しい構成。 会話量がすごく多く、リズムがいいのですぐに読み終わる。 結局、エリとは何だったのか、白川のその後は、など気になることが多々。
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村上春樹の作品のイメージと違い、登場人物の会話が多く物語が動くのも早く感じました。(作中で流れるトータルの時間は短いですが) 自分は新鮮に感じられて楽しかったです。 ホテルの人たちが優しくて良かった。カオルさん好きです。エリとマリ、高橋も優しくて応援したい気持ちで終われました。...
村上春樹の作品のイメージと違い、登場人物の会話が多く物語が動くのも早く感じました。(作中で流れるトータルの時間は短いですが) 自分は新鮮に感じられて楽しかったです。 ホテルの人たちが優しくて良かった。カオルさん好きです。エリとマリ、高橋も優しくて応援したい気持ちで終われました。白川は結局何だったのでしょう?
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