点と線 の商品レビュー
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上質なミステリー もはや古典と言われるような作品でも古臭さはなく、のめり込んで楽しめました。 地道な警察モノは、人並み外れた推理力で解決する探偵モノとは違う、ジワジワと真相に近づいていくスリリングさがあります。 他の松本清張作品も読みたい!
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「松本清張」の最初の長篇推理小説で代表作でもある『点と線』を読みました。 「松本清張」作品を読むのは、先日読了した『失踪 ―松本清張初文庫化作品集〈1〉』以来、今月2冊目ですね。 -----story------------- 料亭「小雪」の女中2人と、東京駅の13番線プラッ...
「松本清張」の最初の長篇推理小説で代表作でもある『点と線』を読みました。 「松本清張」作品を読むのは、先日読了した『失踪 ―松本清張初文庫化作品集〈1〉』以来、今月2冊目ですね。 -----story------------- 料亭「小雪」の女中2人と、東京駅の13番線プラットフォームで見送られていた機械工具商会を経営する「安田辰郎」。 この3人は、向かいの15番線プラットフォームに、同じく「小雪」で働く「お時」が男性と夜行特急列車「あさかぜ」に乗り込むところを見つける。 だが数日後、「お時」とその男「佐山」は、香椎の海岸で情死体となって発見された。 一見ありふれた情死に見えたが、博多のベテラン刑事「鳥飼重太郎」は、「佐山」が持っていた車内食堂の伝票から事件の裏の真相を探るため、一人、捜査をすることにする。 一方、「佐山」は現在社会をにぎわしている××省の汚職事件の関係者であった。 この事件を追っていた本庁の刑事「三原紀一」は、心中事件を追って九州へ向かい、「鳥飼」と出会う。 捜査の結果、二人は、東京駅で13番線プラットフォームから15番線プラットフォームが見えるのは、1日の中でわずか4分間しかないことを突き止め、「安田」を容疑者として追及しようとする。 だが、「安田」には完璧なアリバイがあった。 ----------------------- 1年前に映画化された作品を観ていたので、大まかなトリックはわかっていたのですが、、、 飲みながら観たせいで、トリックの細かなところが理解できていなかったので、原作を読んでアリバイ崩しの部分がキチンと理解できました。 そして、『点』であった「お時」と「佐山」の関係を『線』に見せるためのトリックもキチンと理解できましたね。 でも、刑事「三原紀一」の執念は凄いなぁ… と感じつつも、、、 情況証拠や感覚だけで、完璧なアリバイを持つ「安田辰郎」を犯人と信じて追い詰めて行く行動には、ちょっと疑問が湧きましたねぇ。 刑事という職業は特殊な仕事なので一般市民の感覚とは違うのかもしれませんが、完璧なアリバイがあれば、それが逆に疑わしいとは感じたとしても、ここまで信念を持って、一人の容疑者を追えるものなんだろうか… というのが素直な感想です。 まぁ、ベテラン刑事「鳥飼重太郎」が「三原」宛に送った手紙に「この男の犯行に間違いないと信じたら、二押しも三押しもすることでございます」とあるように、根拠が薄弱でも、勘というか感覚を大事にすることが刑事には大切な要素なのかもしれません。 「安田辰郎」のトリック(実際は妻「亮子」のトリック)は、緻密な計算ができていて、本当に感心しましたが、、、 エピローグを読んで、トリックやアリバイ崩し以上に、女の嫉妬と執念の怖さが印象に残る作品でした。
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なんとなく結末はこういう感じになるんだろうな、という予感は初めからしていたけど、そこに至るまでの描写が臨場感があり、かつ途中途中であれ、その捜査の線は無くなったのか!え、じゃあ何が残るの??と見事に引き込まれて、最後まで面白く読めました。
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1957〜1958 雑誌「旅」掲載 久しぶり再読 新潮文庫のロングベストセラーに18位で残っている。ゼロの焦点とストーリーが混在してきているので気になって。私の中では、松本清張のベストは「砂の器」だけれども。 福岡の海岸で、男女の情死が発見される。ありふれた情死と思われたが、...
