点と線 の商品レビュー
予想できない事件の裏側は、読者にも想像ができないところまで脱しているところにオリジナリティを感じました。 ただ、哀しさや切なさを感じる場面はあまりなく、淡々とした感じで終わってしまいました。
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現代ではつくることができない作品。序盤~中盤は、三原警部の推理を聞いて、自分なりに事件を想像したりミスリードされないようにと気をつけていたのですが、思わぬところで不意を突かれました(最後の手紙のところです)。トリック自体は驚きがなく、想像できるものでしたが、結末が想像できていなか...
現代ではつくることができない作品。序盤~中盤は、三原警部の推理を聞いて、自分なりに事件を想像したりミスリードされないようにと気をつけていたのですが、思わぬところで不意を突かれました(最後の手紙のところです)。トリック自体は驚きがなく、想像できるものでしたが、結末が想像できていなかったです。
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松本清張さんの記念館にお邪魔したのがきっかけで手に取った一冊。 今はない時刻表、東京から福岡までの長い乗車時間。現代と全然違う時代背景で書かれているものを読む機会があまりなかったので状況を理解するのが大変でした。 女の嫉妬、政治の理不尽な世界、人間の先入観の恐ろしさ。全て現代と...
松本清張さんの記念館にお邪魔したのがきっかけで手に取った一冊。 今はない時刻表、東京から福岡までの長い乗車時間。現代と全然違う時代背景で書かれているものを読む機会があまりなかったので状況を理解するのが大変でした。 女の嫉妬、政治の理不尽な世界、人間の先入観の恐ろしさ。全て現代と変わらないなと思いました。 現代小説はあまり辞書で言葉を調べなくても読めるものが多いですが、この小説では私の知らない言葉があり勉強になりました。(知識不足です
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ちょっと前に横溝正史さんのエッセイを読んでいて、その中に松本清張さんの名前が登場していたので、久しぶりに本棚から取り出してきました。読むのは3~4回目かもしれません。改めて読み通してみても印象的な作品ですね。 プロットやトリックに注目すべき新規性があるわけではありませんが、「...
ちょっと前に横溝正史さんのエッセイを読んでいて、その中に松本清張さんの名前が登場していたので、久しぶりに本棚から取り出してきました。読むのは3~4回目かもしれません。改めて読み通してみても印象的な作品ですね。 プロットやトリックに注目すべき新規性があるわけではありませんが、「読み物」として読者を惹きつける筆力は流石だと思います。
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うっかり三原刑事がいとおしい。 トリックは想像を越えることはないけど、これがいろいろな小説に沢山の影響を与えたのだと思う。 想像を書き立てる場面や人物の描写が素晴らしい。 そして、終わり方がやっぱり潔い。
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日本のミステリーって、松本清張前と後に分かれると思う。 現代にも通じる、緻密な展開とか人の心の動きはさすがだと思う。
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松本清張の本を初めて読みました。推理小説だったとは! すごくスムーズに話が進んでテンポ良く読めて良かったです。 推理小説は伏線が回収される所が面白い! 他の作品も見てみたいと思いました。
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古典ではあるが改めてよくできている、ハウダニットの面もそうだが、フーダニットやホワイダニットの面でも読み応えがある 官僚の汚職との関係は今も昔も…
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トリックには批判も多い。ただ九州に住んだことがある人間としては、風景の描写とか、方言の感じとかがよい。出てくる刑事も好きだな。東京の人はちょっと鈍いけれど苦笑。
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一般に,社会性のある題材を扱い,作品世界のリアリティを重んじた作風の推理小説を指す。事件そのものに加え,事件の背景を丁寧に描くのが特徴。(Wikipedia「社会派推理小説」より引用) 「点と線」は1958年の作品。これをはじめとしたミステリー小説により,松本清張は現在では社会...
一般に,社会性のある題材を扱い,作品世界のリアリティを重んじた作風の推理小説を指す。事件そのものに加え,事件の背景を丁寧に描くのが特徴。(Wikipedia「社会派推理小説」より引用) 「点と線」は1958年の作品。これをはじめとしたミステリー小説により,松本清張は現在では社会派を代表する作家に位置づけられている。作者の言葉によればこの時期で既に「社会派」という用語は定着していたようだ。 推理小説の犯罪解明法を「アリバイくずし」に軸をおいたり,リアリズムを重視する姿勢は,イギリスの作家F・W・クロフツの影響が少なからず指摘される。平野謙の解説によると,クロフツは犯人の動機付けに個人悪に限定していたところを,松本清張は個人悪と組織悪をミックスさせた,そこが新しいという。 リアリティという点で見ると,終盤数ページに全てが凝縮されているように思う。とにかく後味が悪いのである。アリバイが崩れてさも気持ち良かろうところに,畳み込むようにして真実を突きつけてくる。あんまりにも詰めすぎてリアリティが薄れた感もあるが,断定はできない,そこが苦いところだ。もともと人情の描写に定評のある作者だからこそ出来た挑戦だと思う。
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