ローマ人の物語(27) の商品レビュー
ローマの道路整備についての話。当時の技術や考え方が今でも通用するのがすごい。中身を書き出したら、延々と止まらなくなるくらい、深い。
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同時代人からも「特筆つべきことなし」と記されたピウス帝のもとで、 平和と繁栄を迎えたローマ帝国を少々離れ、ここから2巻はローマ のインフラについて。 共和政時代から帝政時代まで、帝国の隅々にまで張り巡らされた 「ローマ街道」。そのなかでも「街道の女王」と言われるアッピア...
同時代人からも「特筆つべきことなし」と記されたピウス帝のもとで、 平和と繁栄を迎えたローマ帝国を少々離れ、ここから2巻はローマ のインフラについて。 共和政時代から帝政時代まで、帝国の隅々にまで張り巡らされた 「ローマ街道」。そのなかでも「街道の女王」と言われるアッピア街 道の敷設が始まったのは、紀元前3世紀である。この頃、日本は 弥生時代である。 その時代に、対向2車線、歩道完備、排水設備まで備え、平坦な 敷石舗装の街道を作っちゃうんだものなぁ。 そして、同じ頃、中国では万里の長城が造られている。片や街道、 片や防壁。土木事業から見る中国人と、ローマ人の安全保障に対 する考え方の違いが面白い。 また、最初の街道であるアッピア街道の敷設責任者であるアッピア ヌスの晩年が、格好いいんだな。 ギリシアの勇将ピュロスに攻め込まれ苦戦したローマは、ピュロスの 提案した講和に傾く。老齢の為にほとんど目が見えなくなり、歩くこと も不自由になったアッピアヌスは久し振りに元老院に登院した。そこ で居並ぶ元老院議員たちを叱り付ける。 「ピュロスがイタリアから出ていくことが講和の前提条件であり、われ われの家の庭に踏みこんで居座っている敵は、講和であろうが何で あろうが交渉の相手にはなりえない」 くぅ~~~。気高いじゃないか。これ以降、ローマの講和とは敗者 相手に結ぶものとなる。 十字軍の際、居並ぶフランス騎士たちを差し置いて敵地一番乗りを 果たしたヴェネツィアの元首エンリコ・ダンドロに並ぶ格好よさだぜ♪
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シリーズの中でもローマのインフラにだけを取り上げた他とは視点の違う巻である。カラー図版載っており、旅行気分を楽しめる。
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ローマ人は「インフラの父」と呼ばれている民族。紀元前三世紀に、万里の長城:ローマ街道が、垂直:水平 という形で造られていて興味深い内容です。下へ続く・・
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11/4/17 ローマのインフラ。街道、橋。紀元前3世紀前後、中国では交流を閉ざす防壁を、ローマでは交流を促す街道を作った。敗者との同化で栄えたローマの国柄が良く現れている。
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7/13:冒頭に塩野さんが書かれているように、確かに戦もなければ、新たな皇帝が出てくるでもない。とは言えつまらなくない。ローマのインフラについての解説の章でした。 この選挙後の時に読むとなおさらだけど、生活で必要とされているインフラを整備するのが国であり政治なのだなと改めて知らさ...
7/13:冒頭に塩野さんが書かれているように、確かに戦もなければ、新たな皇帝が出てくるでもない。とは言えつまらなくない。ローマのインフラについての解説の章でした。 この選挙後の時に読むとなおさらだけど、生活で必要とされているインフラを整備するのが国であり政治なのだなと改めて知らされた。しかもそれは当然の事として知られている。むふぅ。物や情報が少ない時代の方が幸せで心が豊かな気がするね。 2000年以上前から民主主義や公益など考えてあったんだよねー。ローマってばズゴイ。 ------------------------------------------------------- 7/12:再開
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古代ローマ帝国のインフラのみを取り扱った本。 建築とか土木とかを勉強している人は一度は読んでおくべき本かもしれない。 こういう話で盛り上がれる友達が欲しいなあ。 ローマ人はインフラを「人間が人間らしい生活を送るためには必要な大事業」と捉えていた。 では、現代の日本人はどうだろう...