1957〜1958 雑誌「旅」掲載 久しぶり再読 新潮文庫のロングベストセラーに18位で残っている。ゼロの焦点とストーリーが混在してきているので気になって。私の中では、松本清張のベストは「砂の器」だけれども。 福岡の海岸で、男女の情死が発見される。ありふれた情死と思われたが、男が汚職事件の関係者とわかり、疑念を持ったベテラン刑事が、犯人のアリバイを崩していく。 昭和32年です。連絡手段は電報。インターネット無し。防犯カメラ無し。聞き込みオンリーからの考察。今のようなハイスペックなトリックは無いが、当時の時刻表を駆使して丁重に時間を紐解く。 「旅」雑誌らしく、九州と北海道を作中に盛り込む。幾つかの特急電車や、寝台特急も登場します。当時、こんな娯楽小説はさぞかし盛り上がった事でしょう。 男子バレーの時間差攻撃は、この小説で思いついたらしいですよ。昭和恐るべし。
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ミステリが読みたいと思い、そんな時は松本清張!と手に取った。 時間の魔術師という言葉がしっくりくる。 あまりにも有名な作品で、ちょっと盲点だったが読みやすさは然ることながら内容も良かった。 警察の調査に調査という地味な内容だったが、こういうのも好き。 砂の器、黒革の手帖が好きな私...
ミステリが読みたいと思い、そんな時は松本清張!と手に取った。 時間の魔術師という言葉がしっくりくる。 あまりにも有名な作品で、ちょっと盲点だったが読みやすさは然ることながら内容も良かった。 警察の調査に調査という地味な内容だったが、こういうのも好き。 砂の器、黒革の手帖が好きな私としては満足感は劣るけれど、確かに面白かった。
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一般的に言う「アリバイ破り」の小説を読むのは本作が初めてであるが、なるほどとうなる魅力が詰まっていると感じた。強固な壁であるかのようなアリバイを糸をほどくかの如く瓦解させる様は心地よかった。 しかし、個人的には、刑事の一喜一憂しているところが見てて好きだったため最後の後日談形式には少々気落ちした。
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原点回帰。種明かししちゃえば何てことないし、今ではそんなに解決に時間がかかるとかちょっと考えられないけど、当時はこうして地道に捜査したんだろうなぁ...と。 真相に近づいたかと思えば肩透かしを食らったりの繰り返しでちょっと中弛みしてる気もしたけど、読みやすい文書にグイグイと引き込まれてあっという間に読めてしまいました。 松本清張作品は2サスでほぼ観てるけど、原作をちゃんと読んだことないので、他の作品もぜひチェックしたい。
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時刻表に浮かぶ「数字のある風景」。 同時刻の別地点を空想することから生まれた精緻な犯罪計画。 九州の香椎潟で男女の情死体が発見された1月21日、北へ飛んだ男に思いを馳せる。彼が小樽で急行《まりも》を迎えたときの高揚を想像するとぞくぞくする。
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読みやすい文章。書かれたのが昔だから新幹線なかったり時代について行くの大変。 でも地元の福岡出てきたから幾分かイメージしやすかった
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最後のエンディング以外はなんて事の無い昭和の古典的な推理小説と言う印象。 推理も何だか回りくどいし何でそこ気付かないのっていうのも結構あった。 結局自白が無ければ逮捕されなかたのではと思ってしまう。 レビューからしてどんな内容かとても興味深く読んだが正直最後まで期待外れ。 書かれ...
最後のエンディング以外はなんて事の無い昭和の古典的な推理小説と言う印象。 推理も何だか回りくどいし何でそこ気付かないのっていうのも結構あった。 結局自白が無ければ逮捕されなかたのではと思ってしまう。 レビューからしてどんな内容かとても興味深く読んだが正直最後まで期待外れ。 書かれた時代のギャップのせいか。
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