ローマ人の物語(27) の商品レビュー
改めて、ローマ人のインフラ整備への情熱に圧倒された。街道の素晴らしさよ。いつか実物を見たい。橋を作るのも街道と同様の情熱を持って作られており、写真で見ても感嘆する。そして、地図がとても興味深い。イラストとしても、とてもかわいい。ローマ、本当にすごいなぁ。
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すべての道はローマに通ず。ローマのインフラに注目した巻。上巻はローマの街道と橋について。日本でも江戸時代に宿場を備えた五街道が整備されたが、広大なローマ帝国でも既にそういう街道システムが機能していたのはすごい。パックス・ロマーナといわれた平和な時代、地図を手に街道を行きかう人々に...
すべての道はローマに通ず。ローマのインフラに注目した巻。上巻はローマの街道と橋について。日本でも江戸時代に宿場を備えた五街道が整備されたが、広大なローマ帝国でも既にそういう街道システムが機能していたのはすごい。パックス・ロマーナといわれた平和な時代、地図を手に街道を行きかう人々に思いを馳せた。ローマ時代の旅行用コップ、私も欲しい。
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紀元前3世紀、地球の東と西で大規模な土木工事がはじまった、東方では万里の長城ーーー前3世紀の秦の始皇帝時代に建設された長城だけでなく16世紀の明の時代の建設の長城まで加えると、その全長は5千キロに及ぶ。西方ではローマ街道網ーーー前3世紀から後2世紀までの5百年間、幹線だけでも8万...
紀元前3世紀、地球の東と西で大規模な土木工事がはじまった、東方では万里の長城ーーー前3世紀の秦の始皇帝時代に建設された長城だけでなく16世紀の明の時代の建設の長城まで加えると、その全長は5千キロに及ぶ。西方ではローマ街道網ーーー前3世紀から後2世紀までの5百年間、幹線だけでも8万キロ、支線まで加えれば15万キロに達した。 この考え方の違い、防壁は人の往来を断つが、街道は人の往来を促進する。自国の防衛という最も重要な目的を異民族との往来を断つことによって実現するか、それとも自国内の人々の往来を促進することによって実現するか。 ローマ軍は兵站(ロジスチック)で勝つ。 一人一人の兵士の精神力に期待するのは最後にくることで、それ以前になされていなければならないのは、個々の兵士が精神力を最高に発揮できるための環境の整備、つまり「ロジスチック」である。 ローマのインフラ整備とりわけ街道網の構築の話。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ローマ帝国が街道網を整備し始めたのと、中国で万里の長城が造られ始めたのは、歴史上ほぼ同時期なのだそうだ。 卑弥呼の600年くらい前。 ”防壁は人の往来を断つが、街道は人の往来を促進する。自国の防衛という最も重要な目的を、異民族との往来を断つことによって実現するか、それとも、自国内の人々の往来を促進することによって実現するか。” なるほど。 ローマの街道はもともと軍用道路として作られたのだけど、道があれば人は通るわけだから、そうすると街道筋に馬の交換所ができたり、食事処ができたり、宿泊所ができたりすることで経済も上向きになる。 街道マップなんかも作られていて、まさしく現代の高速道路である。 ただし歩行者も利用できるし、何よりも無料。 なぜならば、ローマの人たちは、インフラを「人間らしい生活を送るためには必要なこと」と考え、それはすなわち”きわめて重要な国家の責務、つまり「公」が担当すべき分野”と考えていたからである。 ローマにとって、街道、水道、郵便は国家が国民に保証する「人間らしい生活」を守るための基礎なのだ。 中世を暗黒時代というのは、外敵への防衛、宗教と民族間の紛争防止、治安への保障という、ローマ帝国が担っていたものが喪われてしまったからである。 ローマ帝国が滅亡してから1000年ほどは、封建領主が個々に年貢を徴収したけれども、ローマ帝国のように手厚い平和と安全は保障されなかったのである。 さて、映画でも有名な「真実の口」。 ローマ時代はマンホールの蓋だったんだって。 やるなあ。
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★3.5。 この巻は色んな意味でこの作家の感度の限界を感じた気がする。つまり文筆家と言いつつ、時系列に歴史を語ることについての疑問を感じていないという点。これは決定的に致命的とさえ言える。 本巻はトピックごとに切り取る形で史実を語ってますが、これは時を超えた語り口と言えます。ただ...
★3.5。 この巻は色んな意味でこの作家の感度の限界を感じた気がする。つまり文筆家と言いつつ、時系列に歴史を語ることについての疑問を感じていないという点。これは決定的に致命的とさえ言える。 本巻はトピックごとに切り取る形で史実を語ってますが、これは時を超えた語り口と言えます。ただ哀しいかな、このパラダイムシフトに対して作家自身が自覚的でない。当方レベルの愚民でさえ意識できる重要論点をかっ飛ばしているところに、残念感を覚えざるを得ない。惜しいなぁ。。。内容は凄く面白いだけに。
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ローマのインフラを考察する回。歴史=人の考察から離れて、これまでの人物が作り上げてきたインフラを半面見る事で俯瞰的にローマの思想や社会の発展、インフラが果たした政治経済への影響などを理解していきたい。 人間が人間らしい生活を送るためには必要な大事業 インフラ→国民性を写す
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写真が多数掲載されたローマ街道の巻。 ローマが中世を生き残って現代に存続していたら、世界は ひとつの国家で統一され、幸せな星になっていたかもしれない。 今、ある国家、リーダー達のくだらなさがよくわかる。
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番外的な巻であり、ローマ帝国のインフラ整備を扱った巻。主として、ローマ街道網を解説。 インフラ整備の視点が現代と通じる点は、さすがローマ帝国と思わずにいられない。
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現代日本において道路法上の道路であることを満たす幅員は4m。 これがローマの街道の車道の幅員と同じだった事実にも驚きだが、それよりも感心したのは歩道について。 ローマの街道の両脇には歩道が3mづつあったということだが、これは歩行者、つまり一般市民の尊重の表れではないだろうか。 ...
現代日本において道路法上の道路であることを満たす幅員は4m。 これがローマの街道の車道の幅員と同じだった事実にも驚きだが、それよりも感心したのは歩道について。 ローマの街道の両脇には歩道が3mづつあったということだが、これは歩行者、つまり一般市民の尊重の表れではないだろうか。 タブーラ・ペウティンゲリアーナのような楽しげで有益な地図の存在が、このことを証明しているように思える。 現代日本の貧弱な歩道に常々不満を抱いている自分としては、羨ましい事実。 返す返すも惜しいのは、ローマ人のインフラ整備の精神が中世で途切れてしまったこと。 ローマ帝国が滅ばずに、その後も継続して発展していたならば一体どんな世界になっていたのか。想像するのは楽しい。
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今までとは違って人からインフラに焦点を当てて、歴史横断的に考察を加えている。 巻頭のカラーの写真や図も多く読んでいてワクワクする巻でした。 インフラの重要性を見越したカエサルやそれを維持・発展させた歴代の皇帝の先見の明に驚かされ、創造的天才ってどうやって生まれるんだろうと改めて考...
今までとは違って人からインフラに焦点を当てて、歴史横断的に考察を加えている。 巻頭のカラーの写真や図も多く読んでいてワクワクする巻でした。 インフラの重要性を見越したカエサルやそれを維持・発展させた歴代の皇帝の先見の明に驚かされ、創造的天才ってどうやって生まれるんだろうと改めて考えさせられました。
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