古代ローマ帝国のインフラのみを取り扱った本。 建築とか土木とかを勉強している人は一度は読んでおくべき本かもしれない。 こういう話で盛り上がれる友達が欲しいなあ。 ローマ人はインフラを「人間が人間らしい生活を送るためには必要な大事業」と捉えていた。 では、現代の日本人はどうだろう?「税金の無駄使い、公共事業廃止」などが大きな声で叫ばれる昨今、広い意味でのインフラについて考え直す時期に来ているように思える。 僕ら日本人ににとってのインフラとは何か。 難しい問題だけど、インフラストラクチャーくらい民族の資質を表わすものはないと思うし、僕自身は、希望と共に喜びを感じさせてくれるものだと確信している。 上巻は、ハード(1.街道 2.橋 3.それを使った人々)について。 下巻は、ハード(4.水道)とソフト(1.医療 2.教育)について。 P.21 ローマ人の考えていたインフラには、街道、橋、港、寝殿、公会堂、広場、劇場、円形闘技場、競技場、公共浴場、水道等の全てが入ってくる。ただし、これはハードとしてもよいインフラで、ソフトなインフラになると、安全保障、治安、税制に加え、医療、教育、郵便、通貨のシステムまでも入ってくるのだ。 P.26 夢とかゆとりとかは各人各様のものであって、政策化には欠かせない客観的基準は存在しない。政治家や官僚が、リードする類の問題ではないのです。政治家や官僚の仕事は、国民一人一人が各人各様の夢やゆとりを持てるような、基盤を整えることにあると思います。 P.70 彼らは、道路とは、国家にとっての動脈であると考えていたように思われる。だからこそ、一本や日本の街道を通したぐらいでは十分と思えず、街道網を張り巡らせていったのではないか。血管の中を通って身体の隅々にまで血液が送られてこそ人間は生きていけるのだから、国家が健康に生きていくにも、血管網は不可欠である。 P.71 インフラとは、膨大な経費をかけ多くの人々が参加し長い歳月を要して現実化するものであるだけに、ハードな分野の成果では終わらずにソフトな分野、つまりは精神の分野にまで影響をもたらさずにはすまない。言いかえれば、インフラがどうなされるかは、その民族のこれからの進む道まで決めてしまうのである。 P.77 ローマ人はインフラを、「公」がやるべきことと考えて疑わず、その考えはローマ帝国が存続していた間、全く変わらなかった。 P.153 ローマ字度では一体と考えられていた道路と橋を、ローマ人自身は次のように分類していた。 (1)公道(2)軍道(3)支道(4)私道 P.190 地図とは、情報の集積である。覇権国は、一つの例外もなく情報の重要性を知っている。だから、収集の結果が地図になろうと他の形になろうと情報集めに熱心であることではどの派遣国家も同じなのだが、違いはやはりある。集めた情報を統治者間だけで占有するか、それとも公開してしまうか、である。古代のローマは、共和政、帝政の別なく、この種の情報は公開することで一貫していた。何しろ、工程が建設させた公共建造物にはつきものの列柱回廊の壁面には、色大理石を使って属州別に色分けされた帝国の全図が張り付けられており、また市内の書店でも、様々な種類の地図が売られていたという。
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ここに来て「物語」では完全になくなった。ローマのインフラに関してまとめた一冊。 これはこれで面白いんだけど正直求めていたものじゃないんだよな。巻頭のカラー写真集を見ているときが一番引き込まれたってのが、それを如実に物語ってるが。まあローマ帝国を知る上でインフラは外せないものだし、...
ここに来て「物語」では完全になくなった。ローマのインフラに関してまとめた一冊。 これはこれで面白いんだけど正直求めていたものじゃないんだよな。巻頭のカラー写真集を見ているときが一番引き込まれたってのが、それを如実に物語ってるが。まあローマ帝国を知る上でインフラは外せないものだし、このシリーズの予復習って意味では良かったんじゃないかな。現地に飛んでみたいって思いも強まったわ。
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ローマ人は,現代人から「インフラの父」と呼ばれるほどインフラを重視した民族だった. 『第一部 ハードなインフラ』 『第二部 ソフトなインフラ』
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28巻とあわせて読む。道路、水道といったハードインフラと医療などからなるソフトインフラという二つのインフラに話を絞っている。 特に道路、水道の考え方は、高速道路や公私の水道料金といった現代に通じる発想が紀元前からあったということが非常に興味深い。道路構造物には水が大敵であると...
28巻とあわせて読む。道路、水道といったハードインフラと医療などからなるソフトインフラという二つのインフラに話を絞っている。 特に道路、水道の考え方は、高速道路や公私の水道料金といった現代に通じる発想が紀元前からあったということが非常に興味深い。道路構造物には水が大敵であるとか、水道管の鉛は人へ有害であるといった知恵があったということが実証できるというのもすごいことである。
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